シーン26船上にて。
私達はウォルディ目指し海上を進む。
クラーケンを倒した後の走行は快調だった。
船上では…………………………………………。
『ぬおおおおおおーーーーーーーーーっ!?』
『おおおーーーっ!その調子ーーーーーーーっ?』
『フェルノ殿………これは中々です、んぎょおおおーーーーーーっ!?』
『がんばれえええーーーーーーーーーーっ!?』
『あれって……何やってるんですか?』
そうキャリッシュにたずねたのはあくあちゃんだった。
『ああ、あくあちゃん、アレはね………私達は水の幸………つまりお魚とかをとる時ああして『釣り』っていう方法で捕まえたりするの、それをフェルノは昔からパパに教えてもらってやっていたって話になって、興味をもったサーベルさんが試してみたいと、で、二人でああして釣りをしてるみたいね。』
キャリッシュちゃんがそうこたえるとあくあちゃんは微笑む。
『あはは……あんなに楽しそうな顔してるサーベル初めて見たなあ。』
『そうなの?』
『はい!小さい頃、お屋敷にいた時、私は父に大事にされすぎて中々お屋敷から出してもらえなかったのです……まあ感謝すべき事なのでしょうけど…ストレスっていうものがたまりまして…父の許しがないと何も出来なかったのです……そんな私は心が病む事も多くなって………そんな時父が友人兼護衛としてサーベルを連れてきてくれたのです。』
『そうだったんだ。』
『はい……でもね……サーベルは私がお嬢様という事でやはり……その対応は友人ではなく、あくまでお嬢様と従者という感じで、どうしても友人という関係にはなれなかったのです……それが今までずっと同じだったの……だからあんな素直に嬉しそうに無邪気に笑ってくれてるのを見て驚いてます………。』
キャリッシュちゃんとあくあちゃんがそんな話をしていた時。
私とサーベルさんの目に映ったのは釣り針にかかった何かの魚影。
『おおおっ!?きたきた!!サーベルさんっ!?』
『これは………大きいですぞ!フェルノ殿!!ぬぎょおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!』
その時…海面に見えたのは魚の背ビレ。
『おおおっ!!もう少し!!』
私は思わずサーベルさんを背後から手伝う!!
『『ヌギョオオオオーーーーーーーーーーっ!?』』
パシャーーーーーーーーーーーんっと海面から跳ねたそれは………大きな魚だったの。
『『おおおお…………………。』』
私達はようやく巨大なお魚を釣り上げたのだった。
『『やったあああーーーーーーーーーーっ!?』』
ズシンっと船の上に落ちた振動が魚の巨大さを示していたのだった。
『やったじゃん!二人とも!!』
『すごいですねえ!!みんなで食べても数日分ありそうな魚ですね。』
『あくあちゃん!キャリッシュちゃん!やったよお!』
『これは中々でしたぎょ……釣り……実に楽しいものを教えていただき感謝ですぞフェルノ殿。』
『いやいや!私もパパに色んな事教わってきたからね!冒険に関する事も沢山!!』
『おお………そういえばフェルノ殿の父上はあの冒険王でしたなあ…ふむ……実は何を隠そうこの僕も冒険王に昔から憧れて、冒険家になりたかったものですぞ。』
『へえ!そうだったんだあ!?じゃあ私と冒険行く!?なんてね』
私の冗談交じりの言葉に驚きの声をあげるサーベルさん。
『ぎょ!?……フェルノ殿……そ…そんな事……でも僕には大事なお役目がありましてな……それにフェルノ殿達にはあの『魔神具』というものがある……僕にはありませんのでね……足手まといになっても。』
僅かに震えながらそう応えたサーベルさん。
『えっ!?でもねサーベルさん!』
『ん?なんです?』
私がキャリッシュちゃんの話をしようとしたその時。
船員兵の叫ぶ声が聞こえてきた。
『おおおっ!!見えてきました!!あくあ様!!フェルノ殿!!』
私達はその声に船から身を乗り出し前方に目を向ける。
島と言うより……大きなその大地………あれがあくあちゃんの故郷である『ウォルディ』。
近づくにつれ………確かに目に映る先程までとは違った海面の淀み。
『こんな汚れた海。』
『フェルノちゃん…………そう…………この淀んだ海が私達の街を壊した原因です……………父もきっと………………。』
悲しげな表情のあくあちゃん。
私はあくあちゃんの肩に手を乗せる。
『きっと……………大丈夫…………………一緒に街を取り戻そうね!!!』
私がそう告げるとぽかんっと私を見ていたあくあちゃんとサーベルさん。
『ん!?私の顔に何かついてる?』
『ううんっ!!ありがとう!!フェルノちゃん!』
『ぎょっ!?フェルノ殿……………お嬢様!さあ……取り戻しますぞ!!『水の街ウォルディ』を!!!!!』
サーベルさんの声と共に私達の船は遂に辿り着いたのでした。
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