特別編:ギャラリー『gift』
今回は特別編と題しまして、今まで本作にいただいたバナーやファンアートを改めて紹介させていただこうと思います。
普段私の活動報告をご覧いただいている方には馴染みのあるものかもしれませんが、そちらをご覧になっていない方もいらっしゃると思われますので。
バナーは「シンG」様から、ファンアートは「砂臥 環」様からそれぞれいただきました!
その節は誠にありがとうございました!
ファンアートの一枚目は、「セカンドミッション:ビーチバレー」のワンシーン。
二枚目は「ラストミッション:花火」のワンシーンを描いていただいております。
「シンG」様が絶賛連載中の
「自由気ままな操血女王の転生記」
https://book1.adouzi.eu.org/n8609ew/
「砂臥 環」様の
「騎士団長と嫁」
https://book1.adouzi.eu.org/n9603fc/
も、是非ご高覧ください!
「あ、見て見てともくん、こんなとこに画廊が出来てるよ」
「え? あ、ホントだ」
学校からの帰り道。
閑静な住宅街の一角に、シャレオツな画廊が出来ていた。
「へー、店名は『gift』かー。贈り物って意味かな? ねえねえ、ちょっと寄ってこーよ!」
「あ、うん。別にいいけど」
特に用事もないし。
「よーし、そんじゃレッツラゴー」
「うお!? まーちゃん、そんなに引っ張らないでよ!?」
まーちゃんが組んだ僕の左腕をグイグイ引っ張るたび、僕の二の腕がまーちゃんの魔王みたいなおっぷぁいに押し潰されている。
魔王様!
これ以上の圧政(圧ぷぁい?)は民がもちません!!
「画廊だああああああヒャッホー!!!」
「まーちゃん!? しー!! ダメだよこういうとこで大きな声出しちゃ!」
久しぶりにこのパターン出たな!
「えへへ、ゴメンゴメン。冗談だって冗談。――ほへー、中はこうなってるんだね。私画廊って初めて入ったよ」
「僕もだよ」
画廊の中は思いの外開けた空間になっており、真っ白な壁一面に様々な絵が飾ってあった。
「あれ? ともくん、あの絵何だろう?」
「ん?……あ」
まーちゃんが指差した先には、三枚の絵が飾ってあった。
その絵は明らかに他の絵に比べて目立つ場所に飾られており、所謂目玉の絵なのだということが窺えた。
……ん?
んんッ!?
僕は一番右の絵を見て目を丸くした。
それがこんな絵だったからだ。
あ、『明らかに両想いな勇斗と篠崎さんをくっつけるために僕と足立さんがいろいろ画策する話』!?!?!?
何で勇斗達の名前が!?!?!?
「おおー、私達も有名になったもんだね」
「いやそんな訳ないでしょ!? ただの偶然だよ!」
みんな然程珍しい名前でもないし!
ぐ、偶然だよ、ね……?
「でもさー、この絵、バナーっていうのかな? 凄く私達の状況を上手く表してると思わない?」
「う、うん、確かに」
そもそも『明らかに両想いな勇斗と篠崎さんをくっつけるために僕と足立さんがいろいろ画策する話』ってタイトル自体が、僕ら四人のかつての状況まんまだし、四人の名前の色も、僕らのイメージカラーっぽくなってるもんね。
バックに浮かんでる、『Mission1~3』っていうフォントもお洒落だし、左下の重なってる二つのハートも、こうして見ると僕とまーちゃんみたいだ。
……まあ、多分大きい方のハートが、いろんな意味でまーちゃんなんだろうけど。
全体的にとてもスタイリッシュだし、これが本当にバナーなんだとしたら、こんな良いバナーはないよね。
「……あ、ああー!!! と、ともくん、次の絵を見て!!」
「え? んなっ!?!?」
こ、これは!?!?!?
次の絵はこんな絵だった。
ファーーー!?!?!?
ままままま、まーちゃああああん!?!?!?
と、篠崎さん!?!?!?
いやこれは完全にまーちゃんと篠崎さんだよね!?
容姿もクリソツ(死語)だし、水着も四人で海に行った時のと完全に一致してるよ!(未だに脳裏に焼き付いている)
「わあー、この絵凄く可愛く私達を描いてくれてるねッ! うへへへー、このまま家に持って帰って飾りたいくらいだよー」
「何でまーちゃんはそんなに冷静なの!?」
「まあまあいいじゃない細かいことは。ともくんも良い絵だと思うでしょ?」
「う、うん、そりゃあね」
二人のフォルムといいポージングといい、躍動感があって今にも動き出しそうだ。
まーちゃんの髪の毛の艶とか物凄くリアルだし、波の揺らぎとバックの雲のぼかし具合も秀逸だ。
何よりまーちゃんのたわわなおっっっぷぁいッ!!!
こんな絵、中学生男子が見たら朝まで眠れなくなっちゃうよッ!!!
「あはははー! こっちの絵も見てよともくん!」
「んん?……ほへえ」
三枚目はこんな絵だった。
夏祭りの時のやつやッ!!
そうそう!
あの時はまーちゃんが、この絵みたいに目に付いたものを片っ端から買ってくもんだから、止めるのが大変だったのを覚えている(止められなかったけど)。
そして猫舌で、いつまでもタコ焼きをフーフーしている篠崎さんにギャン萌えな勇斗に、「ハウス! 勇斗ハウスッ!」ってブリーダーみたいに「待て!」をかけてたりもしたっけ(これは何とか止めた)。
はあ~。
こうやって改めて見ると、やっぱまーちゃんも篠崎さんもメッチャ浴衣似合ってて可愛いな。
特に篠崎さんのうなじが堪らないよ!
後れ毛の破壊力も相まって、こりゃ勇斗でなくともガン見必至案件だよ!
まあ、うなじの魅力は、若い子にはまだわからないかもしんないけどねッ!(お前いくつだよ)
「んふふふ~、やっぱ嬉しいね、こういうの! ファンアートっていうのかな?」
「うん、そうかもね」
仮に僕達の住むこの世界が一つの物語だったとして、こうして読者の方から手作りのバナーやファンアートをいただけることは、作者にとって何よりの励みになるし、感慨もひとしおだろう。
つくづく物語というのは、作者が一人だけで創り上げるものではないのだということがよくわかる。
特に連載作品は、連載を重ねていく上で、読者の方から感想やバナーやファンアートといった『gift』をいただくことで、刺激を受けて物語がより発展するということが往々にしてあるのだろうし、ひょっとしたらそれこそが創作の醍醐味なのかもしれない。
僕には美的センスがないのでこういう絵は描けないけど、せめて物語を読んで感動した際は、その気持ちを拙いながらもちゃんと感想文にして、作者の方に贈りたいなと、そう思った秋の放課後であった。
智哉「そういえば秋といえば、芸術の秋だよね」
茉央「そうだね! 後は食欲の秋とか、食欲の秋とか、食欲の秋とかだよね!」
智哉「……うん、まーちゃんはそうかもね」




