第二百十三話 昔話
三話目です
エロフとマリリンを見てない人はバックしてください
むかーし、むかし、ある所に一人の女の子がいました。
女の子の住んでいたところは、偉くて強い神様に守られてしまいました。
外から悪い神様がやって来ても偉い神様が全て追い払ってくれるのです。
女の子のクニの人は神様に感謝していました。
しかしあるとき、神様はこうおっしゃいました。
「冷静に考えてみると、一日に鹿一匹食べられれば普通に生きていける。こんなに広範囲の縄張りを維持する必要が感じられない。これからは森の最深部のみを縄張りにして生きていく」
神様はそう言って森の奥に御隠れになってしまいました。
さあ、大変です。
神様が御隠れに成ったのを知り、南の大陸から悪い神様がやってきました。
悪い神様は偉い神様に尋ねました。
「森に近づかないから、あなたの領地だった場所を貰っても宜しいでしょうか?」
「勝手にしろ」
こうして悪い神様は偉い神様の縄張りの殆どを手に入れてしまいました。
悪い神様は女の子のクニの王様にこう命じました。
「すべての食い物を寄越せ」
王様は嫌だと言おうとしましたが、王様の口は勝手に動いてしまいます。
「分かった」
こうして悪い神様に食べ物を全て奪われてしまいました
悪い神様はさらに言いました。
「もっと寄越せ」
しかし食べ物はもうクニにはありません。
そのことを王様が悪い神様に伝えると、悪い神様はこう言いました。
「お前たちが居るだろう?」
悪い神様は大きく口を開けました。
王様の体は一人でに動き、悪い神様の口の中に入ってしまいました。
悪い神様はクニ中に行き届くように大きな声で言いました。
「肉を寄越せ」
老人も、若者も、赤ちゃんも、悪い神様の命令には逆らえませんでした。
しかし、一人だけ助かった子がいました。
女の子です。女の子だけが助かったのです。
女の子を助けたのは一匹の妖精さんでした。
「僕が助けてあげる。一緒に悪い神様を倒そう」
こうして妖精さんと女の子は旅を始めました。
女の子は世界中を旅して、悪い神様を倒す方法を探しました。
女の子はいつしか女の人になっていました。
強くなった女の人は悪い神様を倒しに行きます。
女の人はもう一人ではありませんでした。
妖精さんと仲間の剣士、そしてたくさんの弟子がいました。
「お前は何だ?」
「私はあなたに滅ぼされたクニの生き残りです。あなたを倒します」
悪い神様と女の人、剣士、そして弟子は戦い続けました。
しかし悪い神様は強く、倒すことができませんでした。
そこで女の人は自分の命を犠牲に魔法を使って、悪い神様を封印しました。
魂と体を分け、体を北の大陸の半島に、魂を南の大陸の砂漠の果てに封印しました。
こうして悪い神様は封印されて、平和が訪れました。
さて、女の人には剣士との間に赤ちゃんがいました。
赤ちゃんはスクスクと成長し、大人になり、結婚して、子供を作ります。
その赤ちゃんの子孫の一人こそ、ロマリア帝国初代皇帝アルムス帝のお后様。
ユリア・ユリウス・ロサイス・カエサルなのです。
な、なんだって!!!!
ちなみにこの絵本作ったのはユリウス氏族です。つまりユリウス氏族(アルムスの子孫)が都合の良いように話を書き換えているので、最後の二行は嘘っぱちの可能性があります。
まあ、本当かもしれないけどね。
なお、ここで出てくる女の子というのは百三十四話でグリフォン様の言った『時を停止させた女』です
ちなみに時系列としては
????年前 若かりし頃の某偉い神様、縄張り最大領域
????年前 何故か悟りを開き、某森に引き籠る
????年前 悪い神様、某偉い神様の領地を貰う
????年前 悪い神様、封印される
千年以前
↑
五百年前 ハリーファ族のエツェル大王がアデルニア半島を征服
マリリンとエツェル、某偉い神様に出会う
↓
現代 アルムスの時代
っていう感じです
それにしてもこの偉い神様、一体何フォン様なんだ?
しかし、役に立たねえ奴だなあ




