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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第一章 噂のアイツと神待ちギャル
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ギャルの幸せと俺の幸せ

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ああコレ? いや、録音したさっきの会話、うちのクラスのグループにRINEで一斉送信しただけだし」

「「はああああああああ!?」」


 萩月さんから放たれた爆弾発言に、須藤花凛と男は目を白黒させながら絶叫した。


「ちょ、ちょっとアンタ!? なんでそんなことしたのよおおお!?」

「そ、そうだ! まだ俺達の話は終わってなかっただろおおお!?」


 二人が必死の形相で萩月さんに詰め寄ろうとするが。


 ——ドン!


「萩月さんに近寄るな!」


 俺は二人を突き押すと、二人はよろけて尻餅をついた。

 というか、絶対に萩月さんに近づけさせるかよ。

 でも俺……荷物整理のバイトのお陰で結構力がついたかも。


「なあなあ」


 チャラい男がヘラヘラしながら座りこんでいる二人に近づき、肩をポン、と叩いた。


「ま、こうなることは分かってたんだろ? じゃなきゃ、萩月ちゃん襲って言うこと聞かせようなんて発想、出てこないもんなー……オイ、何とか言えやコラ」

「ヒッ!?」


 するとチャラい男の様子が一変し、鋭い目つきで男を睨んだ。

 うーん……ひょっとしたら不良かなにかかもしれんな。


 だけど、古賀葵といいこのチャラい男といい、俺としては感謝しかない。

 二人がいたお陰で、萩月さんが危険な目に遭わずに済んだんだし……。


「さーて、今頃学校の中ではどうなってるかな? つーか、池っちの時もあっという間に学校中に広まったんだ。しかもご丁寧に『拡散希望』のタグまでつけといたから、まあ、アンタ達の居場所、もう無いかも?」

「「…………………………」」


 そう言うと、萩月さんは二人にニヤリ、と口の端を吊り上げた。


 そして二人はといえば、無言でうなだれたままでいる。


「あは! 池っち、帰ろ!」


 萩月さんが俺の腕にしがみつくと、満面の笑顔で俺の顔を(のぞ)き込んだ。


「萩月さん……ああ、帰ろう」


 俺達はもう用件は終わりとばかりに、体育館裏を後にしようとして。


「「あ、そうそう」」

「「え……っ!?」」


 ——ガンッ!


 俺は男の、萩月さんは須藤花凛の顔面に一発お見舞いした。


「二度と萩月さんに妙な真似してみろ! 絶対に息の根止めてやる!」

「二度と池っちに近づくな! 今度そのツラ見たら、もっと酷い目に遭わせてやる!」

「「ヒイイッ!?」」


 二人が殴られた頬を押さえながら、尻餅の状態で後ずさりする。


「あは! 池っち、やるじゃん!」

「萩月さんこそ、カッコイイよ!」

「……ぷ」

「……ぷぷ」

「「あはははははははは!」」


 俺と萩月さんはおかしくなってしまい、大声で笑った。


 ああ……。


 萩月さんがいるだけで、楽しくて仕方がない。

 萩月さんがいるだけで、幸せで仕方がない。


 俺は萩月さんが隣にいてくれて、笑顔でいてくれる幸福を噛み締めながら、俺達の居場所……あの部屋に帰った。


 ◇


「池っちー……そんな、怒んないでよー……」


 で、俺達は部屋に戻るなり、萩月さんへの説教タイムが始まったところだ。


「駄目だ! 万が一萩月さんに何かあったらどうするつもりだったんだ!」

「ホ、ホラ! ちゃんと葵と後藤が控えてたし、いざとなったらコッチに加わる手筈になってたし! ね?」


 あの二人には堂々とした姿を見せていた萩月さんだが、さすがに今は、俺に許しを請おうと愛想笑いを浮かべていたりしている。


 だけど……今回ばかりはちゃんと言っておかないと。


「確かにあの二人がいたから良かったけど、それでも、ひょっとしたらってことがあったかもしれない。俺は……俺のせいで君に何かあったら、それこそもう耐えられない……」

「あ……池っち……」

「だから……約束して欲しい。もう二度と、こんな無茶な真似はしないと」


 俺は(すが)るように萩月さんに頭を下げてお願いした。

 だって、萩月さんが傷ついてしまったら……萩月さんを失ってしまったら、俺は今度こそ壊れてしまう……。


 すると。


「池っち……ごめん……ごめんなさいいいい……!」


 萩月さんは涙をぽろぽろ零しながら、俺の胸に抱きつき、肩を震わせた。


「俺のほうこそ、ごめん……俺のせいで萩月さんが頑張ってくれたのに、こんなこと言って。だけど、俺にとって一番大切なのは、萩月さんなんだ。萩月さんの幸せだけが、俺の幸せなんだ……」

「うん……うん……! アタシだって、池っちの幸せがアタシの幸せだしい……!」


 俺と萩月さんは、お互い涙を零しながら、強く抱き締め合った。


 ◇


 ——ピコン。


「あ、RINE来たし」


 説教タイム終了から一時間経ち、萩月さんと晩ご飯の食材を買いにスーパーに出掛けていた時、彼女のスマホにメッセージが届いた。


「あは! 池っち見て!」

「ん? ……って、えええええ!?」


 そこには、須藤花凛と男の二人だけが映った動画が流れていた。

 しかもご丁寧に萩月さんの姿が映らない恰好で。


「これって……ひょっとしてあのチャラい男が撮影してたヤツ?」

「あは、そうそう。ちなみにアイツの名前は“後藤蓮”ね」


 しばらくその動画を眺めていると……ちょ、ちょっと待って!?


「なんで俺だけしっかり映ってるんだ!?」


 なんと、俺が萩月さんを救いに現れたところは見切れておらず、バッチリ映っていた。


「あ、あは……コレ、後藤がネットにアップしてるから、広まりまくってるかも……」

「ええええええええええ!?」


 な、なんてことを……。


 俺はスーパーの中であるにもかかわらず、その場でガックリと膝をついてしまった。


「だ、だけど、これでみんなの池っちへの評価も変わるかもだし、その……ねえ……?」


 うう、そんな慰めいらないから……。


 なお、後日分かったことだが、萩月さんはこの時の動画……しかも俺が映っている部分だけ編集されたものをスマホに入れて、たまに見ていたという……。


 は、恥ずかしい……。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜投稿予定!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ガツンとキレイに決まりましたね!! これはナイスな勧善懲悪!! 後でちゃっかり観直してる萩月さんも可愛いwww
[良い点] 気持ちの良いスカッと展開でした。 [一言] 手のひら返すようなクラスメイトたちが今から見えますね。次はVS実家編ですかね?
[一言] good! その後が楽しみです♪
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