第51話
ご愛読ありがとうございます。
皆様が知りたい設定情報などを感想で教えてください。
スキルから魔法や種族、地名やアイテムの解説まで頑張ろうと思います
材料の解説が終わり、調合手順の解説に進む。
詳細は省くが、既存のレシピに3つの手順を新たに加えた。
この三つの手順を踏むことで、ポーションの安全性と効能が高まり、品質が高まる。
工程が増えれば手間も増えるが、ポーションは回復アイテム。
手間を惜しんではいけない品だ。
新たに加えた手順についての質問も飛んできたがキチンと答えることができ、いざ実演。
実演では薬師及びポーションマイスターのクラスレベル10レベル以上で習得できるスキルは全て封印して、調合に入る。
このレシピは突出した天才や長い時間修練した達人しかできない物ではなく、凡庸程度でも模倣できるレシピ。
レシピに従えばだれでも作れると証明しなくてはならないんだ。
説明しながらの調合は初挑戦だったが、無事に最後まで発表できて、壇上から降りることができた。
◆
発表が終わり、会場に料理が運ばれ、立食会となった。
この立食会でスポンサー交渉とか、顔つなぎなどの交渉がされる。
大失敗した人たちは・・・あぁ会場の隅で反省会か。
中には師匠らしき人に連れ出された人も・・・アレは説教コースかな。
「どうも、魔女エリシア殿」
運び込まれたテーブルの料理を食べてたら、イリーオ司祭が声をかけてきた。
「あぁ、先ほどはどうもイリーオ司祭」
「低位治癒の水薬の改良レシピ、拝見させていただきました。
アレなら、価格を維持しつつ効能を高められる、良い発表でしたよ」
おぉ、褒められた・・・
「イリーオ司祭の中毒報告書も、よく纏められた報告でした。
やはり中毒症状の患者は多いのですか?」
「はい。特に高位ランクの冒険者は、狩りの獲物に高位の魔物や魔獣を狙うことも多く、実入りは大きいですがポーションに頼る場面が多いらしく・・・
エリシア殿、先ほど中毒症状に対処していた薬のレシピ、あれも公開しないのですか?」
あれかぁ・・・中和剤はこっちの世界の材料ではまだ作れないんだよなぁ・・・
作製難易度もそこそこあるから、下手な人では作れないし。
「すみません、アレはまだ量産できる品ではなくて・・・」
「そのような貴重な品を、わざわざ奴隷に?」
むーん。奴隷かどうかではないが・・・
「私は必要と思ったから、使いました。
今回発表した低位治癒の水薬のレシピも、安くて安全な薬を広めたいと思ったから公開しました」
「なるほど・・・。
では、提案なのですがその薬を聖堂と共同研究してみませんか?」
意外・・・でも無いか。
聖堂は宗教団体だが、病院みたいな機関でもある。
治癒魔法が使える神官や僧侶が在籍するため、病院の役割を担うことは当然の流れ。
それでも治癒魔法を行使できる人間にも限界はある。
ましてや毎日治癒魔法を使い続ければ魔力枯渇でぶっ倒れるだろう。
ポーションは応急薬ではあるが、治癒魔法を施す人間の負担を軽減できるアイテム。
聖堂も研究してて当然か。
「条件次第ですが、お話しを伺いたいと思います」
「良かった。後日、ゲイリーウッズ村に詳しい条件などの書面をお送りしましょう。では、楽しんで」
イリーオ司祭の後、何人かの街で薬師として活動している魔法使いが話しかけてきた。
彼らも低位治癒の水薬の改良版レシピには関心を寄せており、中位や高位ポーションの制作方法について熱心に質問された・・・というかすごい勢いで聞き出してくる。
中には私が栽培している薬草を研究用に買いたいと申し出てくる人も・・・あぁそういえば私が納品したとか言っちゃったんだっけ。
私を通してアレを研究したいと・・・はぁ・・・
正直言って在来の薬傷より効能が強すぎることなどを注意したら、そういうのは承知の上と・・・
とりあえず、取引などは書面で送ってほしいと問題を先送り。
あー疲れた・・・
面倒くさいし、帰ろうとしたら、扉が乱暴に開けられ武器持った大男を連れたアホ錬金術師が入ってきた。
何しに来たんだ?アイツ。
「居たぞ!おい小娘、よくも私の発表を台無しにしてくれたな!」
・ ・ ・ ハァ?
アホ錬金術師は私を指さして、ズンズンと大股でこっちに来た。
「貴様が流した薬草のせいで大恥をかいたわ!今すぐこの私に謝罪しろ!
断るなら、決闘にて貴様の罪を刃で灌いでくれるわ!」
何言ってんだコイツ。
「中毒症状で被験者がぶっ倒れたのは、アンタが作った粗製ポーションのせいでしょうが」
「うるっさい!貴様のせいだ!今すぐ謝罪しろ!」
「お断りよ」
あの命血霊草を流したことは後悔したが、このアホに頭を下げるつもりは微塵も無い。
「ならば、決闘にて決着をつけようではないか!」
そう言って私の足元に手袋を叩きつけてきた。
・・・コレどうするんだっけ?ってか決闘の作法なんぞ私は知らんが。
「嬢ちゃん。悪いが俺も仕事でねぇ・・・悪く思わんでくれや」
そう言って、アホ錬金術師に連れられた大男が腰から幅広の剣を引き抜く。
傭兵かな?いくら積まれたか知らないが・・・軽く呪いでも行使して無力化するか?と考えてたら
「じゃ、エリシアの代理は私って事で」
目の前の虚空から、骨付き肉を齧りながらマーシャさんが出てきた・・・
「な、なんだ・・・?!女、何処から出てきた!」
あぁ、透明化のスキルか。
隠密スキルで透明化してずっと会場に居たのか。
「マーシャさん、なんでここに?」
「分かりやすく言えば護衛かな。アナタ、性能も性格も非戦闘向きだし、こういう危険な事は私がスマートに解決してあげる」
あの傭兵君は死亡確定のお知らせが来たな、可哀そうに。
傷病治癒の水薬 等級
品質は「並」だった場合の効果を表記します
『低位』
HPを若干回復させる。Lv20までなら全回復できる初心者用ポーション
『中位』
HPを中程度回復させる。Lv50のHP9割は回復効果を得られる中堅者用
『高位』
HPを大回復させる。Lv80なら7割は回復効果を得られる。ゲームに慣れた玄人向け
『最高位』
HPを超回復させる。廃人用超回復ポーション。Lv100のHPを6割回復させられる。
ただし、このレベルになると治癒魔法の方がリスクが少ないという悲しいジレンマ




