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20.魔力補給の結果

「さっきの話に戻りますけど、シロは別に私を守っている訳ではなく魔力補給がしたいんですよ」


精霊は近くにいるのかという話になり、マリアンナは魔力補給をしている魔石をポーチから取り出した。


『補給源がなくなったら困るから、守っているも同然だ』


既にマリアンナの魔力で染まっている魔石をテーブルの上に置く。


「はいどうぞ」


シロがちょこんと魔石に肉球を当てると一気に透明になった。


「おお!」

「触れずに魔石から魔力が無くなったわ!」

「シロが触れていた」


マルグリットとエドガーからしたら、魔石から突然魔力が失われたようにしか見えない。


「私もやってもいいか?」


クラウディオが透明になった魔石を手に取る。


『おお!王子の魔力!』


シロが興奮してぴん!と背筋を伸ばした。


「今のは聞かなくても分かった」


クラウディオは噴き出しそうになるのを堪えて魔石に魔力を込める。

綺麗な金色になった石を差し出すと、シロは待ちきれないとばかりに魔石をその身に抱え込んだ。


「「消えた!!」」


「え?」


シロが魔力を吸い取り魔石から離れる。


「「出てきた!」」


『んーやっぱり王子の魔力は別格だな』


「先生、エドガーさん?どうかしたんですか?」


2人が非常に興奮している。


「いや、ディオから魔石が離れたと思ったら急に見えなくなって、次は透明になったのが突然出てきたでしょう?」

「シロが魔石を抱え込んだら見えなくなったのか?」


マリアンナとクラウディオからは全てが見えていた。


『私が身に着けたようになったから消えて見えたんだな』

「シロが身に着けると消えるの?」

『ああ。食べても消えるだろうな』


なるほど。胃の中に入ったものがそのまま見えると気持ち悪い。


マリアンナがそれを説明すると、3人は納得したようだった。


「私が魔力をやってみてもいいのかな?」

『いらん。王子とマリアンナ以外の魔力は体に合わない』


「兄さまと私の魔力以外は体に合わないからいらないそうですよ」


マリアンナがシロの言葉を伝えると、やる気だったエドガーが項垂れた。


「私とマリアンナ以外…?

金の魔力を持つ父上や叔父上でもだめなのか?」


『金が入っていてもその質はかなり違う。

マリーは王子の魔力を貰っているし生まれ持った魔力も悪くない。

私自身が祝福を与えているからかもしれんが』


マリアンナが通訳する。


「そうなのか…」


『だから王子も定期的に私に魔力補給をしていいぞ』


「兄さまの魔力は美味しいの?」


『格別だな。この身に染み渡るようだ。

やはりこうして一度にもらうと、細々吸い取っていた時とはかなり違う』


シロがペロリと舌なめずりする。

もしかして幼い頃クラウディオを助けたのはお気に入りの魔力が目当てだったのではと疑ってしまいそうだ。


「私の魔力が気に入ったのか?」

「格別だそうですよ。定期的に補給していいそうです」


かなり上からの物言いだが相手は精霊だ。


「それは良かった。これからも用意しておくから必要な時はいつでも来てくれ」

『ああ。頼んだぞ』


「あれ?兄さまの傍にずっといたほうがいいんじゃないの?」


その方がシロの魔力補給のためにはいいはずだ。


『マリーの方が弱いだろう。仕方がないから傍にいてやる』


ツン、とそっぽを向いたシロが可愛くて、マリアンナは笑ってしまった。



「そっか。ありがとう」



「ねえ、精霊ってどんな姿をしているの?」


マリアンナがシロを撫でていると、マルグリットが興味深そうにその手元を見た。


クラウディオが手で大きさを表現する。

「このくらいの大きさで、マリアンナの髪と同じ色の毛皮を持った動物だ。

瞳は金色で、耳はピンと立っていて尻尾がこのくらい長い」


猫です。と言いたいところだがこちらの世界に猫はいない。


「すごく可愛らしいですよ。

声は色気のある成人男性みたいな感じですけど」


「…なんだと」


マリアンナがなんとなく口にしたことに、クラウディオが反応した。


「男…なのか?」


『精霊に性別はない。

声は自分に合っているのがこの声なだけだ』


「いや、しかし大きく見ると男の部類なのではないか?

待て、すごくいい男声ではないか」


『そうか?自分ではよく分からないが』


「シロ…たいていはマリアンナの傍にいると言っていたが、寝るときや風呂などはどうしているんだ…?」


『風呂は必要ないから入らないが、寝るときは一緒だ』


「……」


クラウディオが不穏な雰囲気になってきた。


『…マリーは私の毛皮がお気に入りのようで、毎晩ベッドで体を弄ってくる』


「ちょっ!変な言い方しないでよ」


『私が精霊だから気にならないのか目の前で着替えるし』

「マリアンナ」

「ひゃ!」


突然がしっと腕を掴まれ、マリアンナは飛び上がった。


「やはりシロは私が預かったほうがいい気がする」

『誰が行くか』

「あのな!」


「ちょ、ちょっと待ってください!

兄さまシロの言葉が分かってますよね?!」



「『…!!』」


クラウディオとシロがお互い顔を見合わせた。


『魔力補給で私に魔力が馴染んだからか』

「…聞こえる、な」


『言っておくが王子のところで生活する気はないからな』

「…ベッドで一緒に寝るのはやめたほうがいいんじゃないか?

着替えも目に入れるな」


『それはマリーに言え』


「お前まで『マリー』と…」


『なんだ妬いてるのか』


「喧嘩売ってるのか…?」


「わあああ!2人とも落ち着いて!」



クラウディオの機嫌がどんどん降下して、マリアンナは慌てて2人の間に入った。



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