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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
二章 山を求めて、えんやこら
31/73

30話 リズムに乗って


 今日は土曜日! 午前中からゲーム三昧出来るぞ! 明日はいよいよイベントのレイドバトルが待っているから、まったり釣りが出来るのは今日までだ。


 ついでにフリボや出店で、イベント用に防具や道具を見繕っておこう。武器はこの前、源三郎さんから買えたからな! 他を揃えないと。


 それではさっそくログイン!



* * *



 ログインしたら、直ぐにイベントエリアに飛んできた。休日だからか、結構人が多いなー。


 一応通常フィールドと同じく、混雑防止のためにチャンネル分けはされてるはずなんだけどな。明日はレイドバトルだし、通常のポイント稼ぎの追い込みをみんなしてるのかな?


 おや? ゲーム内メールが来た。誰からだろう? ……ソルメイさんからだ! 「いま、イベントエリアに居るので、もし良かったら一緒に遊びませんか。こちらは、僕ともう1人テイマー仲間が居ます。大丈夫でしたら、是非!」だって?


 そういえば、ソルメイさんとはイベント初日に会って以来、中々ログイン時間が合わなくて、遊べてないな。


 一緒に居るテイマー仲間さんは、ちょっと気になるけど、あっちが大丈夫なら、一緒に遊びたいな。えっと、メール返信で「はい。ソルメイさん達が大丈夫でしたら、是非お願いします! 集合場所はどうしましょうか?」っと。



 メールを幾つかやり取りした結果、ソルメイさん達とは、チャンネルが違うイベントエリアに居るみたいだったので、自分がソルメイさん達の居るチャンネルに赴く事になった。


 一度、通常フィールドに戻って、メニューのイベント項目、イベントエリアのオプションで、選択したフレンドと同じチャンネルにして……これで大丈夫かな? よし! 再度イベントエリアへ!



 無事にイベントポータル前でソルメイさん達と合流した。ソルメイさんと一緒にいたテイマー仲間さんは、ソルメイさんと同じくらいの小さめの背丈の女性アバターで、肩には茶色いリスが一匹、そして……頭にはぴょこんと長い茶色いウサギ耳!!


「こんにちは! 初めまして「ミルミルキー」と言います! この前、やっとバニーに転生できました!! 肩の子は、パートナーの「コロちゃん」です!」

 

 バニー?? ビーストマン(兎)の事か? 隠れ里が見つかって暫く経ったけど、遂に転生の儀を受けられた人が出たのか!


 それに「コロちゃん」? どこかで見た様な。あっ! お散歩スレに書き込んでた人かな?



「初めまして、プラナです。転生されたんですね、驚きました。あと、不躾ですが、もしかしてお散歩スレにコメントされてませんでした? コロちゃんの名前に見覚えがあって」


「はい! お散歩スレには、よくコメントさせてもらってます! 今日はよろしくお願いします、プラナさん。」


「きゅきゅ!」


 ミルミルキーさんがお辞儀したのに合わせて、肩のコロちゃんもお辞儀していた。なんだか微笑ましいな。



 互いに挨拶が終わったら、ソルメイさんとミルミルキーさん、従魔達と一緒に船着場に向かう。やはり派生種族が珍しいのか、船着場に着くまで、周りからの視線が凄かった。ミルミルキーさんは気にしてないみたいだな、大物になりそうだ。


 ざわざわと遠巻きに見られる中、船着場に着いたので、サッサと船をレンタルして、沖に出てしまおうと思う。この視線の中は落ち着かない。


 そう考えながらパーティを組んで、みんなで船に乗り込んだ。(船上はそんなに広くないため、今回はシカ太郎はお留守番。パーティ編成は自分と、ソルメイさん、ウサ丸、ハナ子、ミルミルキーさん、コロちゃん、の6名だ)



「ではでは、しゅっぱぁーつ!!」

「きゅう!」


 お揃いで腕を挙げて、出航の掛け声を出すミルミルキーさんとコロちゃん。元気だなぁ。



「え、えっと、出発ー!」(わさっ)

「キュッ」


 こちらはちょっと恥ずかしそうに、同じく腕を上げて、声を出すソルメイさん。腕に巻きついたハナ子も、手?に当たるであろう葉っぱを上にかざしてるから、真似してるのかな?


 ウサ丸は、船首に行って前方を偵察してる。流石は、従魔の中の最年長。


 うーん、みんなそれぞれ個性が出てるなあ。



* * *



 海に出て、暫くみんなで釣りを楽しんだ。メンマさん達と行った沖の中程辺りでやっていたのだが、このパーティでも問題なく戦えた。


 ミルミルキーさんは、なんと薙刀使い! 中距離からバッサバッサと敵を切り倒していた。(武器スキル的には【剣術】と【槍術】がどちらも使えるらしい)


 コロちゃんも、離れた場所から【投擲】でドングリを投げまくっていた。偶に相手の目玉や口にクリーヒットしているのが見えて、ヒェッとなった。

 

 ソルメイさんは、前は【水魔法】のみだったんだが、今は【火魔法】も使えるようになっていた。残念ながら、どちらもシーフェスモンスターには効きにくいが、攻撃手段が増えるのは良い事だ。


 ウサ丸は、進化して空中ジャンプ出来るようになっているとは聞いていたが、実際に見てみるとその機動は凄まじかった。同じスピード型前衛として、思わずウサ丸先輩と呼びそうになってしまった。


 ハナ子は、ずっとソルメイさんの腕に絡んだままだったが、なんと回復を使ってくれるヒーラーだった。何のスキルかは分からないが、前衛組のHPが危うくなるとすかさず回復が飛んできてありがたかった。(まだレベルが低いせいか、回復量は多くなかったが、それはご愛嬌)



 何戦かした後、ここの敵も慣れてきたので、もう少し沖合に行ってみようということになった。


 ミルミルキーさんが、運転席にて地図上の真ん中よりちょっと上、右奥辺りをタップする。船が再び動き出し、潮風を頬に感じながら目的地へと向かう。


 ……相変わらず、ウサ丸が船首にいるけど、落ちないのかな? 大丈夫なんだろうか?



 少し海の色が濃くなった感じの場所で船は止まった。再度みんなで釣り糸を垂らす。


 ここでは、何が釣れるんだろうか。確か掲示板では外洋に行くほど、強く、デカく、美味しい魚が取れるらしい。総合掲示板では、マグロやカジキなどの写真が上げられていた。


 マグロが獲れたら、是非お刺身にして、みんなで食べたいな。



 そう考えていると、ミルミルキーさんに当たりが来たようだ。中々の大物らしく、引きずられそうになっている。大変だ! 助けに行かないと!


 ソルメイさんも同じように思ったらしく、一緒になってミルミルキーさんを手伝い、竿を引く。


「うぎぎぎぎ! おーもーいー!!」


「頑張って下さい、ミルミルキーさん! うんしょ! うんしょ!」(ぎゅー)


「ソルメイさん、ミルミルキーさん、タイミングを合わせて、引きましょう。いきますよ、せーの!」


「きゅきゅー!」「キュイキュイ!」


 従魔達も一緒になって、みんなで竿を引く。まるで「大きなカブ」みたいだ。ここは海上だけど。



 ――バッシャーン!!



 派手な水飛沫を上げて釣り上げられた、大きな魚。その形は、平たく短い身体、長めの背びれ。これは……


「マ、マンボウ??」


「何かスカートみたいなの履いてますよ! 可愛いー!!」


「今までのシーフェスモンスターと、ちょっと感じが違うような……?」



 釣り上げられた大きなマンボウは、今まで見てきたシーフェスモンスターと違って、かなりデフォルメされた感じだった。更には尾びれ側にカラフルなひらひらのスカート?の様なものも付けている。


 糸を自分で外して、バトルモードに入ったマンボウ。すると、何処からか青いマラカス?を取り出して胸びれに持った。(え? ヒレで物を持てるのか?)


 そして、おもむろに踊り出した!



 ずんちゃ ずんちゃ

 マンボウ! マンボウ!!



 「マンボウ!」って鳴き声?! 唖然として全員でつい、踊りを見守ってしまうと、マンボウの背後から何かが飛び出してきた!


 何と、釣ってもいないのに複数の魚が水を纏ったバトルモードで出てきたのだ。あれは、カツオとサーモンと、一際大きいのはマグロか?! お正月の初競りニュースとかで見る奴!!



「全員、戦闘体制! マンボウを止めないと不味い!!」


 我に返って、みんなに呼びかける。あのマンボウの踊り、他の魚を呼んだ後も踊り続けている。なんか嫌な予感がするぞ!?



「は、はい! いくよ、コロちゃん!」

「きゅう!」


「僕たちは、周りの魚を担当します! ウサ丸、あの鮭に攻撃!!」

「キュッ!」



 それぞれ、武器を構えて魚達に向かっていく。ミルミルキーさんとコロちゃんがマンボウに攻撃しようとしたが、マグロが庇う様に前に出てきて、防がれてしまった。



 ――マンボウ! シャン!!



 また、マンボウが声を出して、決めポーズを取ると、魚達に赤いオーラが灯る。嫌な予感が当たった! あのマンボウ、仲間を召喚するだけじゃなくて、バッファーか!


 カツオとサーモンは、ソルメイさん達。マグロは、ミルミルキーさん達が対峙している。つまり、自分がマンボウを止めるしか無いんだが、位置取り的にマンボウに近づこうとすると、マグロのヘイトがこっちにきそうなんだよな。


 どうするか……。考えている間にも、マンボウが次の踊りを踊ろうとしている! あーもう! 考え込んでいる場合じゃないか!? やるしかない!



「ミルミルキーさん、ちょっと一瞬失礼します!」


 そう言って、マグロと睨み合いをしているミルミルキーさんを追い越し、マグロの前でジャンプ!


 マグロの頭と背びれの間あたりを蹴って、更に前へジャンプ! ウサ丸みたいにはいかないが、なんちゃって空中ジャンプだ!


 上手く、マンボウに近づくことが出来た! 食らえ【ダブルインパクト】!!



 両手の短剣を勢いよく、マンボウの頭上から叩きつける。【剣術】スキルの【インパクトアタック】アーツの双剣版、【ダブルインパクト】だ。今、装備しているのは、この前出店で再会した源三郎さんから買った、イベント素材を使った特効付き短剣だ! それなりに効くはず!


 ぐらりと揺らいだマンボウ。しかし、すぐに体勢を立て直して、こちらを睨んで?くる。一瞬しか、体勢を崩せなかったか! でも、踊りは止まったな!



 その後、何度かマンボウに切りかかったが、マンボウは【水魔法】を使ってこちらを妨害し、更にマグロやサーモンが、他のメンバーの攻撃を避けて自分に向かってきて、攻撃をマンボウから逸らすなど、明らかにマンボウを守る行動を取ってきたりした。


 その度に踊りで他の魚にバフをかけられ、戦いは長丁場となった。


 他の魚を全部倒すと、今度はマンボウが自分にバフをかけて突っ込んでくるなど、予想外の攻撃もあり、パーティが瓦解しそうになったが、なんとか持ち堪えた。


 最後は、ウサ丸のなんか凄いエフェクトが掛かったドロップキックが決まり、やっとマンボウに勝つ事が出来た。



 全員、ボロボロになったため、釣りは切り上げて船着場に戻る事にしたよ。


 ちなみに、戦いに夢中で自分は確認するヒマがなかったが、あのマンボウの名前は「シーフェスマンボ・マンボ」だったとの事。名前からして、他のシーフェスモンスターと違ったんだな。


 ドロップ品は『シーフェスコイン』。素材として使う事は出来ないが、イベント終了時の所持イベントアイテムがポイントに変換される際、このコインは他のイベントアイテムより、多めにポイントが貰えるらしい。


 掲示板で調べたら、遭遇率が稀なレアモンスターだったみたいなんだが、みんな嬉しいというより、疲れてぐったり感が強かった……。



 浜辺で少し休憩した後は、海の家でイベント用ビーチボールを購入し、砂浜でビーチバレーもやってみた。


 シカ太郎も呼んで、ソルメイさんチーム VS ミルミルキーさん達&自分のチームで対戦だ。空中ジャンプをするウサ丸が強敵だったが、ミルミルキーさんと自分を足場にしてコロちゃんが大活躍をし、ゲームは五分五分で白熱した。


 最後あたりは、何故か周りにギャラリーまで出来ていて、ちょっと恥ずかしかったな。



 一通り遊んで、みんなと解散した。ちなみに、ミルミルキーさんともフレンドになったぞ! 源三郎さんといい、ミルミルキーさんといい、短期間で2人もフレンドが! やったね!


 ウキウキしながら上機嫌でログアウトして、眠りについた。そして、次の日の朝、目覚めた時に思い出す。


 ……あっ! 今日のレイドボス用のイベント防具や道具を揃えるの忘れてた!




・シーフェスマンボ・マンボ


 イベント海フィールドの海域全体で、稀に現れるレアモンスター。現れた場所によって強さは異なるが、基本的に出現時に何匹かの他の魚を召喚し、その後バフをかける行動は同じ。


 主人公は、あまりリアルラックは高く無いのですが、レアモンスターと会えたのは何故なのでしょうかね? (どこぞのバニー「マンボウ可愛かった!」)


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ウーーーーーマンボゥ!?(例のポーズ)
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