無知
この鉄鋼所は鉄鋼をきったり溶接したりして売る場所です。
電話を切り、洗濯を終えて典子が下に降りていくと、1階には鉄鋼所の社長であり、典子の夫である重近がプカプカとタバコを吸っていた。
「あら、もう帰ってきたの?帰ってきたなら、帰ってきたと一言くらい言ってくれたらいいのに」
「あー、声はかけたんだがな。2階までは届かんかったか、、、ゴメンゴメン」
「ねーパパ遊ぼうよー」
「坊。お父さんは仕事休憩に来ただけだから、今は遊べないよ」
「いいよ。茶飲みに来ただけだからな。典子、茶淹れてくれるかい?」
「はいよ。」
典子は炊事場に向かい、ポットの電源を入れた
今は便利なもので、お湯が吹き出す心配をしなくて良い。
あとは茶葉にお湯を注げばお茶の完成だ。
典子は茶瓶の蓋を開け、急須に向けてトンと叩いた。
、、、
「あなた、ごめんなさい。茶葉を切らしちゃったみたい。ちょっと買いにいってくるわ」
「おう。じゃあ、携帯持ってけ。何かあっちゃいかん」
「そうするわ」
典子は家(事務所)を出てスーパーに向かった。
………………
ピロリン
スーパーからの帰り道、典子の携帯に着信が入った。高校の同窓会の電話だった。
出席か欠席を問うもので、典子は出席を選択した。
「そういえば、博士は同窓会って言葉を理解できるのかしら?」
家に帰ったら聞いてみよう。そう思って典子は家に帰宅した。
「坊。同窓会ってわかる?」
いつもの坊ならきっと「お母さんが行くやつでしょ」と答えるはずだが、坊やの様子がおかしい。
「坊?」
その日、坊やは家の中でしか博士になれないのだと典子は初めて気づいた。
さあ、なぜ彼は博士になれたのだろうか?
次回は解答編。8月15日投稿予約
それまでに考えてみてください。




