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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
二章 山を求めて、えんやこら
23/73

22話 草原を駆け抜けて


 月曜日の夜。仕事がやっと終わったので、帰宅して、風呂に入って、夕飯を食べて……。


 いざ! アトオンの世界へ!



* * *



 やって来ました。サドンの北門。


 この辺りは、ファスと同じで草原が広がっている。掲示板によると、二つに分かれた街道の内、北東方面には湿地帯があるらしいが、自分が進むのはそっちじゃない。


 カフェのマスター曰く、ここからひたすら東だったな? えっと、スクロールは使い済み、消費アイテム補充済み、武具は修理済み、採集道具系も一通りあるっと!


 準備は万端! 出発だ!



「うぉおおお!!!」


 自分は今、全速力で走っている。何故なら、背後に怒り狂った「ワイルドポニー」3体が追いかけて来ているからだ。


 いや、油断していた訳ではないんだ!


 門から出て暫くは、自分なりに慎重に進んでいたぞ? 出来るだけ複数体とエンカウントしない様に、【遠見】も活用していたしな。


 ただ、途中で【水魔法】のスキルレベルが上がって、新アーツ【ウォーターレイン】を覚えたから、試したくなったんだよ。


 それで、丁度一体で寝っ転がってた「ワイルドポニー」を見つけたから、気づかれない様こっそり近づいて使ったら、予想以上に攻撃範囲が大きかったんだ。(【ウォーターレイン】は、範囲魔法だった)


 そしたら、近くの茂みに他にもポニーがいたみたいで……こうなりました。


 【遠見】だけじゃなくて、【気配察知】も使うべきだった! まだ、見通しが良いフィールドだから、大丈夫だと思ってた!


 一気にポニー3体は無理!!


 ということで、現在セーフティエリアに向けてダッシュ中です。自分の勘だと、この辺に多分あるはず! ファスの草原と同じ間隔なら!!


 あっ、あの岩場の辺り! 草が無い! セーフティエリアに違いない! 駆け込めぇええ!!



* * *



 はぁはぁはぁ。


 何とか助かった。ポニーだとは言え、流石馬だ。スピード重視の自分の全力疾走でも、追いつかれそうになった。


 いや、逆に自分がよく逃げ切れたな? 最初に奇襲成功してたからか?


 とりあえず、セーフティエリアでちょっと休憩しよう。料理は疲れたからまた今度、どんぐりクッキーと水筒を出してっと。


 ゆったりと流れる雲を眺めながら。爽やかな風を感じて休憩をしていると、先程の逃走劇がまるでウソのようだ……。


 そんな感じでまったりしていると、別のパーティがセーフティエリアに入って来た。つい、どんな人達だろうかと顔を見てみると、1人だけ見知った顔が。



「あれ? もしかして、春巻さんですか?」


「ん? えっと、ああ! ラージスライムの時の! 確かプラナさん。」


「はい。お久しぶりです。」


 出会ったのは、最初のエリアボス「ラージスライム」戦で一緒だった、ビーストマン(犬)の槍使い、ハセガワ春巻さんだ。本当に久しぶりだな。



「いやー、久しぶりだなあ。プラナさんもレベル上げです? それとも馬目当てで?」


「えっとまあ、レベル上げも兼ねてフィールドを見て回ってます。馬目当てっていうのは?」


 山に向かっている事は秘密だ。お散歩スレの書き込みを特定されたく無いし、年中雪が降っている山が有るという情報も暫くは広めたく無い。



「馬目当てっていうのは、この辺りの「ワイルドポニー」のテイム目当てという事だな。ほら、サドンの先ってかなり長いって聞くだろ? だから、今までみたいに徒歩だと時間がかかり過ぎるから、騎乗モンスをテイムしようって流行ってるんだ。ちなみに俺達も馬目当てだ!」


「へぇ〜。今、そんな事が言われてるんですね。あれ? 騎乗可能なモンスターなら「フォレストディアー」もいるんじゃないですっけ? あっちの方がレベルも低いですし、テイムしやすいのでは?」


 ソルメイさんのシカ太郎に、実際乗せて貰った事があるからな。鹿も騎乗可能なハズだ。



「あー、鹿はなぁ。ちょっと癖があってな。【騎乗】スキル有りでも乗りこなすのが難しいんだよ。あと、角が邪魔で、前が見にくいのもあるしな。」


 ……なるほど。あの時は、確かに並足?でも、かなりグラグラした。あれは、自分がスキルを持っていないせいだと思っていたが違ったのか。


 それから春巻さんと情報共有がてら、色々話せたよ。ちなみに、春巻さんのパーティは全員春巻さんのフレンド(しかも、ゲーム内で初めて会った同士)らしく、春巻さんのコミュ力の高さに驚いた。


 これはもしや、自分ともフレンドになってくれるかもしれないと思ったが、タイミング悪く、近くにポニーが居るのをパーティメンバーが発見してしまい、春巻さん達は行ってしまった。残念。


 さてと、自分もそろそろ休憩を終了して、出発しないとな。まだまだ草原地帯は続きそうだ。頑張ろう。



* * *



 それから現実時間で数日の時間をかけ、ひたすらに東へ進んで行った。


 その間、掲示板から得た情報によると、セカドの森で初めて隠れ里が見つかった事から、サドンまでのフィールド内に、他の隠れ里があるんじゃないかと、多くの人が探し回っているとの事。


 サドンの先も、高レベルプレイヤー達が街道沿いの攻略を進めているらしい。北東側の湿地帯は、地形の性質上、リザードマン以外の種族にデバフがかかるらしく、攻略は中々進んでいない。逆に北西側は、ずっと草原のため進捗が早く、遂にエリアボスらしき敵が発見されたらしい。ただ、まだ討伐には至っていないとの事。


 ちなみに【隠密】スキルについては、ちらほら取得者が現れており、自分が持っているとバレても大丈夫そうになっていた。良かった、良かった。(ただ、大半が忍者?なのが解せない)


 後は、いつものお散歩スレだが、ポニーをテイムしたであろう人が、草原地帯を爆走して「お散歩最高!」と書き込みしていたのが印象的だった。それは、散歩なのか???




 そして今、自分の目の前には、やっと草原の切れ目があった。エリアボスらしきモンスターは見えなかったので、どうやら別の場所に居るらしい。


 エリアボスを倒さなくても、エリア自体を超えられる事はお散歩スレで知っているので、エリア超えは大丈夫なのだが、この先に進むのはちょっと躊躇われた。


 いや、だってさ、どう見てもこれ……。


 目の前にはまるで熱帯地域に有るようなでっかい木々やら蔦やらが鬱蒼と生え、カラフルな鳥が飛び回り、偶に叫び声?が聞こえる、密林?樹海?が横たわっていた……。


「山は何処?!! Σ(゜д゜lll)」



 大丈夫、ここまでの道のりは合ってます。


 別に草原の次が直ぐ山なんて、マスターは、言ってないですしおすし。


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