59話 再戦! スノウワイバーン!
注)バトルシーンは苦手です!!
あの後、メンマさんとサテンさんともう少し話した後で解散した。その後はフィフローの町中をさらっと探索して、ログアウト。なんだか短い時間しかログインしていなかったのに色々濃かった時間だったなぁ。
それから3日ほど、いつも通り仕事終わりにちょこちょこプレイして、進化したコユキの様子見とミントのレベル上げを行った。コユキは、進化したからなのかミントに影響されたのかは分からないが、前より【氷魔法】を使ってくれる様になったぞ。スキルレベルも上がって、二つ目のアーツ【アイスウォール】も使える様になっている。うんうん、良い傾向だ。
自分も【騎乗】スキルのレベルが上がって、ミントが【空中歩行】を使って多少激しい動きをしても、何とか振り落とされないようになった。まあ、戦闘に夢中になったミントがグリンッと急旋回とかしたりすると、簡単に落下するけどね。精進あるのみだ!
ミントのレベルも上がり、隠れ里の周囲の敵なら苦戦せずに倒せる様になったので、遂にヤツに再挑戦する事にした! 前と違って、パーティメンバーも増えているし、レベルも上げた。更には装備新調について承諾してくれた源三郎さんが、検証用で渡した雪山素材の代わりにと、火山素材で作られたであろう火属性の投げナイフや花火玉やネズミ花火に手筒花火、更には例の動画で見た雷遁使いの人が協力したという雷属性の花火玉も分けて貰った。投擲系アイテムは嬉しいけど、花火多いなww 残暑の花火大会かな??
毛皮装備を纏って火属性双短剣を腰に履き、やる気満々なミントの背に乗る。同じくやる気に満ち溢れているコユキもミントに乗せて、さあ、いざ行かん! 「スノウワイバーン(手負)」の元へ!
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ミントの背に乗って駆けること少しばかり、雪を被った岩がゴロゴロある岩場の山肌にぽっかり空いた洞窟が見えてきた。あの中にヤツはいる。よし、中に入る前に一旦作成会議だ! ミントの背から降りて、円陣を組んで2匹に作戦を話す。
「最初は、各自で自由に攻撃してくれ。ヤツの行動パターンとしては、突進と噛みつき、多分【氷魔法】による氷塊飛ばしだ。後は、回転しながら長い尻尾を叩きつけて来たりしたな。だから、しっかりとヤツの動きをみてかわす様にな! 洞窟内だからか、手負だからなのかは分からないが、前回は飛ばなかったから空中からの攻撃は気にしなくて大丈夫だ」
「キュン!」
「ウニャン!」
うんうん。2匹とも良い返事だ。
「HPが減ってきたら要注意だ! 一旦攻撃を止めて身を屈めてきたら【氷魔法】のブリザード?を使って視界を阻害してきた上で、大量の氷の礫やら石やらを飛ばしたり、連続突進してきたりと、大暴走してくる。前はこの大暴走でやられたんだよなぁ」
「キュ〜〜ン……」
「だから、今回はヤツが身を屈めたら、こっちも攻撃は一旦中止! 急いで回りの岩陰とかに隠れて様子を伺うぞ。大暴走もずっと続くわけじゃないだろう。疲れてきて動きが鈍ったら、反撃だ! 分かったか? コユキ、ミント」
「キュンキュン!」
「ニャ、ニャー?」
んん〜。コユキは力強く頷いているけど、まだヤツと戦ったことのないミントは、ちょっと不安な返事だ。
「キュ? キュン、キュキュキュン!」
「ニャー!」
お? コユキがミントの前に立って話しかけている。作戦内容について教えてあげているのかな? コユキが話したおかげか、ミントも元気に返事を返していた。これなら、大丈夫かな?
「よしっ、じゃあ行くぞー!」
「キューン!」
「ニャーン!!」
簡単な作戦会議を終え、決戦の場である洞窟に入っていく。凍てつく様な寒さとピンと張り詰めた透明感のある外の空気とは違い、洞窟内の空気はどこか生々しく、濁っている様にも感じる。それは洞窟という地形由来なのか、奥に陣取っているヤツのせいなのか……。隣を歩くコユキ達の存在に、今度こそ大丈夫だと自分に言い聞かせながらも、あの負け戦を思い出して身震いしてしまう。いや、弱気になるな、今度こそ勝利をもぎ取ってやる!!
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薄暗い洞窟の奥、そこにはぽっかりと広がった空間があり、フロストリザードマンの隠れ里と同じ青白く光る苔が生えている。そして、中央に苔の光に照らされた青灰色のワイバーンが鎮座していた。その翼や体には無数の傷があり、片手の爪が折れている他、片目も真新しい傷で潰れている。そんな状態なのに、こちらを睨みつけてくる覇気は衰えていない。ヤツこそが、前に自分とコユキで挑んで全滅してしまった相手「スノウワイバーン(手負)」だ。
「よし! コユキ、ミント、いくぞ!!」
ヤツの圧迫されるような覇気を振り払い、2匹に合図して向かっていく。前の様にはいかないぞ!
真正面から走って斬りかかろうとすると、迎え打つ様に噛みつこうとしてきたので、横にステップしてかわす。ガチンッ!!と怖い音が真横から聞こえるのをヒィッと怯えながらも、そのまま自分は後退。入れ替わるように斜めからミントがヤツの肩に飛びかかって【ウインドエンチャント】を掛けた爪で一閃! 「ギャォオオオ!」と怒りに満ちた声を上げてギロリとミントの方を向くが、既にミントはいない。ナイス、ヒットアンドアウェイだ!!
ミントを探そうとする素振りを見せるが、今度は後ろに回ったコユキが飛びかかって、首筋に噛みついた! ヤツはコユキを振り払おうとブンブンと首を振り回すが【牙術】スキルの【強噛みつき】を使っているコユキはそうそう離れない。よし、良い感じに先制できてるぞ!
自分も【身体強化】スキルの【ダブルマインアップ】で筋力と耐久力を上げた上でくるりと回りながら斬りかかる! 【双剣術】スキルの【双舞円月閃】だ。2本の剣で円を描く様に回転しながら何度か切りつけるアーツで、威力も結構高いし、剣の軌跡が月光の様な金色の光のエフェクトが出るので、見た目的にもお気に入りなアーツである。今は火属性短剣を使っているので、光のエフェクトが赤みがかっているのもカッコイイ。
【双舞円月閃】がヤツの横っ腹にクリーンヒットし、いいダメージを与える事が出来た! これは、大暴走まで楽にいけるか?と思ったが、やはりヤツは試練の相手である格上モンスター。多少のけ反りはしたものの、直ぐに体勢を立て直し、コユキを首に付けたまま突進してきた! アーツを使った直後のため、避けきれずに直撃して吹っ飛ばされてしまう。更に追撃で氷塊を飛ばそうとしてきた所を慌てたミントが間に入り【ウインドウォール】を使って防いでくれた。ありがとうミント! すまん!
【ウインドウォール】が消えると向こう側ではコユキもピンチになっていた。先ほどの突進により、首筋から振り解かれてしまった様で、ヤツの横にコロリと転がっていた。そこを見つけたヤツが振り返り、ぐわっと口を広げて噛みつき返そうとしていた。
「やばい! 間に合えっ、【速投】!」
通常より早い速度で投擲できる【投擲】スキルの【速投】アーツを使って投げたのは、源三郎さんから貰った『花火玉』。凄い速さで飛んでいった小さな黒い玉は、ヤツの顔の横に当たってパァンッ!と音を立てて破裂し、小さな火の花を咲かせた。それに驚いたのか、ヤツの動きが止まる。その隙にコユキは体勢を立て直し、タタタッと離れることができた。良かった!
ふう、油断大敵だな! コユキを追わせないように、ミントと自分でヤツに攻撃する。くそっ、やっぱり硬い! 切りつけても、表面にしか傷がつかない。なんとかダメージを稼ごうと、急所と思われる無事な方の片目や心臓部を狙って【短剣術】の【ピンポイントアタック】を使うが、なかなか上手く当たらない。コユキやミントも隙を伺いつつアーツを纏った攻撃を繰り出すが、ヤツは避けたり向かい撃ったりしてくる。うわっ! また噛みつきしてきた! 焦るな焦るな、前と同じように堅実にダメージを積み重ねていこう!
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その後も、度々ピンチになりながら、なんとか戦闘を進めていった。もうね、突進で跳ね飛ばされるわ、旋回でぶん回された尻尾で跳ね飛ばされるわ、飛んできた氷塊に当たって一緒に跳ね飛ばされるわ。吹っ飛びまくったよ。特に体格が小さいコユキが当たった時が凄かったな、結構高い位置にある天井まで吹っ飛んで、べシンッと叩きつけられた上で真っ逆さまに落ちて来た。そのまま床に当たったら間違いなくそのまま瀕死になって強制リターンしていただろう。その時は慌ててアイテムボックスから野外休憩用の敷き布を取り出して広げて、なんとかキャッチ出来たので瀕死は免れた。し、心臓に悪い……。
既に戦闘開始から10分以上は経っていた。ミントが何度目かの噛みつきを回避し、ジャンプと【空中歩行】でヤツの真上を取ると、【爪術】スキルの【インパクトスクラッチ】で背中に衝撃を与える。それで怯んだ所をコユキが【アイスショット】で無事な方の目を狙った。目にツララがクリティカルヒットし、おもわず仰け反った所を追撃で自分が【双剣術】スキルの【ダブルスラッシュ】!!
「グギャオオオ!! グ、グ、グ」
ん? 攻撃をくらったヤツが、後退して前屈みになったぞ。これは……大暴走の前兆だ!
「コユキ、ミント! 今すぐ岩陰に隠れるんだ!!」
「キュン!」
「ミャウ!」
急いで近くの固そうな岩の後ろに隠れる。コユキとミントもそれぞれ手近な岩陰で身を伏せている。なんとか間に合ったようだ。ヤツの方を見ると、身体の傷が薄っすら赤く光り、あからさまにヤバい雰囲気を出している。そして「ギャォオオオオ!!!」と耳をつんざくような咆哮を上げると、ヤツの周りにキラキラとダイヤモンドダストが輝き始め、あっという間に視界を埋め尽くす様なブリザードが吹き荒れた!
「うっわ?!」
岩陰に隠れていても、渦巻いて荒れるブリザードによって身体が吹っ飛ばされそうだ。吹き飛ばされまいと必死に岩にしがみつく。前回は、あの前兆を見てコユキと二人で身構えはしたものの、こんなブリザードが来るなんて知らなかったから、そのまま吹き荒れる雪と風に翻弄されて、立つこともできず体勢を崩した所を連続突進で突き飛ばされたんだよな。なんとかポーションを使おうと思ったら、今度は無数の石とか氷の礫がブリザードと一緒に飛んできて、訳もわからないまま死に戻ったんだっけ。コユキも強制リターンになってて、ああ全滅したんだなって、隠れ里のポータル前で愕然としたのを覚えてる。
だがしかし、今回は対策もバッチリだ! このままブリザードが収まるまで耐え切ってやる! ……なんかさっきから地面が揺れまくり、ドガンッやら、バゴンッやら、ドガガガガやら、何処の工事現場だと言いたくなるような音が引っ切りなしにしたり、顔の横を拳大もある様な石がすっ飛んでたりするが、岩陰に居れば大丈夫だろう! 大丈夫だよな? 持ってくれよ、岩ぁあ!!
・戦闘不能時の従魔の扱い
・戦闘中に従魔のHPが0になった場合
従魔が強制リターンされ、一定時間呼び出せなくなる他、好感度も少し下がる。
・従魔のHPは残っているが、プレイヤーのHPが0になった場合
プレイヤーと一緒に、死に戻り先のポータルまたはセーフティエリアに一緒に転移。好感度などは下がらない。
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・手負じゃないスノウワイバーン
もし、「スノウワイバーン」が手負では無かった場合。空中から急降下してきたり、サマーソルトしてきたり、上空からの氷塊で狙い撃ちしてきたりの攻撃パターンが増えるよ! また、片手と片目も無事なので、部位破壊しない限り、隙をつくのが難しくなるよ! 更には、1匹だけじゃなくて複数で襲ってくる事もあるよ! ヤバいね!!
こんなヤバい「スノウワイバーン」を獲物にしている「アイスアサシンレオパルド」は、もっとヤバいよ! (^-^)v




