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椎名 賢也 47 ダンジョン 地下8階 ホーリーの効果 2

 マッピングを使用して周囲の魔物分布を見たのだろう。

 沙良が嫌な顔をして言った。


「お兄ちゃん、(まか)せた!!」

 

(まか)された!!」


 俺は最初に索敵した、ゾンビ姿の魔物にLv2(消費MP20)のホーリーを掛けた。

 ゲームのような血塗れな姿ではないが、緑色の肌をした動く死体だ。


 一瞬魔物の姿が光ったと思ったら、ゾンビは跡形も無く消え去り床には魔石だけが落ちている。


 これは魔石取りの手間が省けるな。


 やはり光魔法は、アンデッドにはダメージがデカいらしい。

 と言うか、()き過ぎのような気がするが魔物も天国に向かうのだろうか?

 

 続いて出てきたグールは、肌の色が紫色をしている動く死体だ。

 これもホーリーLv2で魔石を残して消え去る。


 この2種類の魔物は(にお)いが強烈だったが、ホーリーを掛けた後は周囲から悪臭も消え去った。

 沙良はマッピングを見て、アンデッドとグールが近付いてくると分かると少し離れた場所に移動している。


 確かにこの(にお)いは慣れていないとキツイだろう。

 俺は昔、遺体の病理解剖を散々したお陰で多少耐性がある。


 しかしこの階層は換金出来るのが、リッチの杖とリビングアーマの鎧を除けば魔石のみだ。

 沙良にオリハルコンゴーレムを見付けて貰わないと割に合わない。


 その後に出現したスケルトン体長2mは、名前の通り全身が骨で出来ていた。

 筋肉も無いのに、一体どうやって動いているのか非常に気になる生物だ。


 沙良が興味津々の様子で見ている。

 またおかしな事を考えてるんじゃないよな?


「骨合わせ……」


 呟く声が聞こえたが無視した。


 止めてくれ、貝合わせと勘違いするんじゃない!

 ホーリーを掛けると魔石のみを残して消える魔物で良かった……。


 実体の骨が残ったら、妹は絶対アイテムBOXに収納して遊びそうだ。

 そして俺が付き合わされる未来しか思い浮かばない。


 しかし、人体の仕組みに詳しい俺にはどうやったって勝てないぞ?


 ゴースト体長2mは実体が無い。

 半透明に見えるよく分からない魔物だ。

 両方ともLv2のホーリーで魔石を残して消えた。


 リビングアーマは体長3m。

 金属製の動く鎧だ。


 これならサンダーアローで感電死するんじゃないかと思ったが、中身が無いので分からない。

 沙良は試す事もせず俺の後ろで待機していた。


 まぁホーリーのLv上げをするのに、地下8階は俺にとって最適だから良いか。


 ホーリーLv2を掛けると崩れ落ちる。

 中身? の魔物が昇天したんだろう。


 この金属鎧と魔石で金貨5枚(500万円)。

 沙良は魔石以外の獲物を前に、また何かを考え込んでいた。


 非常に嫌な予感がする。


「お兄ちゃん。リビングアーマを部屋に飾ったら、夜動き出したりするかな?」


 やっぱりか!


 どうしてそんな発想をするんだ妹よ。


「沙良。今その魔物はホーリーで消えて亡く(・・)なった。今あるのはただの金属鎧だ。動き出したりはしない」


「また幽霊が中に入ってくれるかも知れないでしょ?」


 幽霊じゃなくて魔物だぞ?


「家に飾りたいなら自分の部屋だけにしてくれ。俺は要らん。そもそも500万円もする金属鎧を、どの部屋に置くつもりだ? そして無いとは思うが万が一動きだしたら、お前はどう対処する心算(つもり)だった」


「それは、隣の部屋で寝ているお兄ちゃんを起こして……」


「沙良、夜中に寝ている俺をそんなくだらない理由で起こすのか?」


 少し声を低くして問い詰める。

 妹は何に興味を持つか本当に予想出来ない。


 今後同じような迷惑を掛けられないために、しっかり言い含めておく必要がある。


「えぇっと……、起こしたら駄目だと思います」


 首を(かし)げていくら可愛らしく言っても、俺には効果ないからな。


 目が思いっきり泳いでいるぞ?


 (まった)く、旭がいないと俺1人でこの馬鹿娘に対処しなきゃならないじゃないか。


「そもそもの問題だが、リビングアーマは体長3mある。お前の部屋の天井はそんなに高くないだろう。精々あっても2.5mだ。どうやって飾るんだ?」


 沙良が俺の話を聞いて唖然(あぜん)とした顔をする。

 気付いてなかったな?


「体操座りとか、どうかな?」


 リビングアーマを体操座りの状態で飾るのか!?

 シュールすぎる……。


「どうしても飾りたければ、誰も居ない部屋に鍵を掛けておくんだ。そうしたら、幽霊? が中に入っても部屋からは出られないだろう」


「了解しました!」


 返事だけはいいんだよ……。


 次のリッチは、スケルトンがマントを羽織って杖を持った体長2mの魔物だった。

 ホーリーLv2でスケルトンが消えると、マントと杖と魔石が残る。


 マントは買取対象になっていないが、沙良はアイテムBOXに収納していた。


 最後は待望のオリハルコンゴーレム体長3mだ。

 見た瞬間、沙良がサンダーアローを楽しそうに撃って倒す。

 これ1体で金貨200枚(2億円)だ。


 何故(なぜ)、ふふふっと笑いながら悪人面になっているのか……。

 嬉しいのは分かるが、その顔は子供達に見せるなよ。


 泣くぞ?


 今にもテンプレの言葉を言い出しそうだ。


越後屋(えちごや)、お主も悪だのう」


 そして予想通りの言葉を吐く。

 時代劇の見過ぎだ!


 そして俺が越後屋(えちごや)かいっ!


 俺は沙良には付き合わず、とっとと安全地帯を目指したのだった。 

 後ろから「え~! ノリ悪~い!」と聞こえるが無視だ。


 本当に幾つになっても、妹のお守りは疲れるよ。

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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。


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