表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
三章 青銀の出会い
45/73

42話 洞穴の中で見たもの


※2025/03/15

 一部表現について、追加・修正をいたしました。



 ――バサッバサッバサッ



 拝啓、皆様お元気でしょうか?


 自分は、現在ナニモノかに掴まれて優雅な空中散歩中です。いや、体は動かせないし、目も開かないから、優雅も何もないんだけどな。


 というか、標高の高い山の空を飛んでるから、かなり寒いはずなんだけど、不思議とあまり寒さは感じないし、風も強く感じない。何でだろうか? イベント演出だから?


 暫く運ばれるままになっていると、ドサッと何処かに着地した。そのまま、ドシドシと歩く音と揺れを感じていると、急に止まって何か柔らかいものの上に降ろされた。



「ふむ、ここなら良いかの。あとは、凍えた身体をなんとかせねばな」


 そう声がすると、フゥッと心地よい風が吹きつけた。なんだろうか?



「これなら大丈夫じゃろう。これ、お主身体を動かしてみよ」


 え? 【凍結】状態解除された?

 半信半疑で目を開けてみると、ちゃんと開ける事ができた。目に映る景色は、どこかの洞窟の中の様だった。壁に青白く光る苔の様なものが生えており、そこそこ明るい。身体も動かせる様だったので、恐る恐る起き上がる。どうやら何かの毛皮の上に寝かせられていたようだ。


 身体の調子を確かめる為に、手をグーパーグーパーをしたりする。その様子を見て安心したのか、後ろからまた声をかけられる。



「どうやら問題なさそうじゃのう。遠き同胞の子よ、何故こんな辺鄙な場所で倒れておったのじゃ?」


「えーと、それは」


 質問に答えようと後ろを振り向くと、そこに居たのは……



 薄氷が張っているような

 不思議な青銀の鱗に覆われた

 見上げる程に大きな身体


 畳まれていても尚

 キラキラと光が反射する美しい翼


 鋭い爪を備えた太い四肢


 知的なアイスブルーの瞳


 氷柱の様な角の生えた凛々しい顔


 そう。ファンタジーの代名詞()()()()だった!!






「ド、ド、ドラゴン??!」


 驚愕して、思わず起こした身体が崩れかかる。ドラゴン?! いきなりラスボス?? ど、どうすれば? いや、さっき話しかけて来たのは、このドラゴン? 喋るモンスターなんて居たっけ??



「ホッホッホッ。その様な驚いた反応を見るのも久しぶりじゃのう。その通り、我は創生神ピーリア様より、この山の守護を任されし聖竜。グランアイスドラゴンのフリージアと申す。して、お主の名は? どうして、こんな所に参ったのじゃ?」


 創生神ピーリア様から守護を任せられた? 聖竜? いや、聖竜なのにアイスドラゴンなのか?? 色々と新情報が多すぎて混乱したが、ここで答えが遅くなって不興を買ったら、どうなるか分からなかったので、先ずは質問に回答する事にした。



「フリージア様。助けていただきありがとうございます。自分の名前はプラナと申します。この山には、種族特性の弱点克服のための修行にやって来ました!」


 そう答えると、フリージア様は目を丸くして驚いた表情になったかと思うと、カラカラと笑いだした。


「フハハッ! なんとまあ、恐れ知らずな小僧じゃ! この極寒の環境下で、通常のリザードマンは動くことすらままならぬというのに。それを分かっていながら、修行のためにやって来たと? ハハハッ!」



 大きな笑い声が洞窟内に反響する。そんなに可笑しかっただろうか? 弱点克服したいなんて、普通の考えだと思うんだが?? それより、ちょっと気になる言葉があったな。「()()()()()()()()()は動くことすらままならぬ」だって? つまり、通常じゃないリザードマンをこの方は知っている?


「あのう、もしかして通常以外のリザードマンの人達を知っておられたりしますでしょうか?」



 つい、尋ねてしまうと、フリージア様はビクッと笑うのを止めて、打って変わった真剣な顔でこちらを向いた。


「……そうじゃな。ここに其方が来たのも何かの縁じゃ。あの子等について、聞きたいのならば教えよう。じゃが、百聞は一見にしかず、先ずは見たほうが早かろう。着いてこよ」



 フリージア様は、そう言うと洞窟の奥の方に歩いて行ってしまう。自分も急いで立ち上がり、後をついていく。


 少し奥へ進んだ先に、何やら朽ちかけた丸太の大きな門が現れた。かなりボロボロになっており、門を開けなくても空いた穴から人ひとり位なら入れそうだ。


「ほんに、月日が経つのは早いものじゃ。この門も、もう門としての体をなしておらんのう。ほれ、この先じゃ」


 ボロボロの門をフリージア様が、その巨体でこじ開ける。ゴゴゴと音がして開いた門の間を、またドシドシと進んでいく。その後ろから、恐る恐る自分も入ってみると、そこに広がっていたのは……。



 急に開けた広い空間に、あちこち青白く光る苔と光を反射する水晶群。そんな神秘的な光景の中、あたりの景色に似合わず並び立つボロボロの家々だった。


 思わず立ち尽くす自分に、フリージア様が寂しそうな声で語りかけてくる。


「ここは、我が加護を授けし種族、フロストリザードマンの子等が住んでいた里よ。じゃが、ここが里だったのは遠い昔の話。今はもう誰も居らぬ、ただの廃墟よ……」



 Oh……。初めて見つけた隠れ里が、既に滅んでたよ。なんてこったい!

/(^o^)\





 暫く呆けてしまったが、気を取り直して、この里について色々と聞いてみた。フリージア様は、廃墟内をゆっくり歩きながら、自分の質問に答えてくれた。


 フリージア様は、元々一人を好んでおり、他の聖竜や聖獣達が地に生きる人々に加護を与えて眷属とし、その眷属の種族達と共に生きていた中で一人、眷属を作らずこの山で暮らしていたそうな。(他にも聖竜や聖獣って居るのか?!)


 しかし、ある日のこと。自分が倒れていた所と同じ雪フィールドの境目辺りに、十数名のリザードマン達がやって来た。その気配を感じたフリージア様は、リザードマン達の前に現れ、この先はリザードマンには厳しい環境だから、帰るように促した。


 だが、彼らは帰れないと言ったそうだ。どうやらその時、地上ではかなり大きい争いが起こっており、彼らは必死に逃げて来ていたのだ。下山したら、直ぐに敵にやられて全滅してしまう。だから、厳しくともこの先に行かせてほしいと嘆願する彼らに、フリージア様は同情し、種族的にフリージア様の加護が与えやすかった事もあったので、彼らに加護を与えて、自らの眷属であるフロストリザードマンとした。


 そして、フロストリザードマンになった事で寒さに耐性がついた彼らを、フリージア様が度々昼寝場所にしていたこの洞窟に案内し、住む事を許したのだそうだ。


 それから、彼らは細々と洞窟内で繁栄していき、遂には創生神ピーリア様から祝福の証である()()()()も授かり、正式に里として成り立つまでに至ったとのこと。(ポータルって、ピーリア様から授かってたの?!)


 喜ぶ彼らを見て、いつの間にか一人を好むフリージア様も、彼らと一緒に居る時間を愛おしく思うようになっていった。そんな自身の気持ちの変化をフリージア様は、我が事ながらびっくりしていたらしい。



 そんなまったりとした幸せな日々が崩れたのは急な事だった。ある日、いつものように里に顔を出したフリージア様だったが、里の人々がひどく慌てていることに驚き、話を聞いた。すると、狩りに出た里の戦士達がいつまで経っても帰って来ないこと。更に、様子を見に行った若者達も揃って帰って来ていないことを聞いたのだ。


 話を聞いて、嫌な予感がしたフリージア様が急いで周囲を探した所、山の守護を担っていたフリージア様が気づかないくらい巧妙に隠れていた、この山に居るはずのない強大な力を持つモンスターを見つけた。


 モンスターの周りに散らばる、壊れた里の者達の装備や武器。このモンスターが里の者達を襲った犯人だと知ったフリージア様は、今まで感じたことのない強い怒りに駆られて戦った。聖竜であるフリージア様の力を持ってしても、かなり手こずったが、なんとか倒せたらしい。



 だが、里が受けたダメージは大きかった。


 元々そう大きくない里の中、狩りや力仕事に秀でた戦士や若者がごそっと居なくなったのだ。フリージア様が出来るだけ支援したが、里の人口はゆっくりと減っていき、遂には人っ子ひとり居なくなってしまった……。



「そして、ピーリア様より授かったポータルも、今ではあの通りじゃ。あの頃の輝きはもう無く、祝福の光によってモンスターの1匹も出なかった里の中には、ほれ、あの通り「アイススライム」などが、あちこちに出るようになった。……里ができる前に戻ったのよ。あのポータルも、もうすぐ崩れ去るじゃろう」


 話しながら静かな廃墟の大通りを一緒に歩き、里の真ん中より少し奥までやってくると、そこにあったのは見慣れた大きい水晶玉。確かに形はポータルだ。だけど、薄青く光っていた町のポータルと違い、このポータルは色を失い灰色で埃をかぶっている。更に、フリージア様が爪でさし示した先の崩れた壁の所には、青白いスライム。


 ……ポータルって、転移装置なだけじゃ無くて、モンスターを出なくする効果もあったんだなあ。というか、ポータルがあるのに、里に入った時にポータル登録のポップアップも出ないし、初到達者が獲得出来ると言われている到達者称号も表示されない。


 本当に此処は、廃里になっているんだな。


 そう、しみじみと思いながら、なんとなく灰色の少しひび割れたポータルに手を触れる。



  ――ポゥ



 ん? なんか、触れたとこが光って……。
























  ――ピッカーン!!!



『おめでとうございます! 消えかけたポータルに希望の灯をともしました! 称号「希望の灯を点けし者」を取得しました』


『おめでとうございます! プレイヤー内で、初めてポータルに希望の灯をつける事が出来ましたので、称号「可能性の開拓者」を取得しました』


『おめでとうございます! 隠れ里「フロストリザードマンの里」に、プレイヤー内で初めて辿り着きました! 称号「里への到達者 (フロストリザードマン)」を取得しました』


『おめでとうございます! 隠れ里「フロストリザードマンの里」に辿り着きました! 里のポータルを登録致します』




 ひえっ?! 何、このポップアップラッシュ??! (@_@)? というか眩しい!!



 やっとプロローグのフリージア様を出せました! 長かった……!!


 本小説を書くにあたり、一番最初に思いついたシーンが、この隠れ里発見でした。小説を書くのって本当に難しいですね。


 この後も頑張って新章を書いていきたいと思います。宜しくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
遂に冒頭のフリージア様に会えましたね! 凍死寸前まで頑張って良かった良かった。
称号を一気に三つもゲットして、ポータルを復活させて登録もできたのすごいw 更に「ポータルは創生神ピーリア様から授かる」という設定と、「ポータルがあると魔物を排除する効果がある」という設定についてもわ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ