第42話
接敵するまでの僅かな時間の間に、自身へ強化魔法を行使。
「≪樹皮の鎧≫≪勇敢≫≪霞の衣≫≪全属性効果耐性≫≪飛来物迎撃≫」
さて、制圧したエリア内なら有利は取れるし、少し待つか。
数分して、反応にあった人物が目視距離に入った。
装備は・・・周りの兵士より上等そうな装備してるし、指揮官かな?
相手も私を目視して背中の長剣を抜いてこっちへ向かって速度を上げた。
騎馬突撃は魔法系クラス全般の弱点だし、馬から止めるか。
「≪茨の繁茂≫」
地面に茨を召喚して地上制圧する魔法。
茨はそのエリアに移動するキャラクターに若干の物理ダメージを与え、移動速度を減退させる。
馬は茨を嫌がって、勢いが死んだ。
後は騎手を落とせばいい。
「20%≪魔女の一撃≫」
杖を向けて放ってやると・・・騎手は咄嗟に馬から転がり下りて回避。
戦闘判断は向こうが上か。ゲームで強くなった私と最初からファンタジーの戦闘に慣れてるこっちの世界の人間では、判断力は比ぶべくもない。
脳内で攻撃魔法の魔法出力を30%に落とし込み、省エネモードに切り替える。
ゲームは、やや難しいくらいがちょうど良い。
「≪3倍連続魔法≫≪魔力の矢≫」
魔法使い系なら誰でも覚える攻撃魔法を3連射。
1発、2発は回避され3発目は長剣で防がれた。
出力を落とし過ぎたか・・・
「オォォオオオオ!!」
茨の領域に踏み込んで真っすぐ突っ込んでくるか。
植物使いにソレは悪手だぞ。
「≪茨の従僕≫」
地面の茨を編んで即席の前衛を作成。
茨の従僕が前に出て騎手をブロック。
「邪魔だァーッ!!」
騎手が剣を振り降ろして茨の従僕に攻撃するが、即時再生。
剣で切りつけても無駄だ、根本の茨から何回でも編みなおして体を作り直せる。
根元から焼き払うか、石化や凍結などで無力化させないと何度でも再生するぞ?
さて、今の内に相手の情報抜いておくか。
「≪防殻無効化≫≪人物看破≫」
看破の魔法を行使するが・・・ふむ。
情報を守るタイプのスキルや魔法は使ってないのか、あっさり看破できたな。
名前:レインハルト
属性:中庸/善
習得クラス
『戦士』Lv7
『兵士』Lv5
『騎兵』Lv5
『騎士』Lv4
『肉体労働者』Lv5
『鍛冶屋』Lv4
『防具職人』Lv3
『武器職人』Lv3
・・・なんだこりゃ?
幾つか知らないクラスがあるが、この世界固有のクラスか?
詳細をいちいち確認するのは・・・後回しにするか。
騎手ことレインハルトに意識を向ければ・・・ってまだ茨の従僕と格闘中か。
切っても無駄だって、再生するんだから。
「≪炸裂火球≫!」
レインハルト君の後ろから魔法が発動。
私は後ろに下がって影響範囲から離脱したが、茨の従僕は炎に焼かれて消滅。
相手の援軍か。レインハルトと揃いのデザインをした装備を着用した人間が3人。
レインハルトが長剣、援軍として到着したのが魔法使いと盾を持った片手剣使い、最後は・・・僧侶かな?
「隊長!援護します!」
「気をつけろ!かなり強いぞ!」
ふむ、固定メンバーって感じかな?RPGっぽい編成だが、クラスとかが存在する世界なんだ。最適化されたらこういう形に落ち着くのかな。
手数が増えると面倒くさいし、こっちも援軍を出すか。
「≪植物召喚:樹木霊≫≪植物召喚:深緑霊≫」
樹霊王の下位互換である樹木霊、それと支援キャラとして深緑霊を召喚。
深緑霊は人間っぽい姿をした植物系クリーチャーだが下半身は地面で根を張っている。
樹木霊と同じく植物ではあるが精霊寄りの存在で、物理攻撃力や耐久力よりも支援魔法などの魔法系の能力に偏った能力を持っている。
「あれは!」
「王都を襲っている巨大樹と同じ・・・!」
樹木霊を見て、樹霊王と勘違いしてるのか?
同系列とはいえ、樹霊王より弱いぞ・・・?樹霊王に謝りなさい。
「植物の召喚・・・まさか、あの巨大な木が王都を襲っているのは・・・!」
お、鋭い
「樹木霊、前衛に出て足止め。 深緑霊は魔法で樹木霊をアシスト」
「ギガッ!」「畏まりました」
深緑霊の方は喋れるのか。うっかり私の名前とか呼ばないよね…?
「来るぞ!」
「≪炸裂火球≫!」
2発目の≪炸裂火球≫はこっちに飛んでくるが、それは≪飛来物迎撃≫で撃ち落とされる。
「そんな!?」「おぉぉおおお!!」
樹木霊の突撃を盾持ちがブロックし、レインハルトが通り抜けようと回り込もうとするが、甘い。
「≪茨の鞭≫」
燃え残った茨を操作して、鞭のように襲わせて牽制。
回避したようだが、魔法使いに接近戦を持ち込もうとするのは良い判断だ。
レベルは圧倒的に足りないけど。
「≪武器祝福≫!」
「≪シールドタックル≫!」
僧侶から祝福を受けた盾で樹木霊を押し飛ばそうとするが、無理無理。
レベルが違うのでやや後ろへ下がっただけだ。
「なんて重さだよ・・・!」
「≪蟲呼び≫≪魔法対象集団化≫≪巨大化≫」
深緑霊が魔法で蜂の群れを呼び寄せ、続けざまに巨大化の魔法を行使。
あっという間に巨大蜂の群れの出来上がり・・・
「≪突撃命令≫」
深緑霊の命令で巨大蜂がレインハルト達に突撃する。
「≪炸裂火球≫!」
「≪オーラスラッシュ≫!」
「≪ヘビーガード≫!」
「≪物理障壁≫!」
魔法使いの炸裂火球で正面の数体はやられ、続く後続はレインハルトの飛翔する斬撃で直線状にいたヤツはやられるもまだ蜂の群れが押し寄せる。
そこに盾持ちが立ちはだかり、ガード系スキルを発動させ、僧侶が防御系の支援魔法でブースト。
蜂の突撃を受け、4人はそれなりにダメージを受けたらしく結構ボロボロ。
ちょっとやり過ぎな感じもしたが・・・っと
ふと炸裂音がしたので空を見上げれば・・・あぁ花火か。
作戦終了したらしいので、囮役はここまでにしておこう。
「お疲れ、もう帰って良いよ」
2体に声をかけて、2体は自発的に姿を消した。
召喚解除より、こっちが楽かな。
・・・さて
「≪集団束縛≫」
束縛の魔法でレインハルトチームを動けなくして、箒に乗ってレッド達に合流しようとして
「待て! お前は・・・いったい何者なんだ!」
・・・えぇ・・・
「魔法少女グリーン」
「魔法・・・?」「少女?」
さっさとレッド達と合流するか。
≪茨の従僕≫
種別:制作魔法/制限
制限:Lv3以上の植物魔法を習得できるクラス
属性:制作
射程:1~5m
形状:人形
茨の人形を作成して、術者の代わりに戦わせる魔法。
茨の従僕は本体とは独立しており、単純な物理攻撃で受けたダメージは周囲の植物を材料に回復する。
倒すには魔法攻撃の火力で焼き払うか、周囲の植物が尽きるまで攻撃し続けるしかない。




