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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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幕間 姉神たちはかく思う ②

12/21 二話目





「ノースティアは全くこちらに来る気配がありませんね」


 何とも言えない表情でそう言うのは、私、薄井華乃の伯母にあたる光の女神イミテアである。

 伯母様は母様に会いたいようで、中々神界に訪れないことをぼやいている。



 母様は、父様のことを心の底から愛している。それこそ父様の身に何かあったら母様は……闇落ちでもしそうな気がする。この世界の平和のためにも父様には幸せに生きて欲しいものだと思った。

 母様はこの世界で、邪神だとか闇の女神だとか呼ばれているけれど私からしてみると全然そうじゃない。母さんはまだ本気でこの世界を壊そうなんてしていないから。



 母様はやろうと思えば世界を壊したり、他の生物の命を全て奪ったり――そんなことが出来る人だから。

 母様って他の生き物に対する興味が根本的にない。だからこそ母様は本気で誰かに怒ったりとか、何かを壊そうとしたりすることって全然ないのだ。

 



「伯母様、母様は父様と二人で過ごすのを楽しんでいるから、しばらく来ないと思うわ」

「……はやく義理の弟にも挨拶したいのですが。消された記憶も取り戻させてほしいのに、ノースティアは全くこちらに来ないですからね。久方ぶりにこの世界に帰還したのですから、私や他の神に挨拶をしに来てもいいでしょうに」

「伯母様、父様に挨拶するのはいいけれど少しででも興味を持った態度を取ったら母様に怒られるからやめた方がいいと思います。母様はとっても独占欲が強いから、伯母様に父様を取られるかもと判断したら大変なことになりそう」

「……ノースティアを夢中にさせる男性にはとても興味を持ちますが、ノースティアと喧嘩はしたくないのでそのあたりは気を付けるようにします。それに咲人と見た目が似ているとは聞いていますから、見目麗しくないのならば私は惹かれないかと」

「伯母様、話を聞いている限り面食いですよね。母様の前で父様の容姿を悪く言ったら多分怒るわ」

「もちろん、本人の前ではいいませんよ。ノースティアの夫が見目麗しくなかったことは幸いと言えますね。ノースティアを夢中にさせて、容姿も良ければ……他の神でちょっかいをかける者が出てきたかもしれません」

「母様の特別にそんなことをしようとするの?」

「ノースティアが夫を作って、子供を産んだということを彼らは認識はしてます。でもあのノースティアが本当にたった一人を心の底から愛するというのを信じがたい気持ちなのはしょうがないことかと」



 伯母様の言葉を聞きながら、父様にちょっかいを出そうとする神様が居たら愚かだなとは思う。私は母様のことを、産まれる前から知っている。お腹にいた頃から、私も志乃も意識があった。

 だからこそ、自分の母親となった神がどれだけ強い力を持つかを知っていた。ただただ無邪気に父様への愛を乞い、幸せそうに当たり前の生活を送っていた。

 人間に擬態して、神としての力を使わずに父様の傍で微笑む。



 ――だけれども幾ら平凡な女性に見えたとしても、そうではなく神である。



 自我が芽生えた当初は、あまりにも母様の力強さに恐れを感じたものだった。でも母様は父様との子である私達を愛してくれていて、父様が私達が産まれることを心待ちにしてくれていた。それに母様は父様のことを心から愛していて、父様が居れば母様は恐ろしいことをしでかさないのだろうなと分かったから、産まれる頃には安心したけれども。




「私は父様と出会ってからの母様しか知らないけれど、大切な存在が居ない母様はきっともっと自由気ままというか、好き勝手していたんだろうなとは思うもの」

「そうですね。ノースティアは誰の目も気にしないで生きていましたから。ノースティアが最愛と出会い、まだ制御がきくようになったことは喜ばしいことです。正直私でも中々止められませんし、あの子の常識改変は私にもききますから……」

「伯母様にもきく常識改変って凄いと思います。私も知らないうちに母様の常識改変を受けているかもしれないと思うと、凄く不思議な気持ち。でも母様が私に何かをする場合はそれ相応の理由はあるはずですけれど」



 母様は自由人で、何も考えていないように見えるかもしれない。それでも母様は、案外色んなことを思考している。特に父様と出会ってからは、母様はずっと父様に嫌われないようにって必死なのだもの。



 私は母様がやることならば、なんだって受け入れる。だって母様のやることにはきっと理由があるはずだから。



「本当にノースティアは、夫と出会ってから変わっているのが分かります。昔のあの子からしてみると驚くべき、だけれども良い変化です。今のノースティアならばもっとこの世界の神としての自覚をもって行動してくれるのでは――」

「いえ、幾ら母様でもそれはなさそうだと思います。母様は神として過ごすことなんて望んでませんし。ただ父様とのんびり過ごせればいいので」

「あー、まぁ、それもそうですね。しかしもう少し行動を改めてくれれば邪神扱いもされなくなると思うのですが!」


 そう口にする伯母様は、母様のことを本当に心配しているのだろうなとは思った。



 私も早く母様や父様に会いたいな。でも満足するまで母様はこっちに来ないだろうなとそれは寂しく思った。





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