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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
三章 青銀の出会い
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55話 疾駆する緑影


 ……予約投稿したはずが、なぜか即時投稿になっておりました。誤字脱字がありましたら申し訳ありません!


 あの後メンマさんに相談した結果、黒いフード付きローブと黒いアイマスクが送られてきた。人目のある場所ではコレを着けてミントに乗れば大丈夫とのこと。フード付きローブはまだ良いけど、アイマスクって……また怪盗・暗殺者っぽい要素が増えてきた……。自分もミントも【隠密】スキルは持っているとはいえ、怪盗になるつもりも暗殺者になるつもりも無いんだけどなぁ!


 まあ、それはともかく、コレがあれば街道を騎乗して移動するときも安心だ。ありがとうメンマさん! しかも、マントとアイマスクのついでに、ミント用にと大きめのマットレスもくれたよ。メンマさんには色々と世話になりっぱなしだな、お礼に里の近くで採れた『氷水晶の欠片』や前々から溜め込んでいた『ハル石の原石』などをトレードした。喜んでくれるといいな。(^^)


 ちなみにメンマさん情報によると、珍しい騎獣としてはダチョウみたいなのやでっかいワンコとかはいるみたいだが、でっかいニャンコは見たことも聞いたことも無いので、絶対目立つから覚悟しておくようにと言われてしまった。考えなしにテイムしててすみません……! というか、ダチョウの話はソルメイさん達からも聞いたことがあるけど、でっかいワンコに乗ってる人もいるんだな。流石はファンタジー。


 マイルームにて、コユキの寝床の横にマットレスを敷いてミントに示すと、ミントは最初は不思議がって何度か前足でふみふみした後、ちょうど良い場所を見つけたのか、ごろんと横になってくれた。良かった、気に入ってくれたみたいだ。それにしても、そろそろマイルームに自分のベッドも欲しいな。まだ、丸テーブルとイスとコユキの寝床 (かご)とミントの寝床 (マットレス)しかないからな。でも、家具の前に先ずは崩れた壁の補修をしないとかなぁ。



 後日、サドンの冒険者ギルドに行って【騎乗】のスキル講習を受けに行ったよ。スキル講習は基本的にインスタンスエリアで個別講習だから、ミントを他のプレイヤーに見られる心配はない。そのため変装は無しだ。ただ、講師のNPCの人からは、珍しい従魔だねと驚かれてしまった。ちなみに講習中に貸し出してもらったミントの騎乗に必要なセットは、低めのあぶみと取手の付いた長めの鞍だった。どうやら猫の場合はくつわと手綱は無く、鞍に直接掴む場所がついているみたいだ。


 さっそく実践練習となり、講師の人に支えて貰いながら、なんとかミントの背中に乗った。馬よりは低いはずなんだけど、不安定でぐらぐらする! だ、大丈夫だろうか?? 講習中、ミントはゆっくり歩いてくれたんだが、自分はなんとか取手を掴んで落ちない様にするのが精一杯だった。講師の人から背筋を伸ばせって言われたけど、む、無理だ! そんなこんなで何とか講習を終えることができた。最後は何とか最低限乗れる様にはなったから良かった……。【騎乗】スキルも無事に取れたし、これからは騎乗補正もしっかり掛かるだろう。きっと大丈夫!


 その後は、サドンの外壁近くにある騎乗用道具屋でミント用の鞍とあぶみを購入した。講師の人から珍しい従魔だから念のためと渡された紹介状を持っていたので、スムーズに大型猫用の物を出してもらえたよ。他の珍しい従魔のダチョウの人とかでっかいワンコの人とかも、同じ感じだったんだろうか? そう思いながら騎乗できる環境が整ったので、早速フロストリザードマンの隠れ里に戻ってミントとコユキを呼び出し、ミントの背に乗って、一緒に雪山を駆けてみた。


 ただ、【騎乗】スキルがあるから大丈夫だろうとたかを括り、ミントに思いっきり走って良いぞと言ったのが、悪かったな。ものの数秒で転がり落ちてしまった……。「ウミャァン?!」と鳴いて唖然としていたミントの顔が忘れられない。スキルレベル1じゃあ、まだまだだったようだ。その後はミントに謝って、ゆっくり目に走ってもらった。多少グラついたけど中々快適な騎乗になったよ。コユキも一緒に背に揺られて気持ちよさそうだった。



 次の日、今度はミントのレベル上げも兼ねて、サドンからフィフローへとミントに乗って行く事にした。まともに街道を通って次の町に行くのはいつ以来だろうか? 春イベの後にはもう山へと旅立っていたから、4か月ぶりくらいになるかな? はははっ。


 街道を騎乗して行くので、メンマさんから貰ったフード付きマントを被ってアイマスクをした上で、隠れ里からサドンに転移した。(フードはメニューから、脱げない様に設定できたぞ! 便利だな)様々なファンタジー衣装のプレイヤーが行き交っているサドンでも、あからさまに怪しい格好だったからか、ポータル前に転移したとたん何人かに見られたし、門に着くまでの途中に【隠密】のスキル講習チケットを貰えるNPCと勘違いしたプレイヤーに話しかけられたりしてしまった。そういえば黒マントを着たギルド長と追いかけっこするんだったな、【隠密】スキル。懐かしい〜。


 そんなこんなで、門まで来ました。相変わらず遠くからチラチラと目線を感じる。いやいや、こっちより派手な人なんていっぱいいるじゃん! あそこの人なんてめっちゃカラフルな舞台俳優みたいな衣装きてるよ? なんで、ミントをまだ出してないのにこんなに注目されてるんだ。……仕方ない、もうどうにでもな〜れ!!



「【コール】ミント!」


「ニャ〜ン!!」


 召喚される鮮やかな緑色のデカニャンコ。チラチラからザワザワし出した周囲をよそに、さっさと鞍とあぶみをメニューから装備させてミントに跨る。


「ミント、街道沿いに並足でよろしくな」


「ニャー!」


 元気よく返事をしたミントが軽やかに駆けていく。並足とはいえ、元々スピードタイプのミントが駆けていくと、どんどんと門から離れていく。そして、あっという間に分かれ道まで来ることが出来たので、フィフローのある北西側をミントに指示して先に進む。道中の敵は弱く、ミントが走りながら【爪術】や【風魔法】で攻撃すると呆気なく倒す事ができている。ここまで来ると周囲に人はほとんどいない。まあ、普通の人ならこの場所はもう攻略済みで次の町に到達してるから、ポータル転移で移動するしな。この辺にある目立つスポットとかも基本種族であるビーストマン(犬)の隠れ里くらいだし、一度攻略した後はほとんどくる人がいないのだ。


 人気もないし、今は変装もしてるし、丁度いいからコユキも呼ぶか。そう思ってミントに一度止まってもらい、コユキも召喚する。


「キュン!」


「ニャオン!」


 一緒に呼び出されて嬉しいのか、2匹で和気藹々とじゃれている。いやーウチの子達は可愛いなー。っと、休憩はそろそろにして進まないとな。ついつい2匹のじゃれあいを眺めてしまった。我に帰ったので、コユキを鞍の上に呼び、一緒に乗っかる。


「コユキ、今日はミントの背に乗りながら移動したまま戦闘に入るから、敵がいたら【氷魔法】で遠距離から攻撃するようにしてくれ」


「キュン?! キュ〜(ㆀ˘・з・˘)」


 驚いた後に、ええ〜?みたいな顔をされたけど、こればっかりはのんでもらうぞ。今日は移動優先なんだ。



 コユキと一緒にミントに乗って、さらに進んでいく。道中の敵はミントの【風魔法】に加えて、渋々使ってくれたコユキの【氷魔法】のおかげで、さっきよりスムーズに倒して移動する事ができた。途中途中のセーフティエリアで適度に休みつつ暫く進むと、様々な花が咲き乱れている花畑が見えてきた。確かあの花畑にエリアボスの「ビッグパラライズバタフライ」がいるんだったな。しかもお供として、複数の「パラライズバタフライ」が一緒に出てくるとか。名前の通り、どちらも麻痺攻撃をしてくる。状態異常対策に麻痺ポーションは買い込んで来ているし、従魔用は見つからなかったが自分用に麻痺耐性アクセサリーも付けている。相手にお供がいても、こちらもコユキとミントがいる。負ける気はしないな! とはいえ、そろそろ時間が来てしまったのでエリアボス戦は明日にしよう。コユキとミントを一旦【リターン】で帰して、セーフティエリアからログアウトする。明日が楽しみだ!



* * *



 次の日、仕事を終えて帰宅したので、風呂と食事をさっさとしたら、洗濯機に衣服をバサっと入れてスイッチオン! よし、これで今日やっておく事はもう無いな。ではでは、早速アトオンをプレイしますか。今日はエリアボス戦だ!



 ログインすると花畑の手前にあるセーフティエリアに出た。周りを見回したが、どうやら他のプレイヤーはいないみたいだったのでコユキとミントを召喚する。セーフティエリアから出て花畑を少し進むと一際大きなピンク色の花が咲いている場所に来た。そして表示されるエリアボスに挑むかどうかのポップアップ。迷わず「はい」を選んで、エリアボス用のインスタンスエリアに転移する。


 転移したはいいが、エリアボスはどこだ?と花畑の中で思っていると、ふと風を感じた。上を見ると、巨大な黄色いチョウチョが?! こいつが「ビッグパラライズバタフライ」か! 巨大チョウチョが目の前の大きな花に止まると、どこからともなく通常より少し大きなサイズの黄色いチョウチョがわらわらと現れた! 敵の出現にコユキとミントが攻撃体勢に入る。よしっ、さあ久しぶりのエリアボス戦だ!!





「キュンッ!」


「大丈夫かコユキ?! ほら『麻痺ポーション』だ!」


 掲示板で見た通り「ビッグパラライズバタフライ」達は、麻痺攻撃や【風魔法】を使ってきており、近接攻撃主体の自分達は結構不利だった。特に無闇に突っ込んで噛みつきに行ったコユキが毎回麻痺にかかっている。噛みつきは、駄目だって言ったろコユキ! ミントが積極的に【風魔法】で「ビッグパラライズバタフライ」を攻撃してくれているが、相手の【風魔法】で相殺されている。自分も【水魔法】の【ウォーターレイン】を使って周りのお供たちを一掃しているが、一定時間が経つとまたわらわら現れてくる。流石エリアボス。レベル帯的には格下のはずなんだが、中々に苦戦している。すると、不意にミントが一旦後退し、前屈みになって尻尾を振りながらグルグル唸り出した。ど、どうした?!


「グルグル、ウニャー……」

 

「キュ、キュン? キュン!」


 それを見たコユキが今度はぴょんぴょこ踊り出した。あれ? 2匹でなにかやろうとしてるのか? くっ、こういう時に従魔と話せるスキルがあれば! 悔しく思いつつも、2匹をサポートするために「ビッグパラライズバタフライ」に投げナイフを【強投擲】し、こちらに引きつける。その内にコユキのダンスが終わり、ミントにバフがかかる。あのダンスは【舞踏】スキルのバフの方を使っていたのか。チラリとステータスを見ると、ミントに「知力」と「筋力」のバフが掛かっているようだ。おっと、二つ同時バフ?! コユキ、いつの間にそんな事が出来るようになってたんだ??!


 バフが掛かったミントが「フミャァアアア!!」と吠えると、体の周りに風がグルグルと纏わりつく。【ウインドエンチャント】か? いつもは爪だけとかなのに、今は身体全体に風を纏っている。そして、ダッと目にも止まらぬ速さで走り出す。え?と思った時にはすでに「ビッグパラライズバタフライ」の前に辿り着いており、駆け抜けた速度のまま空中にいる相手目掛けてダンッ!!と飛び上がる! 更に空中を蹴って勢いよく「ビッグパラライズバタフライ」の首元?にガブリッと噛みついた! 牙に赤いエフェクトが出ていたので、【牙術】スキルを使ったのだろう。


 ミントに噛みつかれたまま、地面に引きずり倒される「ビッグパラライズバタフライ」。そこをすかさず、コユキも背中側に噛みつきに行った。バタバタと羽を動かして麻痺鱗粉を撒き散らかして暴れる「ビッグパラライズバタフライ」だったが、素のままのコユキはともかく、風を纏っているミントはたじろぐ事なく、前足で相手の頭を押さえつつ噛む力を強める。数十秒後、「ビッグパラライズバタフライ」は動かなくなりポリゴンを残して消えていった。



『おめでとうございます! エリアボス「ビッグパラライズバタフライ」を撃破しました。以降、この場所は戦闘不要で通り抜け可能です。再戦したい場合は、エリア前で「再戦する」をご選択下さい』


『従魔「コユキ」が進化可能になりました! メニューより進化先をご選択下さい。(直ぐに進化を選択せずに、そのままレベルアップさせて行く事も可能です)』



 やった! エリアボス、クリアだ! いやー、状態異常を使ってくる相手は想像以上に厄介だったな! しかもコイツは掲示板情報によると【火魔法】が効くらしいんだが、【火魔法】を使うと火がついたままあの巨体で暴れ回るようになるらしい。ちなみに何故か火属性の武器を使っても発火するとか。そのため、今回は自分も武器は属性なしの短剣を使っていた。このように状態異常や複数体での戦闘に加え、弱点攻撃をするとカウンターをしてくるという事から、サドンを越えたばかりの粋がった中級プレイヤー達をことごとく葬ってきたとの事。危うく、自分達も二の舞になるところだったよ。ちなみに、フォーレン側のエリアボス「ラージポイズントード」も同じような感じらしい。その為、この2体のエリアボスは「サドンの双璧」と言われているとか。なんだそれ、カッコいいな。


 ちなみにエリアボス達からのドロップは『麻痺鱗粉』と『パラライズバタフライの羽』だった。レアドロップの『ビッグパラライズバタフライの羽』や『ビッグパラライズバタフライの複眼』は出なかったみたいだ。うーん、残念!


 後は、コユキの進化だ! コユキと出会ってからまだそんなに経っていない気がしたが、もう進化なんだな。早く確認したいが、ここのインスタンスエリアは出た方が良いかな。確か撃破後のインスタンスエリアって、滞在時間が決まっていた気がする。そのため、喜び合っている2匹に声をかけ、ささっと回復してからインスタンスエリアを出る。通常フィールドに出たら、近場のセーフティエリアへゴー!


 さてと、コユキにはどんな進化先があるのかな? フィフローに行く前に、お楽しみが出来てしまった。うーん、どんな進化でもコユキには可愛いままでいて欲しいが、どうだろうな?




 ・プラナから『氷水晶の欠片』や『ハル石の原石』を受け取ったメンマさんの反応


「あ、ああぁ……。ま、また〜、見たことも〜聞いたことも〜無いアイテムが〜……! 本当に〜、本当に! こんなレアアイテムを〜ポンポン渡さないでぇ〜!!」


 また、崩れ落ちるメンマさんであった。頑張ってメンマさん! (・ω・`)


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― 新着の感想 ―
背骨を曲げてバネのようにして力を貯めてダッシュする猫は多分騎乗向きの生き物じゃないw
更新お疲れ様です 一話から全部読み切りました、目を離したらいけない お散歩掲示板の人達。何かしらの発見をするので そして頑張れメンマさん、耐性を付けないとプラナ君 が持ってくる品物に耐えられないよ?
更新お疲れ様です。 コユキちゃんはバッファーの能力もあったんですねw 進化が割と早かったのは、元々能力値が高かったのか、プラナ君が気付かずに無茶をさせていたのか ┐(‘~`;)┌ プラナ君が鞍から落…
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