デート最終回 彼の車で1泊2日 その2
「やはり、車っていいもんだな」
彼女は、窓から顔を出してそう言った
温められた空気が、すぅっと冷えて行くけど
僕も同じように開けてみる
寒いけど気持ちいい
窓開けて良いか?と、鹿島さんが
曇りがち車内を気にしてそう言うと
花織さんが、いっそのこと全開しては駄目か?と、聞いてきたからだ
全員、服を着込んで、窓を開ける
それだけのことなのに、テンションは、マックスまで上昇
鹿島さんは笑いっぱなしだし
機嫌の良い、いつもより張りのある声が僕の後ろの席から響いてくる
「オレも、子どもの頃そうやって、オヤジに怒られてたよ」
鹿島さんが、また笑う
「僕もやりましたね~、で、手とか出して、危ないでしょ!って
言われるんですよね」
空気の抵抗で、自然に上へと上がるぐらいの速度
そう、ここは、高速道路の上
城崎は兵庫県だけど、神戸のあるような太平洋側じゃなくて
北の日本海側
と、いっても、高速道路の道上には雪はなく
路肩や、山影になっている所にこんもりと積もった雪があるぐらい
意外と、降らないものなんだと思った
途中休憩した、サービスエリアでそう言うと
こんなものらしいぞ、でも、一応スタッドレスタイヤはいてるし
チェーンももって来てるぜ、と用意周到
うーん、流石
「しかし、寒いな」
笑いを含んだ、花織さんの声で、じゃぁ、閉めるかと全員窓を閉める
それだけで、車内の温度が変わった
「花織さん、下にパイプみたいなの見える?」
鹿島さんが、言うと、花織さんが、ごそごそと動いて
ある、と応えた
「それ、暖房の空気が行くようにしてるから、
寒かったら、自分に当ててね
後ろってどうしても冷えやすいから」
・・・すごい、そう言えば助手席座ってていいんだろうか
と、思って鹿島さんを見ると笑われた、
「花織さんに、助手席どーぞって言っても多分座らないよ
後ろが、ほら快適そう」
そういって鹿島さんはルームミラーをちらりと見る
僕は、振り返って花織さんを見ると
「変わらないからな」
と、花織さんに宣言されちゃいました
久々の投稿です、お待ちして下さった方、おまたせしました、次は、そろそろ目的地に到着・・・でしょうか!はい、まだ書いておりません・・・苦笑




