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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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幕間 女神は愛しい人と共に故郷を歩く ④



「ふんふんふ~ん」


 私は小さく鼻歌を口ずさんでしまう。

 目の前にはすやすや眠っている博人が居る。



 ゆっくり過ごすために、人気が全くない場所に小屋を作ったの。博人はふかふかのベッドの上。


 博人はね、この世界にやってきて神様としての身体を手に入れたから睡眠はぶっちゃけ取らなくていい。ただ博人的には人として過ごしている感覚が抜けてないというか、全く本人は変わってない。


 神様になったのにね。種族が代わっても、寿命が変化しても――それでも博人は私の博人のまま。

 そういう……ぶれないところが博人だなって思う。私は博人の寝顔を見るのが大好きだから、眠りにつくのはもう少ししてからにする予定。


 もちろん、私も眠る必要性はないよ? でもさ、博人が寝ている隣で一緒に眠るのって幸せなことだもん。

 博人の寝顔を独占しているのは私だけなんだって思うと、それだけで幸せだよね。寧ろ私の博人の寝顔を他の生物が見るなんて嫌だよ。こんなに無防備な博人は私だけが見ていればいいの!!


 


 博人はこの世界にやってきてから、魔法の練習などを一生懸命やっているの。出来ないことを出来るようになるのが楽しくて仕方がないみたい。生き生きとして楽しそうな博人を見ているだけで、にこにこしてしまう。

 私は博人がどんな表情をしていても好き。落ち込んだ顔だって、悲しい顔だって博人がしているなら愛しいもん。でも博人が笑って、楽しそうにしている方が好き。博人的には、楽しく過ごしたいみたい。博人がね、博人らしく過ごしているのを見るのも大好きだから、博人がにこにこしていると私は嬉しいんだ。






 じーっと、博人を見つめる。

 博人が幾ら人ならざる者になり、私から与えられた身体に魂を入れられ、神としての枠組みに入ることになったとしても実際のところは私の方がずっと強い。私に勝てる神様なんて全然居ない。そもそも神様じゃなかったとしても私をどうにかするなんて誰にも出来ない。

 博人はそれを知っていてもこれだけ、気を緩めて眠っているのだ。ああ、もうそういうところが大好き。


 私のことは奥さんで、私が博人を傷つけることはないのだとそう知っているのだ。そう思い込もうとしても、私という存在を恐れ、そんなことを信じられない人って沢山いるのにね。本能的に私を恐れる人って沢山なのに。それでも博人はそうじゃない。




 博人にキスしたいなぁ。眠っている博人に口づけをしたら、目を覚ましちゃうかな? 博人は優しいから許してはくれそうだよね。



 私の全てを許してくれて、受け入れてくれて……。ああ、キスしたいキスしたいキスしたいキスしたいキスしたい。でも我慢した方がいいかな? 博人の眠りの妨げにならない方がいいかな。博人は優しいけれど、どこかで私の好き勝手を許せなくなったりするかな。そうなるのだけは嫌だし、博人には絶対に嫌われたくない。博人が私のことを仮に嫌われたらと考えだけでぞっとして、全て壊してしまいたくなる。だって博人が私の夫じゃなくなる世界なんていらないよね? うん、そんなもの、存在している意味ないじゃん? 博人がさ、私以外の人を見ないで済むようにやっぱり私と博人以外の生命体を全部消滅させるか、私と博人だけの世界に閉じこもるとかそういうのもありなのかもしれない。

 って、一旦その考えはやめよう。博人は私のことを好きでいてくれていて、愛してくれている。だからそんなことをする必要はないもの。博人は他にどんな生物が存在していたとしても私のことを妻として選んでくれているのだもん。それに博人はそうやって私が破壊とか生物の消滅とかするのを望んでいないって知っている。



 博人は私が邪神なんて呼ばれているのを聞いて、ちょっと嫌そうな顔をしていた。博人は私がそんな風に言われているの嫌みたい。




 やっぱり我慢できなくなって眠っている博人に口づけをする。何度も何度も唇を重ねていると、博人が目を開けた。








「乃愛……?」



 少し寝ぼけた様子の博人に引き続き、口づけをし続ける。



「ちょ」



 博人が何か言っているけれど、舌を入れて深い口づけをする。ああ、ずっとキスしていたい。誰も居ない空間で博人とくっついていられるのが嬉しい。



 思う存分満足して唇を離せば博人が息切れをしている。ちょっと息がしづらかったみたい。ふふっ、博人ってば目が覚めてすぐだったから余計に驚いてしまったみたい。



「乃愛……なんでいきなり?」

「眠っている博人を見ているとキスしたいなって思ったから。私、博人とキスするの凄く好きだよ」

「そっか。まぁ、いいや。僕はこのまま眠るけど、乃愛はどうする?」

「どうしようかなぁ。もっとずっと博人の寝顔を見ていたいかも。でも、じっと見ているとキスしたくなっちゃうかも」


 また眠りの妨げをしてしまったら、流石に怒られるかな?



「乃愛」


 博人はそう言ったかと思えば、私の手をひいてそのまま一緒になってベッドに寝転がる。抱えられたままくっつくと幸せな気持ちになるよね。博人以外がこんなことしようとしたら問答無用で殺すけど。




「乃愛も寝よう。僕は寝たいから」

「博人がそういうならそうする~」


 私がそう言えば博人は笑った。



 ああ、やっぱり博人と二人で過ごす時間って最高だわ。





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