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悪役令嬢は双子の妹を溺愛する  作者: ドンドコ丸
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悪役令嬢とランチタイム

 午前の授業が終わり、ルーナはマルグリットさんと話しをしながら教室を出て行った。

 さて、私は一人ご飯かな。お弁当的な物とかあれば庭園で食べられるのだけど、そういう仕組みはないのだろうか。悩んでいると後ろから声をかけられた。

 あ!その声はロザリーさん。


「リュシアちゃん、よかったらお昼にしましょ。私の友達も一緒だけどいいかな?」

 わーい!お誘い嬉しい。これはまたお友達ができたってことでいいのかな?私は二つ返事で付いていくことにした。


 食堂のテーブルに三人で座り、他愛もないおしゃべりをしながらお昼を食べる。これ、これよ!学生生活の醍醐味だ。


 一緒に座っているロザリーさんのお友達はオレリアさん。

 彼女は貴族ではないけど、先祖代々錬金術の研究をしている高名な家のお嬢さんだ。錬金術、魅惑の学問だわ。お金、たくさん、ほしい。おっと、闇の声が聞こえたわ。

 でもオレリアさん自身は、錬金術?なにそれ?それよりもお洋服とかアクセサリーとか大好き、だそうだ。

 刺繍が好きならば、裁縫もできるのでは、と私に興味を持ってくれたそうだ。

 オレリアさんはいつか洋服や小物を作れるようになりたいんだって。当面の目標はロザリーさん用のカッコイイ小物を作りたい、だそうだ。

 わかる。これ以上イケメン度が増したら困っちゃう、けどわかる。女の子だけど。いや、女の子だからこそ、イイ!

 二人にぜひ私の刺繍作品を見たいと言われて、今度持ってくる約束をした。

 あ、せっかくだし三人お揃いのハンカチとか作っちゃおうかな。柄は同じにして、色だけそれぞれ変えて。うん、楽しそう。週末帰ったら裁縫道具を取ってこよう。


 お昼を食べ終え、私は二人と別れて図書館棟に向かうことにした。

 建物に入ってすぐ、ルーナとマルグリットさんがいるのが見えた。ルーナは何かの本を一生懸命探しているが、マルグリットさんは構わず話しかけているようだ。私は二人に見つからないように気をつけつつ、植物関連の棚の方へ向かう。ほへー、さすが王立学院。蔵書数半端ない。

 物色した後、薬草の長期保存について書かれた書物を抱えて読書机に向かう。うちのミントもどきがよく育つので、使い切れない分を保存できたらと思ってね。

 図書館棟には学習スペースのようにいくつか机が並んでいるのだ。上の学年の生徒と思われる人が勉強している。私はまだ数年猶予があるが、学院では大きな試験がある。多分その勉強をしているのだ。切羽詰まった顔でノートに何か書いてるよ。教科書にはいっぱい栞が挟まれている。あれが私の未来の姿……。うん、今は考えないことにする。

 私は空いている机に向かい、午後の予鈴が鳴るまで本に集中することにした。

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