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「こんなに早くここにまた来ることになるとは……」


 王城の前には騎士団というにはあまりに心もとない人数と装備の人間が立っている。

 魔獣たちが暴れた一件でけが人の治療も追いついていない様子だった。


「まさか王国はあれだけか……?」


 レイリックが拍子抜けしたようにそう言う。

 数はおそらく数百程度で、間に合わせに鎧を着せられたであろう人間も何人も見受けられる状況だった。

 ちなみに当然だが、馬もいなければ竜もいない歩兵だけの集団だ。

 と、そこに一匹の竜が現れた。


「あれは……」


 ミリアが一瞬だけ目を見開いたが、すぐに正気に戻る。

 うん。大丈夫そうだな。


「これはこれはレインフォース卿。ついに気が狂って攻め込んで来たのか?」

 竜の上からそう挑発するのは……。

「兄様……」

「あれがアルン第一王子か」


 そしてあれが……。


「父ちゃんのかたき……!」

「あいつだ! あいつがあいつがやった!」


 ホブゴブリンたちが殺気立つ。


「ふん……なるほど、数が多いと思えば下等な生き物で戦争ごっこというわけか」

「そちらこそ、戦争ごっこもできないほど苦しい状況のようで大変だな」

「貴様……」


 いまアルンから見えているのは俺たち竜やペガサスに乗ってきた第一陣と、歩兵たちだけ。

 魔獣たちは背後に控えている。

 そのせいか、ホブゴブリンたちを舐めているからか、それとも何か奥の手があるのかわからないが、第一王子アルンは余裕の表情を崩さない。


「国王は出てこなくて良いんだな? このままだとこのアルンの言葉を貴国の総意とみなすことになるが」

「馬鹿馬鹿しい! テイマーごときにいちいち国王が出てくるなど。王子たる私が出てきているだけで異常なのだ! そのありがたみもわからぬか!」


 なるほど……。


「こちらには前回やってきたときに、国王自ら署名をもらって条約を結んでいたんだがな。どこかの馬鹿が知らずに反故にしたようだから、対応によってはと思ったが……いいんだな?」


 神獣の力を借りて威圧をかける。

 ズン、と、周囲の空気が重たくなったかのような錯覚すら起こる。


「ぐっ……⁉ なんだこれは⁉」


 アルンが竜上で思わずうずくまる。

 下にいた騎士たちもまた、何人かが立っていられなくなった。

 霊亀と鳳凰をテイムしたことで俺自身の力も相当なものになっているようだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポよく進み読みやすいし面白い。 [気になる点] 作品とは関係有りませんが下段の別作品の宣伝はありがたいが、リンク切れが散見されイライラするのでリンク修正に気を配ってほしいと思いました。…
[気になる点] 他で連載を始められている様ですが、こちらでの更新は? 続くんですよね? 楽しみにしてます♪
[良い点] 終わり? 最高におもしろいのに…残念
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