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025 幼女の精霊さんはおっぱいに目がない

 見せてあげる。と、セレネちゃんは言って姿を変える。


 その姿は神々しく、背中から純白で綺麗な羽が生え、瞳の色は両目ともスカイブルーになった。

 と言うか、物凄く神々しいけど色っぽい。

 見た目は20代後半位だろうか?

 大人の魅力が全身から漂っていて、かなりスタイルが良いボンキュッボンな感じだ。


 私がその姿に驚いて目を奪われていると、トンちゃんがセレネちゃんのおっぱいに近づき語りだす。


「中々のおっぱいッスね。これはご主人の前世の世界で言うロケット型のおっぱいッス。全体のバランス、そして重量感。形も良いし、これは完成型と言って良い見事なおっぱいッス」


「あ、ありがとう」


 トンちゃんが、セレネちゃんのおっぱいを触ったり持ち上げたりしながら語り、セレネちゃんが困惑しながらお礼を言った。


 そう言えば、すっかり忘れていたけど、トンちゃんっておっぱいが大好きなんだっけ?

 でも、ここまでしっかりおっぱいの事を語ったのは、初めてかも。

 セレネちゃんのおっぱいは、それだけ凄いって事なんだね。

 私は貧乳派だから分からないけど!


 などと、私がおバカな事を考えていると、ラテちゃんが呆れた表情をして話し出す。


「そんなバカな分析はどうでも良いです。そんな事より、ラテはセレネに聞きたい事があるです」


「何? 聞いたげる」


 そう言って、セレネちゃんは元の姿、悪魔の姿に戻って座る。

 トンちゃんは元に戻ってしまったセレネちゃんのおっぱいを見て、少しがっかりした表情を浮かべた。


「ジャスからセレネとの話を聞いて、気になっていたです。セレネが不老不死の能力では無く、吸血の能力を使っていた理由が知りたいです」


 吸血の能力を使っていた理由?

 それは勿論、吸血して吸血鬼にして、仲間を増やす為なんじゃ?

 って、あ!


「そっか。仲間を増やす目的なら、不老不死の仲間を増やした方が良いんだ」


 私が声を上げると、ラテちゃんがこくりと頷く。


「です。不老に出来るとは言え、わざわざ食事制限がかかってしまう吸血鬼化より、手っ取り早く不老不死にしてしまった方が楽です」


 言われてみればそうだよね。

 全然気がつかなかったよ。


 ラテちゃんの言葉に納得していると、セレネちゃんでは無くリリィが答える。


「無理よ。不老不死にした所で、言う事を聞かないのであれば意味が無いでしょう? ねえ」


 リリィがそう言ってセレネちゃんに視線を向けると、セレネちゃんは頷いた。


「そーなのよ~。吸血能力と違って、生命操作の能力は洗脳が出来ないのよね~。んでもって、ついでに言っちゃうと、生命操作の能力には欠点があってさ~。アレース、って言うか、神には意味ないのよ。神の前では不老不死の力は無に返されちゃうの。ホントやんなっちゃうっしょ?」


「え? じゃあ、私にかかってる不老不死も意味ないんだ?」


「そそ。神を相手に不老不死なんて非常識は通じない。まーさ~、私も神やってたからわかんだけど、神相手にいきがっちゃうと痛い目見るじゃすまされないわね」


 そうなんだ……。

 じゃあ、私も不老不死だからって、油断してたら危ないんだね。

 これは絶対覚えておこう。

 うん。


「あ、あと、吸血能力で吸血鬼にすると、やり方によっては強さの底上げが出来るのよ。これもデカいわね~」


「そう言う事ね。神を相手にすると不老不死が無効になるのなら、どちらにしても私は目的を果たすまで、不老不死になる意味が無さそうね」


「そそ。だから、目的達成でしてあげる」


「そうさせてもらうわ」


「ジャス、今後は本当に気をつけた方が良いです。ジャスはよく油断するから、何かあってからじゃ遅いです」


「あはは。うん。気をつけるよ」


 私がラテちゃんに返事をすると、セレネちゃんは立ち上がる。


「さてと、んじゃ、私も旅の準備するから待っててね~」


「あ、うん」


 セレネちゃんは旅の準備を開始する。

 と言うか、今思えば、精霊の里には何も準備させずに連れて行ってしまった。

 その事に気がつき、私は悪い事しちゃったなぁと思いながら、セレネちゃんの準備する姿を目で追った。

 そして、私は驚くべき光景を目のあたりにする。


「その鞄どうなってるの!?」


 私は思わず声に出して驚いた。

 何故なら、セレネちゃんは小さなショルダーバッグを取り出して、その中に着替えだけでなく、日用品や食器などもを入れ出したからだ。

 しかも、その小さなショルダーバッグはセレネちゃんの小さな体に合った大きさの物で可愛らしく、どう見たってティッシュ箱よりも小さい大きさのバッグだ。

 そんなショルダーバッグに、あれもこれもと色んな物を入れていくのだ。

 驚かない方がおかしい。


「あ~、これ? 便利っしょ」


 セレネちゃんがニッと笑って可愛らしい八重歯を見せる。


「不思議ね。小さいバッグなのに、随分と物を入れられるのね」


 リリィも私と同様に、セレネちゃんのバッグを見て驚きながら喋った。

 セレネちゃんは準備を中断し、私達の目の前にやって来る。


「ジャスの前世で言う所の四次元のポケットみたいなもんよ」


 あ~。青い狸さんの……。

 と言うか、それ以外の作品でも、似た様な物が結構あったよね。

 あると便利なんだろうなぁって思いながら、そう言う作品を見ていたけど、まさか現実で目のあたりにするなんて……。


「ご主人、大変ッス」


「え? どうしたの?」


 トンちゃんが鬼気迫る真剣な面持ちで私を見る。

 そして、私が聞き返すと少し間を置いて、力強く答える。


「パイスラッス! あのバッグを使えば、ハニーのパイスラが見れるッスよ!」


 あはは~。

 どうしたのトンちゃん?

 今日はやけに絶好調だね?


「トンペットは一度落ち着いた方が良いです」


「パイスラってなんだぞ?」


「ジャスミン様の記憶から読むに、パイスラとはパイスラッシュの略称。パイスラッシュとは、つまり、ショルダーバッグの紐のショルダーストラップを胸の谷間に挟んだ状態の事ぢゃな。これにより胸元が強調され、女子の魅力が何倍にも跳ね上がるのぢゃ」


 フォレちゃん。

 そんな真剣な表情で、おバカな説明をしないで?


「が、がお」

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