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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
三章 青銀の出会い
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50話 みんなでまったりお散歩の予定だった


 マルメロジャム。前はそこそこ売ってるのを見た事がありますが、今はとんと見なくなりましたね。美味しいからまた食べたい今日この頃です。


 最近暑くなってきましたので、皆さま熱中症にはお気をつけください。



 ゆっくり目覚めた朝。時計を見たら、待ち合わせまでまだ時間があったのでタイマーを掛けて二度寝だ! 朝から二度寝できるなんて、休日バンザイ!! o(^▽^)o


 タイマーが鳴ったら、しっかり起きて、朝ごはんをささっと食べて、体調を整えたら早速ログイン。


 さあ、今日はみんなで冒険だ!



* * *



 ファスのポータル広場。少し早く来てしまったかな? そう考えつつポータル近くで二人を待っていると、なんだか周りがザワザワしていた。なんだろうと耳を澄ませていると、どうやら有名配信者が来るらしい。うぇっ?! そんな話知らないぞ?


 慌てて掲示板をみると、最近アトオンを始めたらしいアイドル系配信者のマルマルメロ?さんとやらが、この後ログインしてビーストマン(兎)の隠れ里に行く事をネットに呟いたとの事。しかも、自分がいるこのチャンネルを指定しているみたいだ。


 どうしようかと思っていると、どんどん人が集まってくる。いつもはそんなに人がいないはずのファスの町は、あっという間に沢山のプレイヤーでいっぱいになってしまった。これ、みんなマルマルメロさんのファンか? いや、そんな事よりこんな人混みじゃあ二人を見つけられ無いかもしれない。ちょっと待ち合わせ場所を変えよう。


 既に人混みで身動きしづらくなっていたポータル広場からなんとか脱出し、急いでメールする。二人にはもしまだファスに来ていなかったら、来るのは少し時間をずらした方が良い事と、新しい待ち合わせ場所として町はずれのカフェを提案した。あの集団がいなくなるまでは、カフェに避難だ!



 メールを送って暫く、カフェのテラス席で待っていると二人がやってきた。なんだかクタクタになっている様だ。


「おはようございます。二人とも大丈夫ですか」


「プ、プラナさん〜」


「プラナさんだぁ! 良かったあ、ちゃんと着いた〜!! めちゃめちゃヤバかったですよぅ〜」


 疲れている二人を労りつつ、三人でカフェに入って一息つく。話を聞くと、どうやら二人は同じくらいの時間にログインしており、サドンのポータル前で合流。一緒にファスのポータルに転移して出てくると、目の前には多くのファンに手を振りつつ自身のプレイを録画をしているマルマルメロさん。なんと、マルマルメロさんが来たタイミングとばっちりかち合ってしまったのだ。


 びっくりして、思わず固まってしまう二人。しかも、ソルメイさんは撮影許可をオフにしていたが、ミルミルキーさんはどうせアバターだからと撮影許可をオンにしていた。今から行こうとしていたビーストマン(兎)のプレイヤーが現れた事にマルマルメロさんとファンの人達は、大盛り上がり。まあ、転生した人が増えてきたといっても、全体から見たらまだまだ派生種族の人は珍しいからなあ。


 そんなわけで、大勢の人にもみくちゃにされながら、何とかその場を切り抜けてダッシュしてきた二人。人の少ない裏道に入った所で、自分からのメールに気づいたそうな。残念ながら、送信したメールは一足遅かったみたいだ。とりあえず疲れている二人をいたわりながら席に座って貰う。店員さんを呼び、追加の飲み物を頼んでやっと一息。



「カフェオレ美味しいです。生き返りましたー」


「ほんとにびっくりしましたよー。あんなに注目されたの、商店街のくじ引きで一等が当たった時以来ですぅ。バニーになったのが、あんな事になるなんて。今まで配信の背景とかなら映っても良いかなって思ってましたけど、こんなに注目されるなら、許可設定オフにしようかなー?」


「お疲れ様、二人とも。とりあえず、彼らが居なくなるまでは、ここでゆっくりしましょう」


 そう話して、暫くみんなでまったりカフェタイム。今日行く予定のファスの東側についても少し話した。自分やソルメイさんはファスの周辺しか行ったことが無いんだが、ミルミルキーさんはお散歩スポットとして、よく来ていたらしい。


 東側は、西側と違ってずっと草原が続いており、ファスから遠くなると多少モンスターは強くなるが、それでもレベルは大して高くないらしい。種類も昼のプチラビとプチスライム、偶に普通のスライム。夜はナイトドッグに変わりはない。セカドの森の夜モンスターの方がよほど強いとのこと。



 とりあえず北門から出たら、予定通りにファスから離れて人気のない東側に行くのはそのまま。ただ、先程の配信者のファン達がまだファス周辺に居るかもしれないので、早めに離れるために従魔に騎乗してとっとと離れることに変更した。


 一応予定だと、久しぶりのファス周辺ものんびり歩きながら東側に向かい、人が居なくなったら従魔達を出してお散歩続行の予定だったんだけどなあ。まあ仕方ないか。自分は騎乗可能な従魔がいない為、ソルメイさんのシカ太郎に一緒に乗せてもらう事にした。ソルメイさんから「シカ太郎は前より大きくなってますので、見たらびっくりしますよ!」と言われた。また、ミルミルキーさんは、コロちゃんの他にも馬の従魔がいるみたいで、そちらに乗るらしい。ミルミルキーさんいわく「最近キレイな色に進化したんです!」との事。どちらも見るのが楽しみだ。



 暫くみんなで話しながら過ごした後、掲示板などを見て、あの配信者のマルマルメロさんとファン達がファスから旅立ったのを確認したので、自分達もカフェから出た。


 先程の人混みがウソの様に閑散とした中を足早で歩き、北門へ。途中で明らかに初心者では無さそうな装備の人が「あっ、あのプレイヤーってさっきの……?」とか言っていたので、まだ残っている人もいるみたいだ。早く立ち去ろう。


 北門を出たら、ソルメイさんとミルミルキーさんが従魔を召喚した。1匹は、お久しぶりなシカ太郎。前に見た時は、鋼色の「ガードディアー」だったのだが、今は前より体色が少し黒くなり、更に身体がデカくなっていた。身体の横には、毛皮に幾何学模様の様なものが浮かび上がっているし、ツノも黒光りして如何にも硬そうだ。まるで、金属製の鹿の彫像の様だった。


「えへへ、前よりカッコよくなったでしょう? 「ガードディアー」から進化して「ガーディアンディアー」になりました!」


「ピューイ!」


 続いてもう1匹は初めて見るミルミルキーさんの従魔。馬の従魔だったのだが、今まで見た馬系モンスターや従魔とは一線を画していた。だって、馬体とたてがみが薄紫色だったのだ。目は自分と同じ琥珀色。こんな馬、初めて見たぞ?! なんだこれ!


「どうですか! 最近「マジックホース」に進化した「ポニちゃん」です!! キレイな色ですよね!」


「ヒヒーン!」


 「マジックホース」? 名前からして、魔法系に進化したのかな? 馬系モンスターは、基本的に物理攻撃が得意なため、従魔にしても物理系に進化する事が多いって掲示板にあったけど、魔法系の進化先もあるんだな。あと、名前の由来はもしかしてポニーだったからポニちゃん??


「ミルミルキーさん、ポニちゃんすごく変わりましたね! 前は風属性の「グリーンポニー」でしたよね? そのまま進化したら「グリーンホース」のはずなのに、こうなるなんて。びっくりしました! 進化おめでとうございます!」


「ソルメイさん、ありがとー! 前から川で水浴びとかが好きだったんですけど、そしたら進化先に「マジックホース」が増えてて、進化したら【水魔法】を取得したんですよ! だから今は【風魔法】と【水魔法】を使えます! コロちゃんが【土魔法】使いだから、バランスよくて良かったです!」


 へえ、やっぱり魔法系の進化だったのか。それにしても、コロちゃんもポニちゃんも後衛タイプだな。ミルミルキーさんが薙刀使いの前衛だから、従魔が後衛タイプに進化したのかな? 面白いなあ。


 和気藹々と従魔紹介をしていたが、やはり二人の従魔はそこそこ珍しいらしく(特にポニちゃん)、先程の騒動もあり、周りから注目され始めて来た。これは不味いと気づいたので、急いで騎乗して、一路ファスの東側に駆け出した。



* * *



 暫く二頭で駆けて行き、ファスの町がほとんど見えなくなり、周り一面が草原になった頃。周囲には、まったく人影も居なくなった。ファスに残っていた配信者さんのファンの人達は、こちらを追っては来ていない様だ。良かった良かった。


 そろそろ降りようかと思ったが、ソルメイさんとミルミルキーさんが楽しそうに二頭のどちらが早いのかと言いながらかけっこを始めてしまった。いくら、元がシカと馬のモンスターとはいえ、タンク系と魔法系に進化した従魔だから、どちらも俊敏はそんなに無さそうだけどなー。二人ともあんまりにも楽しそうなので、止めることも忍びない。


 まあ、今日は時間がたっぷりあるし、別に良いかなと思いつつ、ソルメイさんの後ろで揺られながら、もう暫くシカ太郎の上で乗鹿?を楽しむのだった。


 流れる風景と心地よい風を感じながら、せっかく【従魔法】スキルを取ったんだし、自分も騎乗可能な従魔をテイムしてみようかなーと考える。後で【建築】スキル取得のためにフィフローに行かなくちゃいけないしな。テイムするならどんなモンスターにしようか? 馬や鹿でも良いけど、掲示板だと鳥系モンスターからダチョウみたいなのに進化させて騎乗している人もいたっけ。



 そんな風に色々考えながら、揺られること十数分。二頭がそろそろ疲れて来たので、セーフティエリアにて降りることにした。二頭にお礼を言って、それぞれに食べ物や飲み物を与える。自分達も空腹ゲージが減っていたので、一緒にランチタイムだ。


 結構遠くまで来たなあ。周りは変わらず草原だらけだが、周囲にはファス周辺には見なかった通常スライムがちらほら居る。


「なんか、途中からかけっこに夢中になってしまってすみませんプラナさん」


「ごめんなさい、プラナさんー!」


「いやいや、大丈夫ですよ。こちらも騎乗してて楽しかったですし」


 謝る二人に大丈夫だと伝えながら、騎乗について色々と聞いてみた。以前聞いた通り、【騎乗】スキルや鞍などの道具は、騎乗可能な従魔を手に入れたら、サドンで色々揃える事ができる。騎乗については、従魔ごとに色々クセがあるみたいだ。テイマースレで一時期話題になった例のダチョウみたいな奴なんかは、スキルによる動作アシストがあっても乗りこなすのが難しいらしい。やっぱり四足歩行系の従魔の方が安定しているみたいだな。


 一休みしたら、従魔を入れ替えてお散歩開始だ! メンバーは、自分とコユキ、ソルメイさんとウサ丸、ミルミルキーさんとコロちゃんの6名フルパーティだ。昨日、コユキが初めての他の従魔にびっくりしてしまったので、それに配慮して二人とも昨日と同じメンバーにしてくれた。


 おかげでコユキは、周囲の風景には少し驚いたみたいだが、昨日仲良くなった二匹を見つけてすぐに駆け寄って行った。三匹でわちゃわちゃしているのを見て癒されつつも、セーフティエリアを出て歩き出す。


 先程聞いた通り、ファスから離れたとはいえここは初期エリア。周囲のモンスター達は自分達が手を出すまでもなく、従魔の三匹の攻撃により、ほぼほぼ一撃で倒されていた。


 三匹も互いに競い合っているのか、いつもより張り切っており、コユキが跳ね飛ぶように駆けてプチラビの喉を噛み切って倒すと、負けじとウサ丸がキックでプチスライムを粉砕する。コロちゃんもミルミルキーさんの肩の上で、周囲を見渡して近づいてきたスライムを【投擲】の一撃必殺にて弾けさせる。


 そんな三匹にモンスターは任せて、自分達はまったりとお散歩を楽しんでいた。掲示板で話題の新しい町や火山エリアに早く行きたいという話や、そろそろ秋に入るので、次のイベントはどんな催しになるんだろうという話などなど。



「次のイベントは、食欲の秋にちなんで料理コンテストとかどうでしょう?」


「わああ〜! それ、良いですね! 前はお魚祭りでしたから、今度はキノコ祭りとかお芋まつりとか? 美味しそうです〜! ジュルリ……」


「料理コンテストも楽しそうですね。あとはハロウィンが近いから、オバケイベントとかあるかもしれないですね?」


「ヒッ! オバケイベントですか?! 僕オバケとか怖いの駄目なんですよ。もし、オバケだったらどうしよう」


「もし、オバケイベントだったら、私と一緒にやりましょう! 二人だったら怖くないですよ!!」


「都合が合えば自分もご一緒できますよ。ホラー系イベントだったら、手伝います」


「お二人ともありがとうございます!」



 そんな感じで会話しながら、まったりお散歩を楽しむこと暫く。足元がちょっと下り坂になった。更に緩やかな下り坂を下っていくと、段々と草原の中に岩が増えてき始めた。


 周囲の雰囲気が変わってきたので、自由に狩りをしていた従魔達を呼び集めて、少し慎重に進んでいく。下り切った先に見えたのは、


「これって、かなり崩れてますけど柱でしょうか?」


「こっちは壁だったのかな? あっ! こっちはドアっぽい!!」


 かなり風化しているが、薄っすらと彫刻が残っている、明らかに人工物な柱や壁の残骸。そう、ここはまるで……。


「ここは、もしかして遺跡?」


 自分の呟きに目を輝かせる二人。



「遺跡?! 確かにそれっぽいですね! 凄い、まるでテレビ番組で見た探検隊みたいです! 他に何か無いですかね?!」


「遺跡探検だー!! ソルメイさん、あっちも見てみましょう!」


 一気にはしゃぎ始める二人とそれに着いていく従魔の二匹。初期エリアとはいえ、初めて見るフィールドだ。何があるかわからないと、コユキと一緒に急いでみんなの後を追う。慎重にならないといけないと考えつつも、ワクワクしている自分がいた。


 色々と見て回った結果、遺跡フィールドのモンスターは、レベル高めのスライムやプチラビで草原とあまり変わらなかった。それは残念だったが、新しい発見もあった。比較的原型を残しており、四方の壁と天井がちゃんと残っている建物。そこの壁の1箇所に文字の様なものが書き込まれた小石が埋まっている場所があったのだ。


 ソルメイさん曰く、フィフローの湖の近くにも同じような小石が地面に埋まっており、それに触れると落とし穴が空いて地下通路に行けたとの事。この小石も同じものなら、触れる事で何かが起きるはず。みんなで一箇所に固まり、顔を見合わせて、何が起こっても大丈夫なように構える。そして、小石を見つけたミルミルキーさんが代表として、小石に指を近づけていく……。


 まったりお散歩の予定だったのに、配信者さんとファンに囲まれたり、いつの間にか従魔に乗ってかけっこしたり、遺跡探検になったり、全く予定通りにいかない今日だったけど、これはこれで楽しい日になったな。さあ、これから何が起こるのか?


 ワクワクが止まらないな!



 今まで出てきた配信者達


・ポメポメ

 配信者かつ攻略勢。ヒューマン。

 ファンや配信者仲間とパーティを組む事が多い。配信動画は、いろんなゲームの攻略動画やバトル解析動画などが多い。アトオンは初期からプレイしている。


・大盛りパスタ三人前

 配信者でポメポメさんともコラボする事がある。ドワーフで筋力特化にしている。配信動画はゲームのプレイ動画の他に料理動画など。アトオンは初期からプレイしている。


・マルマルメロ

 アイドル系配信者。男性ファンが多い。現在は、ビーストマン(猫)だが、ビーストマン(兎)を目指している。配信動画は、◯◯してみた系が多い。(歌ってみた、踊ってみた、作ってみたなど)。夏の終わり頃にアトオンを始めたので、プレイヤーレベルは、まだまだ低い。


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― 新着の感想 ―
やはりリアルラック、リアルラックは全てを解決?する!!
押すなよ!絶対に押すなよ!ポチッと!
更新お疲れ様です。 マルメロジャム・・・w 一度作ってみようと思った事がありますが、あまりの固さに途中で挫折して蜂蜜漬けに変更した事が・・・ww 蜂蜜漬けにしたマルメロシロップを瓶詰にした後、残った…
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