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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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脳内家族会議with旅の同行者 ⑥




『乃愛、駄目だよ? というか乃愛の旦那として僕がいきなり現れたら警戒するのも当然だし。でも出来れば乃愛の信者には僕のことは認めてもらいたいかな。だからそのうち、乃愛が人前に神様として出る時は僕も一緒だよ』

『……博人、人前に出たら周りに興味持たれちゃう。私、それは嫌なんだけれど。だって私の博人は周りから興味を持たれて仕方がない存在なんだもん』

『乃愛、我儘言わないで? 僕は興味を持たれても、乃愛以外には興味を持たないから』



 母さん、きっと父さんの前で凄い感じになっているんだろうな。それこそ俺が見たら恐怖心から動けなくなるぐらいにはなってる気がする。俺って母さんの息子で、母さんの性格に慣れてはいるけれど……それでもおそらく本気で怒った母さんには立ち向かうことは出来ないだろう。

 今までそんな母さんを俺は見たことがないし。でも父さんは……そんな母さんを前にしても、こうなんだろうな……。自然体というか。そういうところが父さんの凄いところだ。




『僕のことは広めてもらって構わないよ。寧ろ僕以外が乃愛の旦那とか言われているのも困るし』

『もうっ、博人ってばぁ、私の旦那さんは博人だけなのは当然でしょう? 寧ろそれを認めない生物なんて許していいものではないわよ』


 母さんが嬉しそうだ。父さんが何だかんだ独占欲を露わにしていることを喜んでいるのだろうというのはよく分かる。




『そうだね。でもその時は僕の方が動くから、乃愛はゆっくりしていていいんだよ? 乃愛はやりすぎちゃうでしょ』

『えー。私の博人の存在を誰かが認識することが凄く嫌なんだよ。でも博人がそういうなら我慢するね?』


 母さんはそう言ったかと思えば、フォンセーラとノスタへと話しかける。



『ねぇ、私の信者の二人。私の博人は最高なんだから、ちゃんとその良さは伝えるんだよ? でもね、私の博人に心酔したり興味を持ったりする存在は要らないんだから、その辺はちゃんとしてね?』

『は、はい!! もちろんです』

『ノースティア様の御心のままに!!』



 いや、本当に俺は何を聞かされているんだろう? みたいなそんな気分である。正直、普段の様子を知っているからこそなんというか互いのこういった姿を見ると少しだけ何とも言えない気持ちにはなる。




『それでいいわ。えっと、あとは何か話したいことある? 私は特にはないのだけど』

『母様はただ父様と二人っきりを堪能したいだけでしょう』

『母様、私はまだ家族での話し合いは続けたいわ』



 母さんの本音は当然のことながら姉さん達にも悟られているようだ。母さんは滅茶苦茶分かりやすい。




『そうだよ、乃愛。折角久しぶりに家族が揃って会話を交わしているんだ。それに乃愛の信者達だっている。だから僕はゆっくり話したいよ』

『そっかー。博人がそう言うなら話そうねー』


 ……父さんが一言いえばこれである。母さんらしすぎる。




『咲人はどう? これからどこに行くとか決めている? 無茶はしないようにね』

(父さん、心配してくれてありがとう。神界に行けるようにまずは頑張りはする予定。とはいってもそれを目的にして、異世界を楽しまないってことはやらないけれど)


 俺って神界に行こうって目標はあるけれどさ、結局それっていつか辿り着ければいいという消極的なものなのだ。そのために全てを失ってもいいってぐらい掛けることはないし、折角異世界にきているのに楽しまないなんてもったいない。

 絶対に後から、あの時もっと楽しめばよかったってそんな気持ちになるだろう。



 うん、俺って異世界にきても全然悲壮感ない旅なんだよなぁ。元々母さんがこの世界の神様で、俺のルーツがこちらにあるからというのもあるかも。




(だから父さんたちにまた会えるのって大分先になるかも。それか父さんたちから会いに来てくれるなら別だけど……)



 まぁ、それってしばらくはないだろう。だってかあっさんは父さんと二人っきりを楽しみたくて仕方がないらしいから。

 正直夫婦だけで過ごしたい母さんに自分から会いに行くなんて至難の業すぎる。




『それはすぐには無理かな。乃愛がまだ僕と二人がいいっていうから』


 父さんが俺に会いにいたいって一言いえば、母さんはそれをすぐさま実行するだろう。でも父さんがそのことを母さんに言わないのは……何か考えとかあるんだろうな。




(あと俺は自分から面倒事に向かう気はないけれど、神の血を引くからかそういうのへの遭遇率が高いんだよなぁ。だからちょっと俺やクラだけで解決出来ない問題あったら呼ぶことはあるかも……)



 どうしようもない状況で、「母さん助けて!」を実行するのは何だか情けなく思われそうだけど、俺じゃどうしようもないことってあるからなぁ……。



『それはもちろん。あれだったら僕も行くよ。乃愛の夫として広まっては欲しいから』

『……博人は、私が独占したいのに』

『僕は乃愛と一緒に楽しくこの世界で生きて行くつもりだから、ちゃんと乃愛の隣には僕が居るって示さないとね』



 わぁ、父さんが母さんを一旦スルーしている。向こうでどういうやり取りしているんだろうか。まぁ、いいや。



 それからしばらく、家族+フォンセーラ達との会話が繰り広げられた。

 あっという間に話し合いが終わり、最後は『じゃあ、またね。そのうちまた会議するから』という母さんの言葉で幕を閉じたのだった。



 放心状態のフォンセーラとノスタの相手をするのもちょっと大変だった。……母さんと話せたことってそれだけ彼らにとって特別だったっぽいから。




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