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067 幼女もよろめき驚く突然の来訪者

 変態なリリィとスミレちゃんだけでなく、ナオちゃんがその変態2人と一緒に楽しそうに闘志を燃やす中、アマンダさんが苦笑しながらいつもの口調で話す。


「ごめんなさいね。ナオまであの二人に交ざってしまって」


「え? ううん。私はもう慣れちゃったし、全然気にしないよ」


 慣れたと言っても、ついてはいけないけどね。


 私が苦笑して答えると、アマンダさんは微笑んでから少しだけ目をつぶり、真剣な面持ちで私と目を合わせる。


「ジャスミンお嬢様は、ここで休んでいて下さい。私はナオを連れてメールの所まで行き、この町の人々を取り戻しに行って来ます」


「別に命の危険があるわけでも無さそうッスし、放っておいて良いんじゃないッスか?」


「いいえ。相手は戦争を起こそうとしているポセイドーンの配下です。万が一の事を考えて、攫われた者達を放っておくことは出来ません」


「メレカさん……。私思ったんだけど、残った町の人と協力できないかな? メレカさん、ううん、アマンダさんが頼めば皆きっと協力してくれると思う」


 実は私はアマンダさんの話を聞いたからこそ思っていたのだ。

 こんな時なのだから包み隠さずに真実を話して、街の皆に協力してもらって戦力を増やせば良いと。


 だけど、アマンダさんは眉根を下げて首を横に振った。


「そうですね。でも、それは出来ません。実を言うと、私がいない間にジャスミンお嬢様達が残っている住人に私の名前を仰られない様に、メレカとお呼びしてほしいと頼んだのです。それは、この町の人々に真実を知られたくなかったからです」


 真実を知られたくない?


「どうして? 隠す必要なんてないと思う。それに、王女様が皆を守るって素敵な話だと思う。凄く大事にされてるって、皆喜んでくれると思うの」


「そうッスね~。ご主人の言う通りべつに話してもよくないッスか? 言えば街の人間が泣いて喜ぶと思うッスけどね~」


「がお。みんな喜ぶ~」


 アマンダさんは微笑んで、いつもの口調で答える。


「確かに王女自らが町の人を助けるのは美談ではあるわね。でも、王女自らが危険を犯すと知った民達が心配して、無茶をしてしまうかもしれないでしょう? もし民達に何かあったらと思うと、そんな美談なんていらないわよ。私が得たいのは、民を救う為に身を呈して守る王女の美談や信頼では無く――」


 アマンダさんは口調を戻して言葉を続ける。


「ここで暮らす皆様の安全ですから」


 かっこいい。


 そう素直に私は思った。

 人によっては綺麗事に聞こえるかもしれない事だけど、それでも私は素直にかっこいいと思うのだ。


「そんな綺麗事とかいらないから、住民達を使って龍族をぶっ飛ばした方が早いッスよ」


 はい。

 いました身近に。

 うん、そうだよね。

 綺麗事だよねって、失礼でしょトンちゃん!

 そう言う事は、黙っておくの!


「ふふ。そうですね。それでも、私は綺麗事を貫きたいと思っています」


 うううううっ!

 本当にかっこいい!

 よーし決めたよ!


「メレカさん! 私、メレカさんを手伝いたい! 一緒に町の皆を助けに行くよ!」


「がおー!」


 ラブちゃんも私と同じ気持ちな様で、私と一緒にやる気を出した。

 アマンダさんはそんな私とラヴちゃんを見て、目をパチクリとさせて驚いた。


「どうやら、ジャスミンも決めたようね」


「リリィ、うん。私も皆と一緒に町の人達を助けに行くよ」


「そうね。いくら頑張ったって、天性の素質を備えた太ももを持つジャスミンには敵わないって、早く教えてやりましょう!」


 いや。

 そうじゃなくてって言うか、それまだ言ってるの!?


「にゃー。リリって面白いにゃ」


「ハニーは面白いって言うよりは、頭が面白いって感じッスよね」


 トンちゃんたまに物凄く辛辣にリリィの事言うけど、本当に好きなんだよね?


「私にはリリィの気持ちが解るなのよ。幼女先輩は存在そのものが奇跡なのよ。リリィが崇拝して褒め称えるのは当たり前なのよ」


 私そんな凄いもんじゃないよ?

 って言うかだよ。

 何だか今から凄く嫌な予感がしてきたよ。

 今は海の中だから水着だし、スカートを捲られてパンツを見られる心配はないけど……。


 私は自分の今の姿を確認する。


 白のビキニにガーターベルトとストッキング。

 もの凄くマニアックすぎる姿をしているのは間違いない。

 と言うか、よく考えてみたら、もう格好が痴女そのものではないだろうか?


 これは不味い。


 そう考えられずにはいられなかった。

 よくよく考えてみれば、今この場にはハッカさんはいないのだ。

 ガーターベルトとストッキングを脱いでしまっても、別に問題は無いのではと私は考えた。


 脱いじゃえ。


 ガーターベルトを、いざ脱がんと意気込んだ所で視線を感じとる。

 私は動きを止めて視線の先を見る。


「見~つけた」


「――っ!?」


 視線の先にいたのは、ローブを羽織っていてもわかる巨乳の持ち主、龍族のお姉さんのメールだった。

 メールはいつの間にか旅館の中に入って来ていて、私達のすぐ側まで来ていたのだ。

 私は驚いてよろめき転ぶ。


「あ~ら、大丈~夫~? 魔性の幼女さん。それとも、半裸の痴幼女って言った方が良いのかしら~? うふふ~」


 龍族のお姉さんのメールは、私の太ももを見て舌なめずりをした。怖い。


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