チャミシル様の目的
私の問いかけに、一瞬不機嫌そうにしたペルノは「同情とかだったら怒るからな?」と再度念を押して私に話すように促した。
それを確認して私は疑問に思った事を話し始める…。
「ペルノのお母様が半獣だって話だけど、ペルノはクォーターって事よね?…種族は?その耳は何の獣人の耳なの?ペルノも完全獣化できるの?一度…見せてもらっても良いかな!?」
「そっちかよっ!!」
一つと言いながらも気になり過ぎてどんどん声のトーンが上がり、思わず前のめりになりながらペルノへと問いかければ…ペルノは間髪入れずにツッコんだ。
テンポよくツッコミが入った事に思わず口元が綻んでしまう。
「だって、同情されたく無いんでしょ?それに…今更、貴方の過去を憐れんだところで過去は過去。それよりも、これからの話をした方が良いかと思うのよね?」
「は?はぁ?おま…お前…何なんだよ…。」
段々と声のトーンが落ちていくペルノは、最終的に頭を抱えたかと思えば…何故か肩が揺れ思いっきり吹き出した。
「…っぶふ!おま…本当…意味わかんねぇ!」
何が可笑しいのか分からずに首を傾げると、一頻り笑ったペルノは呼吸を整え再び私を見て…何故か顔を綻ばせた。
「あんたと話してたら、なんか本当…そうなんじゃ無いかと思えてくるな。」
「ん?私…なんか変な事言ってる?」
何だろう…ちょっと馬鹿にされてる気がしてムッとすると、再びペルノは笑った。
「あっそうそう!あの公爵の事だけど…その…大丈夫だったの?」
先程、公爵の名前が出てきたので彼が襲われてないのか心配になって問いかければ…ペルノが今まで以上に嫌な顔をする。
その顔でもしかしたら?と不安になると、彼は首を左右に振って「俺は何もされてない!」と力強く否定してきた。
「アイツの好みはもっと幼い奴だ、俺は雑用って言うか…殆ど屋根裏に閉じ籠っていただけ…って邸で掘られて無いか聞いたのってそういう事かよ!!お前…貴族の令嬢だろ?」
「ん?一応…令嬢ですが何か?…って、公爵って本物の変態だったの?…その…良かったね。」
どう反応して良いのか悩みながらも苦笑いを浮かべて声をかければ、彼も一度深く頷いた。
「それにしても、チャミシル様はペルノを見つけて何がしたかったのかな?公爵の好みでも無いし…ペルノをただ公爵に渡しただけ?他に何か無かったの?」
私の話が一段落すると、リオンが不思議そうに話し始めた。
チャミシル様の目的が分からず首を傾げ…ペルノへ質問すると、ペルノも首を傾げた。
「俺には特に…あ、でも獣人の事を聞かれたな…それと何故か血も抜かれた。」
「「…血っ!?」」
ペルノの言葉にリオンも私も思わず聞き返す。
どれだけの血を抜かれたのだろう?大丈夫だろうかと心配そうにペルノを見ると、彼は苦笑しながら「少しだけだ。」と答えた。
少しだったとしても恐ろしい事には変わらないだろうに…。
「…血かぁ…もしかして、他の獣人達が完全獣化したのと関係あるのかな?」
ペルノの言葉にアレスがボソリと呟く。
その声に反応したのはリオンだった。
「キャティの夢に出てきた薬…あれにチャミシル様が関わっていたって事?」
リオンがキャティ様をぎゅっと抱きしめる。
他の獣人達を攫う時にも薬を飲ませていたらしく、全員が此方の会話に耳を傾けていた。
「つまり…薬で完全獣化して、その後はストレスで戻らなくなったって事?聖女様は薬のせいで完全獣化が解けないとは言ってなかったわよね?」
「うん、そうだと思う。…でも強制的に完全獣化させる薬なんて…。」
リオンと共に議論し…そして私はアレスを見た。
アレスがもし…同じように薬を盛られたら?
「アレスが同じ事されたら…私、チャミシル様に何するか分かんないかも…。」
ボソリと呟いた言葉にアレスもリオンも嫌な顔一つせず、それどころかアレスは嬉しそうに口元を綻ばせた。
アレスと私の遣り取りにリオンは一つ溜息を吐く。
「既に僕はチャミシル様に何するか分かんないくらい怒ってるんだけど…どうしたら良いと思う?」
ボソリと呟いたリオンをキャティ様は心配そうに見つめていた。
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今夜は更新が遅くなってしまい申し訳ないです。




