恋と愛
「おはよう、ゆめ」
「おはよう、夏希」
朝、カーテンの隙間から日が差し込んで起きる。昨日はたくさん泣いた後夏希にたっぷりと甘やかされた一日だったおかげで、今は精神的にすっごくスッキリしている。
「愛してるよ」
夏希はそう言って私の額にキスをした。
「ふふ、くすぐったい。どうしたの?」
「愛はきちんと伝えて行く方針にしました」
「なにそれ」
ふふっと笑う。つられて夏希も笑った。穏やかな日常の中、優しい愛に包まれて幸せな気分になる。だから、私も素直に言えた。
「私も、夏希を愛してるよ」
そう言って夏希の頬にキスをした。夏希は途端に真っ赤になって手で顔を覆う。可愛い。
「不意打ちは卑怯だ…」
「えー?」
「でも好きっ!」
そう言って夏希が私を抱きしめてくるから、私も夏希を抱きしめ返した。しばらくベッドで戯れあって、幸せを満喫する。
「ずっとこうしてたいね」
「そうだね、でも朝ごはんも用意しないと」
「余らせた冷凍食品が大量にあるならそれで良くない?」
「あ、そっか。じゃあもうちょっとイチャイチャしてよう」
「うん!」
夏希とぎゅっと抱きしめ合ったりそのままゴロゴロしたりしてのんびりと過ごす。
「そういえばさ、夏希っていつから私のことそんなに好きになってくれてたの?」
ふと疑問を口にする。傷が残ってしまった私を愛してくれるくらい優しい夏希だけど、そんな真っ直ぐな恋愛感情なんてここに至るまで私は全く気付いていなかった。
「ん?最初から」
「え?」
「幼い頃からずっとずっと好きだった」
「!?」
なにそれ!?初耳なんですけど!!!
「なんで言わないの!?」
「だって、ゆめは気付いたらすぐに他の男のこと好きになっちゃうし」
「え…ご、ごめん」
「知らないところで恋をして、知らないところで傷ついて。でも、最後には必ず僕を頼ってくれるから…余計に言えなかった」
「夏希…」
なんということだ。私は知らないうちに夏希を傷つけていたらしい。
「でも、今はこうしてゆめと付き合えて…結婚の予定まであるし。幸せだよ」
「夏希…」
「ゆめは幸せ?」
「…うん!夏希にこんなにも愛されて、幸せだよ!」
私がそう言えば、夏希はすごく満足そうに笑った。そんな夏希が私は大好きだ。これを恋と呼ぶのか愛と呼ぶのかはわからないけれど、夏希は私の中でものすごく大きな存在だと今になって気付かされたのだ。
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