みたらし団子
「お待たせ致しました」
お茶とみたらし団子が二人分、届く。
「おおー!美味しそう!いただきます!」
「ふふ、いただきます」
一口ぱくりと食べる。
「んー!美味しいー!あー、お茶も合うー!」
「甘くて美味しいねぇ。お持ち帰りもしようか」
「うん、買って帰ろー!」
「そうだなぁ。お持ち帰りはみたらし団子じゃなくてかりんとう饅頭とか他のでもいいかもね」
「いいねぇ!ここのなら絶対美味しいと思う!」
まだ一回、みたらし団子しか食べていないがきっとハズレはない!だってみたらし団子がこんなに美味しいから!
「ふふ。ゆめは本当に甘いものが好きだね。じゃあかりんとう饅頭買って行こうね」
「わーい!」
「フルーツ大福も買おうか」
「わーい!」
「ふふ、今日のおやつと食後のデザートに食べようね」
そうこうしている間に食べ終わってしまい、お持ち帰りの分も買ってお支払い。
「夏希、半分出すよ」
「いいよ、さっき変なのに巻き込んじゃったし僕が払う」
そして夏希は金額プラスアルファーさっきの騒動の迷惑料を少し支払って甘味処を出た。
「この後はどうする?」
「んー、今日はお家でゆっくりしようか」
「うん、わかった。ゆめ、手を繋いでいい?」
「ん?いいよ」
いつものことじゃないかと、手を差し出す。いつも通り恋人繋ぎをして、街を歩く。
「…ゆめ、付き合って初めての手繋ぎだね」
「…!う、うん」
顔が真っ赤になる。顔が熱い。なんなら繋いだ手も汗をかいている。
「ふふ、意識してくれた?」
「ま、まあ」
「かーわいっ」
嬉しそうに笑う夏希に、文句も言えない。
「ゆめ、大好きだよ」
「私だって夏希が大好きだよ」
ずっと一緒にいた幼馴染なんだから。
「…いつか、大好きの意味が変わってくれるといいけど」
「え?」
「ふふ、今はそれでいいよ。さて、帰ろう帰ろう」
「んー?」
夏希は私の手を引いて、いつも通り歩幅を合わせて歩いてくれる。そんな夏希の右手にはお持ち帰りした甘味処のおやつ。そんななんでもない日常に、幸せを感じつつ二人の家に帰る。




