シーン35マサイア族。
『さあいよいよ本格的に冒険に相応しくなってきたねえ!』
私は声を上げる。
なんと言っても冒険パーティーは四人だ。
かつてパパのレイオールも四人パーティーだったらしい……メンバーの一人……今私のパーティーメンバーの一人になってくれているドエルゴがその一人なの。
そして今私達四人パーティーのメンバーが揃ったのだった。
それにしてもターンラニアの国は広い。
ターンラニアの国を超えれば目的地であるケニージアなのだけれど……只々広大で広かった。
すると口を開いたのはキャリッシュちゃんだった。
『でも見てよ……ほら…………まだまだ遠くで小さいけどあそこに見えるのはキリマジャーロの山だよね?』
『本当だあ!!そっかあ……あそこにキリマジャーロが………そしてアキニー様がいるんだあ……。』
『アキニー様とは…………フェルノ殿が憧れの女王様ですな。』
『うんっ!そうだよお………一度だけ見たけど本当に素敵な女王様なんだあ。』
サーベルさんにそう返していた私。
青空が広かったこの大地は何故か私の心をワクワクさせていた。
『うんうん分かりますなあ……この僕もいつかフェルノ殿の父上の冒険王レイオール殿をお目にかかりたいものです。』
うんうんっとそう頷き語るサーベルさん。
『まあ……あなたはまだまだだからね!軽く私の能力も使いこなせないとねえ……調子に乗らないようにね。』
『それは………もちろんこれからですぞ!!まったくシルフ殿は手厳しいですな。』
私達がそんな二人の会話に笑っているとドエルゴが口を開く。
『お嬢!!草原に動物達がいますぞ!』
『おお……凄い』
驚き目にする光景……キャリッシュちゃんも目を向けていた。
『本当に………特にここには数多くの動物達が暮らしてるしね……………獣人達の宝庫でもあるし……そういえばヒューマンでありつつもあのライオンも恐れないって言われてる『マサイア族』という部族もいたりするみたいだね。』
私は気になる事を思い出しドエルゴに尋ねてみる。
『あのさあドエルゴ………ヒューマンの人達ってあった事ある?』
すると馬車を止めドエルゴが入ってきてくれた。
『ああ………ヒューマン族…………ですか………確かに会った事はありますが……まあ我々獣人との違いは獣化できない事くらいで特に他に変わったところはありませぬぞ。』
『そうなんだ………。』
『ですがヒューマン達は知能に秀でているものが多くいると聞きますな………この辺りにはありませんが彼らの中では『科学』と呼んでいるものでその科学を利用し………『機械』と呼ばれる『鉄』で便利な物を作ったりしてるのも『ヒューマン』ですな。』
『なるほどお…………『機械』かあ。』
この時、私はこの機械の事があまりにも夢の上の事のように考えていた。
『お嬢殿……我々のこの持っている武具である鉄がありますな……………これは手などでは決して折れない物です……この硬さで作られ………そして便利な物へと変えられるのが鉄の基本的な使い方ですな…ヒューマン達はその頭脳で、その鉄を利用し『科学の力』で様々な物を作るというのです………その一つ一つは便利で感心する程の物だとか……ですが、世の中にはそれを私利私欲の為に……恐るべきものへと変えることもあるのです……お気をつけくださいませ。』
そう語ったドエルゴ…………次の瞬間ニコリと笑う。
『まあこの大自然の中では機械など不自然なものですがね。』
『あはは!そうね…………そんな恐ろしいものはここには必要ないね!』
私はそう返していた。
すると目の前に誰かの姿が見えた。
『おお………彼らが先程話したヒューマンの部族の者ですな。』
ドエルゴがそう話したその時。
なんとその人物が何かを取り出すと、一人だというのにその物を耳にあてまるで誰かと会話をしているように見えた。
その行動を見ていた私達。
数分後、その男は何かをしまい込むと槍を片手に歩き出し去ってしまったのだった。
『な…………なんですかねアレは……………。』
『分からないわ』
『ヒューマンって怖いねえ。』
『……………………………………………。』
私達三人がそう話していると……………。
ドエルゴが考えていたようだった。
『ふむ…………アレはもしや…………遠くに離れている者と会話ができてしまう『魔法の箱』と呼ばれる物かもしれませぬな。』
『ええっ!?』
『そんな物がこの世界に!?』
『ええ…………あの部族のヒューマン達も今や色々な文化を取り入れるようになったとも聞いた事がありますのでな……ヒューマン達の頭脳の結晶とも呼べるべきものでもありますな……。』
私はその言葉にドキドキしてしまっていた。
『お嬢?もし気になるのでありましたら先程のヒューマン達……マサイア族との接触を試みてみますかな?』
私はヒューマンとの初めての接触に心が踊っていた。
『うんっ!!!』
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