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9.社会が平均にしか対応しない理由

単発版が長くなりすぎたので、分割改稿するものです。

内容は大筋では変わりません。


とりあえず、後半は分割しただけです。徐々に改稿します。

■社会が平均にしか対応しない理由


発達障害と言うと、ADHDが有名ですが、自閉も発達障害の一種です。よくアスペ、アスペと言われるやつも自閉の一種ですから、発達障害に含まれます。

アスペは天才が多いという意味で、俺アスペだからという自称アスペが発生しますが、アスペは知的障害が無く言葉の発達に遅れのない自閉の一種です。

知的障害に入るほど低くないというだけで、頭が良いという要素は含まれません。

カナーさんが知的障害を伴う自閉を見つけたのに対し、アスペルガーさんが、知的障害を伴わない自閉を発見してアスペルガー症候群と名前がついただけです。


ただし、特性的にただひたすら繰り返し黙々と勉強するのに向いていたりするので、高学歴にアスペルガーが多かったりすることはあります。

ただ、高学歴でも企業には面接とかで落とされますよね。


私は高学歴アスペルガーは学者に向いてるのではないかと思います。ここで言う学者とは、教育者ではなく学問を究める専門家のことです。

他の分野に少々苦手な分野が存在しても、そこだけでは誰にも負けないと言う人材が居れば登用するような障害者枠でもあると、幸せになれる人が増えるかもしれないと思います。

好きなことに関しては、勝手に頑張ります。おそらく高給でなくても生活に十分な給料であれば望んでやるでしょう。

他のこともできる人より、それしかできない人を割り当てた方が、トータルで見るとお得です。

それなら、社会保障的にも経済的です。そういう枠作りませんか?



ADHDとアスペはよく混同されますが、特性的には逆のものです。

アスペを含む自閉は同じことの繰り返しが好きな傾向が強く、急に予定が変わるとパニック起こしたりします。

ADHDは同じことを繰り返すのが苦手です。急に予定が変わってもあまり気にしない人が多いでしょう。予定のことなど頭から消えてますから。


予定通りに事を進めることができないという点で結果が同じだったとしても、理由は逆です。自閉はどこかで予定が狂ったせいで、そこから先に進めない。ADHDは予定自体忘れてるか、他のことやってたら時間が過ぎてたって感じです。


ただし、アスペルガーとADHDは併発もあり得ます。結果的な症状で見ると、両方に当てはまることもあるからです。

現在はアスペルガー自体が無くなって、自閉症スペクトラムという自閉症の一部として扱われるようになりましたが、名前はともかくとして、以前アスペルガー症候群と呼ばれていた人が、同時にADHDを持っていることも多いです。


よく見てるとわかりますが、同じ多動も、逆の理由で発生ししているように見えます。


ADHDはスクリーンセーバーが0.5秒で起動するので仕方なく常に動いているのです。刺激が足りないから動いて刺激を作っています。

ASDは逆に、刺激が強すぎるので、気を逸らすために動いているように見えます。

私はADHD側の気持ちはわかりますがASDは持ってないので誤解かもしれません。

でも、そのように見えます。


ADHD、ASD(自閉、アスペルガー)、そんな名前を覚える必要はありません。

発達障害と言うのはとっても簡単なものなのです。


単純に、社会生活を送る上で障害となっている理由がその人が平均的な発達をしなかったと言うだけのことなのです。

繰り返しになりますが、社会は平均的な人以外には対応していないからです。


そして、どうも社会に適応できないと言う人が病院に行きます。そこで、診察やらテストを受けます。

その結果が一般的な人と違うと発達障害です。

単に平均からずれてる。ただそれだけのことなのです。


平均からずれてるだけで、なんで障害なんだ?と思うかもしれませんが、これにもとっても簡単な理由があります。

社会は平均に合わせて作られていて、そこから外れるものには対応していません。


そう言うと、「一人一人の個性を伸ばせる教育を!」とか言い出す人が多そうですが、そこがまた面白いところなのです。


社会は平均から外れるものには対応していません。なんで対応しないのか、これにも、とても簡単な理由があります。


挿絵(By みてみん)


人間の能力は正規分布していて大部分の人は中心付近に居るからです。

真ん中あたりに合わせて集中してリソースを投入する。つまり人や金、時間を集中して投入するのが効率が良いのです。


目安として、±1σ、学力偏差値なら1σは10、IQなら1σは15(例外有り)なので、偏差値40~60の人、IQであれば85~115の範囲に68%の人が±1σの範囲に含まれます。

ほぼ3人中の2人です。


この範囲の人、つまりIQで85~115の間の人は、至って普通の人です。


そこにターゲットを絞れば、少ないリソースで多くの人が大きなリターンを得ることができるわけです。さらに広げて±2σまで広げると95%がカバーできます。


この領域外、特に下側に関しては知的障害者として扱われます。IQの場合は70未満です。


その領域の人達を普通の人として扱うために投資するよりも、障害者として社会保障払う方がずっと安くて効率的だからです。

経費削減、効率化のために障害者扱いしてるわけです。


IQが130以上の人も異常値なので知的障害だと思いますが、守ってくれる法律は無いようです。もしかしたら、本人困っていても誰も助けてくれない、何の診断も出ないという不幸な生活を送ってる人もいるのかもしれません。


理論的には、効率を無視すれば、ほぼ全員を救うことができるでしょう。

それは僅かな人を救うかわりに、大部分の人にとってはマイナスになります。

数字はテキトーですが、5%の人を救うために、教育費20倍になっても良いですか?ってことですね。

税金もドカンと上がるでしょう。


当然多くの人は反発します。


一人一人の個性を伸ばせる教育を言った人と、なんで税金払わなきゃならないんだと言う人はけっこう重なっていたりするのです。


良き理解者のつもりで話をしていても、実際には物事をよく考えず、感情で話をしているだけだったりします。

社会は継続可能な仕組みでなければなりません。


可哀そうだから救いましょうと言うなら、それ相応の負担も覚悟する必要があるわけです。


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