表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/154

18.答え合わせ 1

クラウディオと話をしたその日の夜、マリアンナはマルグリットに勝負がついたことを報告に行った。

負けてしまったけれど性別を隠していたことを許してくれたと伝えると「まあそうでしょうね」と薄い反応をされた。

なぜ。



そして学園が休日の次の日、マリアンナとクラウディオ、マルグリットとエドガーの4人は久しぶりに顔をそろえた。


「今日は一日部屋にこもっているはずでは…」


エドガーが青い顔をしている。


「どうかしたか?今の私は久しぶりに遊びに来た”ディオ”だ」


にっこりと顔に張り付けた笑顔でエドガーに答えるクラウディオは、金髪碧眼にシンプルなシャツとズボンを身に着けていた。

…学園の制服のジャケットとリボンを取っただけのような気もする。


ついその成長した姿をじっと見つめてしまったマリアンナに、クラウディオは優しく微笑んだ。


「ここではいつもその恰好なのか?」

「はい、この家ではいつも楽にしています」


マリアンナは白銀の髪を降ろし、眼鏡を外していた。


「…慣れるまで心臓に悪いな」

「ちょっと殿…ディオ、マリーと距離が近いですよ」

「早く今の姿に慣れるためだ」


そう言うクラウディオは、裏の家の庭のガーデンテーブルでマリアンナの横に陣取り長椅子で密着するように座っていた。


「まあいいわ。…エドガー、いつまでも突っ立ってないで座りなさい」


はあ、と諦めたような溜息をつき、マルグリットはエドガーを座らせた。



「では、説明していただきましょうか」


その言葉に、マリアンナは学園に入ってからこれまでのことをシロの事を抜いて説明した。

つまり、学園裏の森で偶然出会い、少し話をしたこと。

それがきっかけでお互いの事を知らぬまま交流を持ち、その後薬学の授業で再会し、より深く話を聞いているうちにマリアンナがマリオだと分かったのだと。


「ちょっと待って。最初からおかしいのだけど、どうして学園裏の森で偶然会うのよ」


マルグリットのもっともな疑問に、マリアンナとクラウディオは目を見合わせて笑った。

何しろ最初から、4人が座るテーブルの上にはシロが鎮座しているのだ。


「精霊の導き…かな」


クラウディオがマリアンナの話を継いだ。


幼い頃から精霊がついていてくれて、クラウディオの魔力を吸い取って助けていてくれたこと、暴走した時に精霊がマリアンナを巻き込んでしまったこと。


暴走の時のことを話した時には、マルグリットが首を傾げた。


「…『精霊シロ』については俄かには信じられないけど、離宮に入り込めたこともあるし、あなたたち2人には見えているのね?」


マリアンナとクラウディオは揃って肯定した。



「あの…今の話ですが、ひとつだけ…シロにお願いして『王子殿下』向けに話を変えてもらったことがあります」


マリアンナは、クラウディオが語った内容の中で誤りがあることを告白することにした。



「兄さまが暴走を起こした時、兄さまの魔力を吸い取ったのはシロじゃなくて私なんです」


クラウディオとエドガーが驚いて目を見開く中、マルグリットは納得したように頷いた。


「そうじゃないかと思っていたわ。

そうでなければマリーの…」


マルグリットはマリアンナの瞳を一瞬だけ見た。


「マリーの魔力の色に金が入っている説明がつかないものね」


『マリーの金の瞳』について説明がつかない、と言いそうになったマルグリットは即座に方向転換した。


「では…あの時私から溢れた暴走した魔力をあんな小さな体で受けとめたのか…?」


クラウディオは心配そうに眉を顰めた。


『前の世界から連れてきた時に器を大きくしたから大丈夫だ。急激に増えたことで負担はかかったが』


「…シロの祝福で、器を大きくしてくれたそうです」


さすがに前世どうこうを説明することは止めて、マリアンナはシロの言葉を簡潔に説明した。


「それで小さい頃からあんなに魔力量が多かったのね」


「そうなんです。兄さま、黙っていてごめんなさい。

王族から魔力を奪って自分のものにしていると知られたら捕まってしまうかと…」


マリアンナは不安気にクラウディオを見る。


「は?!命を救われたのに捕らえるわけがない!

奪われたなんて思わないし、マリアンナが私の魔力を纏っていると思うと…」


クラウディオの目元がほのかに赤く染まった。



「わあ…」


エドガーはクラウディオが考えたことが何となく分かってしまい少し引いてしまった。




「…となると、マリーは精霊の祝福を得て王子殿下の命を救い、膨大な魔力を持ち、さらに精霊がその身を守って…?」

「私は精霊の姿が見えるだけだがマリアンナは会話までできる」


マルグリットとエドガーは、マリアンナを呆然と見た。




「……国賓級の人物では?」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ