特別編：ギャラリー『gift』⑥

「あ、『gift』が出来てる」

「え？　……ギッフリート！？！？！？」

　今日は放課後まーちゃんの家で遊ぼうということになったので二人で帰ってきたところ、まーちゃんの家の隣に『gift』が出来ていた。

　確かここは空き地だったはず！？

「今朝家を出た時は何もなかったけどなあ」

「そうなの！？」

　だとしたらいよいよもってホラーな展開だよ！？

「ま、いっか。とりあえず入ってみよ」

「スルースキル高過ぎじゃない！？」

　僕もそんな鋼メンタルが欲しい！（あ、ゴメン、やっぱいらない）

「さあさあ、ともくん早く行こ行こ」

「ちょっ！？　まーちゃん！？」

　まーちゃんはフィギュアスケートのビールマンスピンのポーズで回転しながら、おっぷぁいの遠心力で僕を押し出してきた。

　何故いつもおっぷぁいの力だけで僕を操作するの！？！？

「画廊だああああああヒャッッッホオオオオオ！！！！！！！」

「今日は一段とテンション高いね！？」

　久しぶりの主役回だから、張り切ってるのかな！？（メタ発言）

「――あ、これ！」

「え？　――ニャッポリート！？！？」

　僕はまーちゃんが指差した絵を見て思わずニャポってしまった。

　ついにこの子の絵がきてしまったか……。

　未央ちゃんキターーーー！！！！

　しかもこれ、僕目線で見た未央ちゃんの絵だよね！？

　うんうんそうそう、いつもこんな感じなんだよ未央ちゃんは（しみじみ）。

　まさに天使ッ！！

　妹にしたいッッ！！！（多分将来はなる）

「あさいくんあさいくーん」

「「っ！？！？」」

　みっおりーと！？

　噂をすれば何とやら！

　本物の未央ちゃんが僕の足に抱きついてきた。

「未央、いつの間に入ってきたの？」

「おねえちゃんとあさいくんがここにはいってくのがみえたから、びこうしてきたんだよ」

　この子の将来がちょっとだけ心配ッ！

　でも可愛いから許しちゃう！（←）

「あ、となりのえもみおのえじゃない？」

「ん？　――おお」

　隣はこんな絵だった。

　こちらもカッワイイッ！！！

　この無表情で飄々としてる感じがいかにも雰囲気出てるね！

　イチゴの髪留めもギャンカワッ！！

　YESロリータNOタッチ！！（急にどうした？）

「かーらーのー」

「え？　――ええええ！？！？」

　未央ちゃんの目線を追うと、そこにはこんな絵が――。

　おっふろーと！？

　これまたリアル志向な絵だね！？

　しかも「おねえちゃん、きょうもいっしょにおふろはいってね」とは……！

　尊(たっと)りーと……！

　もしかしてまーちゃんと未央ちゃんて、毎日一緒にお風呂入ってるの！？（前のめり）

「おねえちゃん、きょうもいっしょにおふろはいってね」

「はいはい、ホントに甘えん坊なんだから未央は」

　未央ちゃんがまーちゃんの足に抱きつきながら、絵と同じ台詞を言った。

　まーちゃんはそんな未央ちゃんの頭を、愛おしそうによしよしと撫でる。

　尊(たっと)りーと……！！！（デジャヴ）

「ふふふ、これはこれは、絵になる光景ですね」

「マサキさん！」

　前回とんでもないドＭ変態野郎だということが判明したマサキさんじゃないですか！！（辛辣）

　こんな人が彼女の家の隣に画廊を構えてるなんて、僕は心配です（切実）。

「では私達は男同士、背中を流し合いましょうか」

「合わないですよ！？」

　僕の中であなたへの警戒レベルがガンガン上がってますよ！？

「じゃあみおとながしあうー？」

「えっ！？！？」

　それはもっとヤヴァいね！？

　風潮的に、即BANされてもおかしくないよッ！？（メタ発言）

「ダメだよ未央。今夜ともくんは、私と流し合うんだから」

「ヌッ！？！？」

　それは初耳なんですけど……。