第897話 恐竜の魔物が棲む島 双子達のLv上げ 3&Lv100の恩恵
年内最後の更新となりますが、お読み下さり、ありがとうございます。
皆様、よいお年をお迎えください。
※椎名 賢也 115 迷宮都市 地下12階 石化した冒険者達 2をUPしました。
誤字脱字を修正していますが、内容に変更はありません。
「ステータスでLvが幾つになったか確認してもらえる?」
恐竜の魔物が、どれくらい強いのか分からないので双子達に聞くと、
「Lv75になった……」
雅人が脱力したような顔で答えてくれた。
私がベヒモスを1人で倒した時は一気にLvが100を超えたので、経験値が分散されたと思えば同じくらいかな?
意外と高Lvの魔物だった事にホクホクして、
「次を出すから構えてね」
ステゴザウルスを出した。
あの背中に沢山ある背びれみたいなものは、換金したらいいお金になりそう。
そんな事を思いながら双子達の様子を窺う。
さっきまでへたり込んでいたけど、2人は魔物を見た瞬間に顔を引き締め剣を手にして走り出す。
そうそう自分から動いたほうが先制攻撃になるわ。
今回も遥斗が後ろ足を1本切断した瞬間を狙い、雅人が首を刎ねて仕留めていた。
本当にシュウゲンさんの剣が役に立っている。
多分、店売りの剣じゃ、これほど綺麗に切断出来ないだろう。
地面に横たわるステゴサウルスを回収して、もう一度Lvを聞いてみた。
「2匹倒しただけでLv100になってる!」
遥斗がステータスを見ながら興奮して頬を上気させ、
「どれだけ強い魔物を出したんだ……」
雅人は遠い目をして肩を落としていた。
正反対の態度を見せる双子達に続けてLv100の恩恵を尋ねてみると、
「不可視の電波塔が2箇所、追加で設置出来るみたいだよ」
遥斗が調べて教えてくれた。
それなら二人合わせて全部で6箇所か……、有効範囲が不明だけど国ごとに電波塔が必要なのかしら?
短時間でLv100になったので、検証する時間はたっぷりある。
その前に、双子達の自衛手段を講じておこう。
島には姿が見えない敵が何人いるか分からない。
私は結界を張ってシルバーに乗れば攻撃範囲から外れるけど、2人には現在騎獣がないからね。
鳥系魔物を取り敢えず、2匹テイムすればいいかな?
用事が済んだら解除して、アイテムBOXにまた収納すればいいし。
「魔物のテイム方法を見せるわね」
そう言って、きょとんとする双子達の前に迷宮イーグルを2羽出して魅了した。
体長が3mあるから背に乗れるだろう。
一応、ステータスを見てテイム出来ているか確認しよう。
【従魔のステータス】
●Lv105(消費MP400)HP1,050/MP1,050 迷宮イーグル(雄)
●Lv105(消費MP400)HP1,050/MP1,050 迷宮イーグル(雄)
チョンチョンと歩いて近付いてくる2羽のイーグルの喉を撫でると、「グルグル」鳴いて頭を上下に動かしている。
こうして見ると鳥系魔物も可愛いなぁ~。
私が飛翔魔法で飛んで、シルバーに2人を乗せる案もあったけど、私が1人で飛ぶのをシルバーが嫌がるからやめたのだ。
「どう? 簡単でしょ?」
「何をしたのか、さっぱり分からないんだが?」
怪訝そうな顔で雅人に言われ、
「魅了しただけよ」
方法を簡潔に答えてあげた。
「いつ魔法を使ったかも分からないよ!」
おや? お手本を見せてあげたのに、双子達には理解出来なかったらしい。
まぁ、実際に自分達が魅了魔法を使用すれば分かるだろう。
「ちゃんとテイム出来てるから、1人ずつ背中に乗ってみて」
私の言葉を聞いた双子達は恐る恐る迷宮イーグルに近付き、その背に跨り首に手を回してみせる。
「しっかり掴まっててね」
2羽に飛ぶようお願いすると、大きな羽を広げて空へと舞い上がった。
それを見て私もシルバーに騎乗し、あとを追う。
2羽の真ん中を飛ぶようシルバーに指示を出し、2人が落ちてしまわないよう見守る。
初めて空を飛ぶのに、双子達は恐怖心を感じてないのか目をキラキラさせて楽しんでいるみたい。
あまりスピードを出さないようにお願いしているから、空気抵抗もそれほど受けずに済んでいる。
30分くらい空の旅を経験させて地上に降りた。
ただ迷宮イーグルは下に降りる時、急降下するようで2人が悲鳴を上げていた。
ジェットコースター気分が味わえるわね。アトラクションの代わりになりそうだ。
地上に着地してからも、しっかりと首に抱き着いたまま目を瞑っている姿に笑ってしまう。
「2人とも電波塔を設置しに、これから島へ行くわよ」
「それって、姉さんが飛ばされた島?」
「そうよ。もう魔物は倒さなくていいから安心して」
島の魔物と戦わされるんじゃないかと心配している雅人に、はっきり断ってから移転した。
景色が変わると同時に空へと浮き上がる。
現れた瞬間に地上から離れたので、敵は攻撃出来ないだろう。
「雅人、電波塔を設置してみて」
「分かった」
不可視の電波塔なら、私には見えないのかしら?
そう思って下を見ると、高さが100mはありそうな半透明な電波塔が設置されているのが目に映る。
これは……異世界人には見えないのかも知れない。
設置出来たようなので、スマホを取り出し母に掛けてみた。
コール音が鳴り、母が電話に出る。
「沙良? 何かあった?」
「電話が通じるか試してみただけだよ。双子達のLvが上がって、ホーム外でも繋がるようになったの」
「じゃあ今は島に居るのね? 海に居る恐竜も見てみたいから、アイテムBOXに収納してくれる?」
「双子達も一緒だから少しだけね」
母の希望を汲み、海の中をマッピングで透視して魔物を探し数匹だけ収納しておいた。
PCも使えるか調べたあと、再び地上に降りてホームへ戻る。
電波塔を設置すれば、スマホとPCが繋がると分かっただけでも大きな成果だ。
カルドサリ王国に設置出来たら、いつでも兄達と連絡が取れるのになぁ。
「姉さん、さっき行った場所はジェラ島と呼ばれているみたいだよ。電波塔を設置した時、そう表示された」
「ジェラ島?」
雅人が言った言葉に反応して首を傾げた。
なんというか、地球に似ているところがあるな。
ここは乙女ゲームの世界だから、知っているような名前が多いのかも知れない。
主人公が攻略対象と結ばれない時点で、ストーリーは破綻しているだろうけど……。
双子達が迷宮イーグルから降りたのを見て、テイムを解除しアイテムBOXに収納する。
次はドレイン魔法のLv上げをさせよう。
Lv100になったので、数回掛ければ昏倒する筈だ。
出来るだけ魔物は損傷させずに倒したい。
換金額に大きく差が出るので、動けないようにしてから戦ってもらいたいのだ。
「次の魔物は昏倒するまで何度もドレインを掛けてね」
そう言って、先程海の中にいた魔物を出す。
陸上生物じゃない恐竜は地上に出されると動きが鈍る。
魔法のLv上げをするには、もってこいの魔物だ。
二人が何度もドレイン魔法を掛けている間に、私もLvを上げようと別の魔物を出して体内から魔石を抜き取る作業を繰り返していく。
1時間後、双子達のドレイン魔法はLv5になり私のLvは150に上がった。
高Lvの魔物相手に魔法を使用したほうが、Lvは上がりやすいようね。
MP値が少ない双子達はハイエーテルを飲んで、「ジュースみたいだ」と喜んでいた。
最後にHP値とMP値が増える飴を渡して舐めさせる。
「子供じゃないんだから、飴くらいで機嫌を取るなよ」
ぶつくさ言う雅人に、
「HP値とMP値が増える飴なのよ?」
飴の効能を伝えると、
「はあ!?」
今日一番の大声を出して飴を飲み込み、目を白黒させていた。
「もう、何があっても驚かない……」
遥斗は飴をガリガリと噛み砕き、雅人の肩を叩く。
その後、ステータスを確認した2人が「Lv上げの必要ないじゃん!」と声を揃えて絶叫していた。
「でも飴は1日1回しか効果が出ないんだよ。短期間でステータス値を上げるには、Lvを上げたほうが早いの」
って、2人共聞いちゃいないか……。
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