第十二話 蓮は登校してみる
時は翌朝。
場所は通学路。
「はぁ……結局、流れのままに寝狐を泊めてしまった」
けれど、よかったこともある。
それは今朝の事。
『あ、おはようございます、蓮さん! 朝ごはん作りましたので、よかったら食べてください!』
と、言ってきたのは寝狐。
そして、並べられていたのはザ・健康的な朝食と言った感じのメニュー。
(あんな朝食、久しぶりに食べたな)
本当は今日。
学校サボって、ゲーセンに行こうと思っていた。
けれど。
(なんか、それをしたら寝狐に申し訳ない気がするし……今日は行くか)
なぜなら寝狐、きっと蓮のために頑張ってくれたに違いない。
というのも。
(寝狐、目元に滅茶苦茶くまが出来てたんだよな――まるで、貫徹してゲームした時みたいな)
きっと、相当早起きして朝食を作ってくれたに違いない。
しかも、さぞ眠いはずなのに――蓮が家を出る時には。
『蓮さんが学校に行っている間に、食器の片付けとお部屋の片づけをやっておきますね!』
などと、申しておられた。
本当に神のような寝狐様だ。
「…………」
なんだか悪いし。
学校の帰りにお土産でも買ってあげるか。
などなど。
蓮はそんな事を考えながら、学校へと向かうのだった。




