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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
二章 山を求めて、えんやこら
40/73

39話 山登りは続くよ、どこまでも


 霧の中で「ミスト」の群れにフルボッコにされてから数日が経った。これまでに分かった事としては以下だ。



 ①霧の出るタイミングはランダム。

 ②霧の中は、視界が悪く体温が徐々に低下する。

 ③霧の中は、必ず「ミスト」がいる

 ④「ミスト」は群をなしており、物理攻撃はぼぼ効かない。また【水魔法】も効きにくい。

 ⑤「ミスト」に掴まれると、体温が奪われる。

 ⑥霧は、時間経過で晴れる。



 「ミスト」の群れにソロで戦うのは、多勢に無勢。


 また、自分の種族であるリザードマンが、寒さに弱い=体温低下しやすい事を鑑みても、霧の中で行動するのは無謀だと分かった。


 ならば霧が出ている時は、霧を避けて山の斜面を登ろうと思ったのだが、山を登れば登るほど敵が強くなっており、ロープのおかげで下まで滑り落ちはしないものの、足場の悪い斜面で強くなったモンスターを相手にするのは厳しく、高確率で死に戻りするようになってしまった。


 そのため、現時点での最適な山登り方法としては、基本的に山道を進み、霧が出たら霧の範囲外で霧が晴れるまでひたすら待って、晴れたらまた山道を進むというやり方になる。正に急がば回れという奴だ。



 霧の外でずっとそのまま待っているのも暇なので、何か良い暇潰し方法はないかメンマさんに聞いた所、何故か編み針と毛糸をトレードで提示された。


 これから雪山地帯に入るんなら、毛糸でマフラーなどの防寒グッズを作っておけば、役に立つのではないかとの事だ。


 なるほど! 確かに耐性をつけるには、状態異常になってから、状態異常を直してを繰り返さないといけないからな。体温を戻すために防寒グッズは必要そうだ。メンマさんにお礼を言ってトレードしてもらったよ。


 貰った毛糸は、真っ白なものと淡い黄色と淡い朱色の3玉だ。先ずはお試しという事で、このくらいにした。色が淡めなのは、現在染料については研究中らしく、貰った毛糸も草木染めの試作品らしい。道理で安いと思った。


 メンマさんから簡単な編み方についてメールを貰い、リアルでも編み方動画などを見つつ、霧が晴れるまでの間にセーフティエリアなどで少しずつ編んでみる。昔の家庭科の成績は3だったんだが、上手くできるかな?



 そんな感じで、ゆっくりまったり山を登って数週間。


 山を登って行くと、周りの風景がどんどん変わるのが面白い。下の方だと、葉っぱが平たい広葉樹?みたいな木だったのに、上に行くと針みたいな葉っぱの針葉樹になって行く。


 今の歩いている所なんか、もう針葉樹も殆どなくて、腰より低い木と草しかなくなった。


 こういうのなんて言うんだっけな? 森林限界? 昔、地理とかで習った事が実際に目に見えて体感できるのは本当に面白い。リアルだったら色々装備を整えて、休みを調整して、時間とお金をかけて登山して、ってやらなきゃいけないけど、ゲームだったら比較的簡単に擬似体験できるのは良いよなあ。



 ちなみに採取でも色々目新しいものが採れている。コケモモみたいな『カウカウベリー』、ゼンマイみたいな『ぐるぐる草』、水色のブルーベリーみたいな『アザーベリー』。あと、黄色くて小さいユリみたいな花の『キラキラデイリリー』。


 『キラキラデイリリー』は、触れるとキラキラと光の粒子が散る面白い花だ。しかも食料アイテムとして、何故か蕾が採れる。気になって調べたら、リアルでもデイリリーという花があり、若芽や蕾が食べれるらしい。


 蕾や花を食べるとかそんなのあるんだなと思っていたら、食用花というのは結構あって、スミレやバラの砂糖漬けや菊のおひたしなどがあるらしい。そんな物が有るなんて、全然知らなかったよ。



 そんな感じでモンスターに襲われる以外はまったりと山登りを楽しんでいるんだが、掲示板を覗くと他の所では色々大変な事になっていた。


 まずフィフローでは、鉱山内に入り組んだ坑道ダンジョン的なものが元々あったらしいんだが、湖の近くにあるただの短い地下通路だと思われていた所に、更に地下への入り口が見つかり、そこもダンジョンみたいになっているらしい。


 しかも、その地下通路ダンジョンには、アンデッドが出て【闇魔法】らしき魔法やら、『闇水晶の欠片』やら、色々新発見が盛りだくさんとの事。


 その為、今ではフィフローには鉱山&坑道ダンジョン目当て、または、湖&地下通路ダンジョン目当てで多くの人が押し寄せているらしい。


 この新ダンジョンを発見した人は凄いな!



 それから、ファーレンのエリアボスがいるという断崖絶壁。


 ここをエリアボススルーが出来ないか検証するため、検証スレの人が断崖を自作したパラシュート的なものを使って降りたところ、下に「リリパット」の隠れ里を見つけたとの事。


 リリパットはドワーフの派生種族になるらしく、名前の通り小人族。器用力がかなり高くなる代わりに、身長が子供くらいになり、筋力とHPがガクンッと下がる。生産プレイヤー向けらしいが、身長がそんなに変わったら、歩くのさえ難しいんじゃないだろうか? 動作補正とか入るのかな?


 ちなみにエリアボスも攻略勢が頑張っており、もう少しで倒せる見込みもついているらしい。エリアボスと戦う場所は、足場がとても揺れる吊り橋の上だって聞いていたが、どうやってそんな場所で空飛ぶ大きなコンドル相手に戦っているのか、想像もつかない。


 まあ、攻略勢だからな。何かしら対策があるんだろう。エリアボスを倒せたら、6つ目の町ももうすぐか。


 こちらも、新隠れ里にエリアボスクリア間近という事で、活気付いているとのこと。



 そうそう、例の砂漠のサンドリザードマンの隠れ里についても、お散歩スレのリザードマンさんが近々転生出来そうだと書き込みがあった。


 なんでも、転生の儀を行うためには、ギルド出張所のクエストだけでなく、里の住人NPCのお手伝いクエストをやって好感度を上げなくてはいけないらしい。一定以上好感度を上げると、里長から試練クエストを出されて、それをクリアすると儀式を受けられるという寸法。


 派生種族の場合、自分の種族が隠れ里の種族に近い種族だと上げなくてはいけない好感度のラインや試練クエストの難易度などが緩和するらしい。


 お散歩スレのリザードマンさんは、里のお手伝いクエストにて、雨乞いの儀式に使う里のオアシス以外の水の調達という納品系クエストがあったらしく。そこで、例の『水入り水筒(ザッハの精霊泉の水)』を納品したところ、一気に好感度が爆上がりして、早い段階で試練クエストを受けられたとのこと。


 精霊泉の水、凄いな。


 ただ、試練クエストに結構苦戦しているらしい。頑張れリザードマンさん!



 さてさて、霧も晴れたことだし、また山登りを再開しますか。ここまでくると、霧がなくても肌寒い。


 雪を見るまではちゃんと登りたいと思っているので、寒さ防止になんとか形になった毛糸のマフラーとアームウォーマーに腹巻きの三点セットを着けて、レッツゴー!


 あっ、出たな! 耳が羽根みたいになってるデカい山猫こと「ウインドリンクス」! この前は遅れをとったが、今度はそうはいかないぞ! 


「くらえっ!」


 これぞ秘策! 源三郎さんからトレードしてもらった、レモンっぽい果物の汁を詰めたレモモン玉だ! しかもアーツの【散弾投擲】で、複数個を一気にばら撒く!


「ふふふ、目潰ししてしまえば、あの素早い動きも、風を纏った爪攻撃も怖くないぞ! って、避けられたぁ?!」


 え? あの量を全部避けるのか?

 そ、それは想定外〜!



「フミャア!!」


 ――ザシュッ!



 爪攻撃によって、ガッツリ減らされたHPと、無惨にも切り裂かれた毛糸の腹巻き。


 あああ! 作るのに一週間も掛かった力作の腹巻きが! くそっ、許さないぞ、このデカにゃんこ!!



 まだまだ山登りは終わらない!



・プラナの作った防寒グッズ


 『素朴な毛糸のもこもこマフラー』

 『素朴な毛糸のもこもこアームウォーマー』

 『素朴な毛糸のもこもこ腹巻き』


 草木染めの毛糸で編まれた、もこもこな装備。毛糸が無くなるたびに追加購入して継ぎ足ししたため、バラバラな色合いになっているが、それが良い感じの雰囲気を出している。所々編み目が怪しいのはご愛嬌。


 防御力や耐久性は低いが、防寒効果がある。一つ一つは「氷属性耐性(微)」だけど、3点セットで着けると「氷属性耐性(小)」になる。


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― 新着の感想 ―
襟巻きトカゲ、腹巻きトカゲ、、、 なんかおもしろ称号が付きそう
マイペースに色々やらかす お散歩勢が面白い。 主人公も登山頑張ってまたお散歩スレに爆弾投下してね!
あちこちの水を探し歩いてレベルアップしてる想定なんじゃね〈砂漠の試練に苦戦中
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