シーン39悲劇。
『ふぅ…………お姉ちゃん達………ありがとう。』
そう声を上げてにこりと笑みを浮かべた『ジャバリ』君。
『いえいえ……あんなおかしな奴ら許せないもんね?それに………………。』
私が目を向けた先には袋から這い出してきた女の子の姿があったの……お友達に縛られていたロープを解いてもらい嬉しそうに笑顔を見せていた。
『お友達が助かって良かった。』
『うんっ!!本当にありがとう……でもアイツらきっと懲りてないだろうなあ………』
そう言って表情を強ばらせたジャバリ君。
私はそんな彼に問いかける。
『どういう事?』
するとジャバリ君は語り始めたのだった。
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僕たちマサイア族は本当は奴らに簡単に屈する部族ではないんだ……僕らも……そして大人達も初めは戦ったんだ。
言われもない事を言われて許せなかった事もあったし……そりゃ抵抗もしたんだ。
でもアイツらは大型動物ですら一撃で仕留めてしまう銃とそれを上回る巨大な機械兵まで用意していたんだ。
ライオン型のしなやかそうな肉体を模写した機械でできた身体………その上、身体も鋼鉄でできた頑丈すぎて僕たちの槍すら通さない.………そんな機械で作られた動物型の機械兵器を用意したりしているんだ。
僕たちも……大人達もその圧倒的な武力に屈するしかなかった。
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『ジャバリ君………………………。』
私が声をかけようとしたその時。
『だから…………もういいんだ………僕たちがここを去ればいいことだから。』
『ならば……………そんな機械兵器など……この僕が蹴散らしてくれようぞ!!!!!』
『魚の………………お兄さん……………』
『!!???さ……………魚のお兄さん………!?ん………!?フェルノ…………』
私は焦りサーベルさんの服を引っ張りブンブンっと首を振り怒りをおさえるように止める。
『……………ま………まあよい……で!?そんな恐るべきものを奴らはこのアフリエイトで作っているのだろうか………我々がいた街の近辺でもその様な物ないしな………そもそもこの地には鉄は少ないんだぞ。』
『うん………その様な物はこの辺りでも聞いたことはないし、この地ではないんじゃないかな?』
するとジャバリ君が告げる。
『ヨーロディアじゃないかな!?』
『ヨーロディアですと!?』
そう返したサーベルさんが驚きの声を上げていた。
『はい………知る人ぞ知る隣国であるヨーロディアは機械国家です……この地の土地を買ったとされる…あの……富豪である『ボルドー』は元々ヨーロディアの住人……この地に降り立ったあの日も奴は巨大な船でこの地に入港してきたのです………そして………………皆があの男『ボルドー』を見ることになりました……富豪という名に相応しい姿………だけどそいつの目は怪しげな目を見せていたのだった………そして………………………。』
するとジャバリ君の表情が青ざめはじめ………震えていた。
『そうなんです…………僕は恐るべき機械兵器を目にしてしまったのです…………………。』
『機械……………………。』
『兵器…………………………。』
私もキャリッシュちゃんもその声に反応してしまう。
『ええ…………その巨大な機械兵器は巨大な船から降りてきました………………その数は全てを見れたわけではなかったので分かりませんが………………。』
『なんと……………奴らはこのアフリエイトを破壊し尽くそうとでもしているのか…………………。』
唇を噛み締めるドエルゴ。
キャリッシュちゃんもその恐怖に震えていた。
『たしかにそんな恐ろしい機械兵器がこの大地で暴れたとしたら………このアフリエイトの大地は終わってしまう事になりかねないわ。』
『はい……………ですので……………あの『ボルドー』の恐ろしさを見た僕たち………特に大人達は彼の蛮行に屈する決断をしたのです…………でもそんなボルドーは初めは僕たちに『これ』を配りだしました………。』
そういいながら魔法の箱を見せるジャバリ君。
『これは『魔法電話』』
『はい…………この魔法機器を配り………そして大人達に対価を支払うとの条件で『仕事』を用意したのです……そして仕事に行くようになった大人達…………初めは帰ってきてこの僕たちの街にもちょっとした安定の生活ができるようになったのです………僕たちの村はやつの与えた『安定』の暮らしが出来るようになったのですが………ある時を境に…………大人達は帰って来なくなってしまい……………ついにこの村から大人達が消えてしまったのです。』
『なっ!?』
『なんだって………………………………。』
その恐るべき事件を耳にした私達。
すると助けられた女の子が口を開く。
『あのね……お兄ちゃん……私ね………あの人達にパパとママに合わせるからって言われて着いていったの………そしたら………。』
『『マウア』……………何があったんだ?』
『怖い機械のモンスターが沢山いたの。』
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