特別編:ギャラリー『gift』⑤
今回は恒例の特別編第五弾です。
例によって本作にいただいたファンアートを紹介させていただきます。
今回のファンアートは「砂臥 環」様からいただきました!
それぞれ
・「番外編その26:腐」
・「番外編その34:腐③」
・ブクマ200突破記念
・「番外編その35:ネコニナール」
のイラストになります!
その節は誠にありがとうございました!
「砂臥 環」様の
「魔王子様は嫁を探しているらしい。」
https://book1.adouzi.eu.org/n5448ft/
も、是非ご高覧ください!
「あ、こんなとこにも『gift』がある」
「え?……うせやろ!?!?!?」
タイから日本に帰ってきて空港で現地解散となった僕達は、いつもの四人で空港内を少し探索しようということになったのだが、その一角に例によって『gift』が鎮座していた。
遂に空港にまで!!!
マサキさんやりたい放題だな!?
「何だか『gift』も久しぶりな気がするねー」
「そうだねー」
「確かにな」
っ!?
三人共流れるように『gift』に入ろうとしている。
もう『gift』を見掛けたら、入るのが当たり前になってるッ!(軽いホラー)
「ホラホラ、ともくんも早く早くー」
「ま、まーちゃん!?」
何故かまーちゃんは僕の二の腕をおっぷぁいで挟み込んで、おっぷぁいの力だけで僕を引っ張ってきた。
新手のプレイかなッ!?
「画廊だああああああトムヤムクーーーン!!!」
「まだタイが少し残ってるね!?」
――さて、これまた例によって内装はいつもと同じ、と。
今日はどんな絵があるのかな。
「――あ、あああああ!?!?!?」
「「「――!!」」」
篠崎さん!?
突如として篠崎さんが悲鳴を上げた。
いったい何が!?
僕は篠崎さんの目線の先を追った。
するとそこには――
尊りーと!!!
こ、これは……、前に誤って勇斗が僕に壁ドンしてきた時のやーつ!
篠崎さんがお腐りあそばされていたことが発覚したのもこの時でしたね……。
……それにしても、篠崎さんからは勇斗と僕はいつもこんな風に見えてるのか?
メッチャ背景にキラキラしたのが舞ってるじゃん。
そして指と指の隙間から、ガンガンガン見(前前前世)してるよね?
――流石ぶるうちいず先生だぜ!(迫真)
「た、尊……、エ、エク……、エク、フ……」
「「「――!?」」」
今にもエクフラが出かかってる!?
いや別に我慢しなくてもいいよ!?
無理しないで出しちゃいな!(酔っ払いへの対処みたい)
「――あ、ああああああああああ!!!!!!」
「「「――!!!?」」」
今度は何ッ!?
篠崎さんは隣の絵を見た途端、尚一層甲高い声を上げた。
ま、まさかこれ以上の絵が――!?
僕が目線を向けると――
同人誌即売会のやつだーーー!!!!!!
情報量多いなこの絵!?!?
先ず勇斗と僕にかかってるキラエフェ(キラキラエフェクト)がさっき以上にマシマシになってるし、背景に舞ってるバナナもイイ味出してる。
そしてやはりどうしても目がいくのは盛大にエクフラってる篠崎さんだよね……。
そうそう、確かにいつもこんな感じなんだよ(白目)。
あと何気に完成度高いのが仇血魔王のコスプレしてるまーちゃんね。
この中二感たるや……。
組んだ腕にたゆんと乗ってるおっぷぁいも、無視できない存在感を醸し出している(ガンガンガン見)。
いやあ、この絵描いた人、天才だわ。
「エクストリームヘヴンフラーーーッシュ!!!!!!」
「「「……」」」
ま、そりゃ出ますわな。
「美穂!? 大丈夫か美穂!」
ぶるうちいず先生はそのまま失神し、スパダリ勇斗に抱きかかえられた。
「悪い、智哉、足立! 俺、美穂のこと家まで送ってくる!」
「あ、ああ」
「美穂をよろしくね田島君」
スパダリは姫をお姫様抱っこしながら、二人分の荷物も背負って颯爽と駆けていった。
そういえば今更だけど、勇斗ってBLのことどこまで理解してるんだろう?
ひょっとして未だによくわかってなかったりするのかな……。
「さてと、他にはどんな絵があるのかな、と」
そしてまーちゃんは何事もなかったかのように鑑賞を再会した。
相変わらずの鋼メンタルだな……。
「――おわあっ!? これイイねッ!」
「え?」
どれ?
――こ、これはッ!?
ブッチュリートオオオオオオ!?!?!?
どういう状況なのこれは!?!?!?
200ブクマって何ッ!?
……いやあ、それにしても、自分で言うのも何だけど、確かにこれはリア充感ダダ漏れだね。
僕とまーちゃんて周りからはこう見えてるのかあ……。
ちょっとだけ微居君の気持ちもわかったよ。
――あれ? 待って?
この左下の方に書かれてる、「ゴトッ」っていう文字は、もしかして……。
「なっ!?」
更に隣に飾られている絵を見て、僕は絶句した。
――その時だった。
「……日本に帰ってきて早々、見せつけてくれるな」
「「――!!」」
こ、この声はッ!?
振り返るとそこには――
微ッポリート!!!
この絵とまったく同じポーズで、今にも岩を振り下ろそうとしている微居君が佇んでいたのだった。
ちょっとだけ待って!?
先にこの絵の解説をさせてね!(意外と冷静)
これは間違いなくあれだよね。
変公のクソ迷惑発明品シリーズの記念すべき(?)一作目、『ネコニナール』の時のやつだよね。
もうなんてったってこの、猫口でスヤスヤしてるまーちゃんがギャンカワだよね!(ノロケ)
チラリと覗くふともももせくしぃ!
うんうん、これは微居君が岩を投げたくなっちゃうのもしょうがないよ。
よくわかるようんうん。
……あ、お待たせ微居君。
「……懺悔は済んだか」
済んでません!!
そもそも僕、別に悪いことしてねーし!(開き直り)
「ふふふ、それでこそ微居君です」
「あっ! マサキさん!」
救世主登場!!
流石の微居君も、大人がいる前じゃ投げないだろう(そう信じたい)。
「微居君、浅井君に岩を投げてはいけませんよ」
「……チッ」
マサキさん!
ありがとうございますマサキさん!!
初めてあなたのことをまともだと思えましたよ!!
「――投げるなら私に投げなさい」
「「「――!?」」」
おや!?!?!?
雲行き変わってきたな!?!?!?
「さあ早くッ!! 思いの丈を、私にぶつけるのです、さあッ!!!」
「「「……」」」
変態だーーー!!!!
変態は目を血走らせながら、両手をクイクイさせて岩を要求している。
一瞬で評価が地の底まで落ちたな!!!
「じゃあ遠慮なく」
「微居君ッ!!?」
微居君は微塵の躊躇もなく、マサキさんの顔面に岩をフルスイングした。
えーーーー!?!?!?!?
「ごはあああッ!!!……ふ、ふふふ、流石は微居君です。私が見込んだだけはある」
「マサキさんッ!!!」
一切避ける素振りを見せず岩を真正面から受けたマサキさんは、鼻血をダラダラ流しながら恍惚とした表情を浮かべている。
駄目だこのマサキ……、早くなんとかしないと……。
「さあ次ですッ!! 君の力は、まだまだこんなものじゃないでしょう微居君ッ!!!」
「ふっ、よくぞ言った。朝まで投げ続けてやるから、覚悟しろよ」
「はい喜んでッ!!!」
「「……」」
これ、コンプライアンスに引っ掛かったりしないかな?(不安)
「どうやら私達はお邪魔みたいだから、先に帰ろっか、ともくん」
「う、うん、そうだね」
正直、一刻も早くここから出たい。
「あっ、浅井、足立、微居見なかった?」
「「あ」」
『gift』を出てすぐのところで絵井君とバッタリ会った。
「微居君ならこの中だよ」
まーちゃんは親指で『gift』を指した。
「そっか、サンキュー足立。まったく、あいつは目を離すとすぐどっか行っちまうんだから」
ブツブツ言いながら店内に入っていく絵井君の後ろ姿を見て、中の光景を絵井君が見たらどう思うだろうかと、僕は一人ソワソワしていた。
マサキ「こいや!! もっと本気でこいやあああ!!!」
微居「ふっ、まだまだああああ」
絵井「どういう状況これ!?!?」




