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13.社会がブラックです

今回は、発達障害持ちの人にとっては、社会がブラックですというお話です。

※他の障害の人も当てはまるかもしれませんが、(少なくとも現時点では)発達障害に限って書いています。


前にも書いてますが、発達障害は、ちょっと特殊な障害で、社会と関わる上で何かしらの問題が発生するだけで、社会と関わらなければ、問題が無い場合が多い障害です。

他人とかかわらない限り、発生しない障害です。


そもそも、傍から見てもわかりにくく、さらには、本人にもわかりにくいという厄介なものです。

配慮してもらうのも難しいでしょうし、本人が気づかない可能性もあります。


社会の一員である以上、全く関わらずに生活するのは無理ですが、なるべく、……最大限関わらないように生活するという選択肢は存在します。

山に籠るわけではありません。

部屋に籠って生活できるならそれも良いかもしれませんが、その選択肢が取れる人は限られているでしょう。

いきなり仕事辞めて今までと違う生活をするわけではありません。

いつも通り仕事に行っていつも通り仕事をします。


心の中に壁を作ります。

自分の中に基準を作ります。線を引きます。

何か言われても受け流します。


簡単ではありません。


なるべく関わらずに生きるために努力するのと、普通の人として生きるために努力するのと、どっちがマシかという話になります。

普通でない人が普通に生きようとするのはリスクがあります。

冗談ではなく身の危険があります。


これを読んでる方なら経験有るのではないかと思います。

仕事でのあるあるです。


真面目に普通の人として生きようとすると、こんな経験があるのではないかと思います。


若い頃は特に多いのですが、何か指示されたとき、

「分からないことがあれば、勝手にやらずに何でも聞け」と言われます。

わからないので聞くと、怒られます。

そして、だいたい「自分で考えて行動しろ」と言います。

なので、自分で考えて動くと、今度は「何で勝手にやるんだ!分からないなら聞きに来い!」と言います。


良くありますね!


この人はバカなのでしょうか?

いえ、普通の人です。

ただ、想像力と忍耐力、相手の気持ちや考えを読む能力は足りないかもしれません。


単に、自分の思ったとおりに動かないので怒ってるだけです。



通じないのは、こちらの能力が低いからではありません。

高くても通じませんからね!


指示は通常、内容が省略されています。


特性の近い人同士は、同じ目的に対し、考える内容や、解決のために取る手段が近いので、短い言葉で的確に伝えることが可能です。


以前から書いてる通りです。


そして、指示は、普通の人同士で意味が通じる程度に短縮されていることが多いです。


なので、普通から外れる人には意図が通じにくいわけです。


省略されている部分が分からない、意図がわからないので聞きます。

ところが、何を言ってるのか細かく聞くと怒られます。

「頭を使え、自分で考えろ」と言います。

考えて実行すると、今度は、「勝手にやるな!わからないなら聞きに来い!」と言います。

意味が分かりません。

自分の言ったことくらい守れよ!と思いますが、こんなことはざらにありますね!


これ、やられてる方からするとダブルバインドです。パワハラです。


ダブルバインドと言うのは、あたかももう片方が正解で、その人が二択の選択肢を誤ったように言う割に、実は、どっちを選んでも、もう一方が正解だ!というやつです。


こういうのもパワハラだと思います。

これを何度もやられると、何も行動できない人間が出来上がります。

どっちを選んでも不正解。そりゃ、どちらもやらなくなりますよね!


そうして人はどんどん破壊されて行きます。


近頃はブラック会社とか言って話題になってますが、発達障害持ちからすると、社会がブラックです。

常時パワハラを受けています。


発達障害の当事者はパワハラ受けたくない。

指示を出す方も、わざわざ一から十まで言わなきゃわからないようなやつと仕事したくない。


だったら、どうすれば良いか?

私は、なるべく関わらないようにするのが良いと思います。


ブラック会社と聞くとそんなところは辞めてしまえと言う人でも、ブラック社会に入るように頑張ってくれます。

『世の中には、いろんな特性の人が居ます。皆仲良くやって行きましょう』

と言葉では言いますが、実態は上のダブルバインドの例です。

わざとやっているわけではないのでしょうが、いたぶるために仲間に入れるのかよ!と思います。



合わない社会で、無理なことを頑張りすぎると、こうなります。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


結果的に、元々持ってた障害に加えて、さらに別の障害が付加されて行きます。

元の障害を一次障害、その障害が原因でさらに追加される障害を二次障害と言います。


二次障害が追加されると、その人は、ますます働くのが難しくなり、社会保障費が増えます。

それは社会全体で見ても損です。


元々持っている能力が異なるので、できることが異なります。

普通の人として普通に生きようとすると、そんなの普通だと言って無理なことをやらされます。

無理するのが普通になると、いつかは自分が壊れてしまいます。


普通の人の言う、普通に合わせるために、リミッターを外す必要があるからです。


普通の人が普通だと思ってることが出来ないと、能力無視して、甘えだ、努力が足りん! と、何故か根性論になります。パワハラなのですが、言ってる人は正しいと思ってやっています。


生まれてからずっとこれが続くので、リミッタ外すのが普通になります。

一般的に教育と言われてる内容で、リミッタが破壊されるのです。

常時リミッタ外して動いていなければならないので、そのうち壊れます。


壊れたというのが、つまり二次障害の発症です。


医者に行くと、"なんでもっと早くに来なかったのか"と言いますが、生まれてからずっと、甘えだ、努力が足りんと言われて、リミッタ外すことを強要されてきたのに、なんで今ごろになって、”なんで、もっと早く来なかった”と言われても意味が分かりません。

むしろ、周りの人たちに何でこんなになるまで追い詰めたんだ!と言って欲しいところです。


医者に行くのが、二次障害が出てからになってしまいがちな理由です。

二次障害出る前に行っても、様子を見ましょうで済まされることが多いと思いますので、二次障害持つ前に、医者にかかって何か改善した人は、幸運だったと思うべきなのかもしれません。


そうなる前に、普通の人として生きる方が楽なのかどうか、考えると良いと思います。


障害者手帳貰って障害者枠で働けと言う話ではありません。


少し考え方、スタンスを変えるのです。周りの人との関わり方を変えていくのです。


自分の得手不得手は把握しておき、普通を求められても、知らん、無理と言ってしまうのも手です。

繰り返していれば、そのうち相手もそういう奴だと思って諦めます。


はじめは厳しいかもしれません。


でも、そのスタンスで通し、仕事で普通の結果さえ出していれば、そのうち案外受け入れられます。

居場所を作りましょう。理解者が一人でも居れば、心強いです。

意外に仲間も紛れてたりします。


焦らず地道に。結果は年単位で見てください。

二次障害負うくらいなら、辞めて、別の職場探した方が良いこともありますが、合う仕事は限られます。

なので、仕方ないと思って、少々のことはスルー出来るようになりましょう。


基本的に、普通の人は空気読めません。読まなくても済む率の高い人です。

相手の気持ちを読んだりとかはできません。

単に自分の鏡写しで想像すると当たる率が高いだけです。

単にヒット率、同種の人と当たる割合が高いだけです。


なので、こちらの気持ちが読めないどころか、自分と同じことを考えるという前提で勝手に全然違う予想をし、予想が外れると怒ります。

そういうものだと思って、少々のことは仕方ないと思って、スルー出来るようにしておくと良いと思います。


厄介なことに、相手は良い人だったりします。少なくとも悪い人ではない人である場合も多いです。

なので、慣れる。諦める。自分が変わるという選択をする方が良いと思います。


生まれた時から普通の人になるための訓練をしてきています。

その結果が今の状況なわけです。

さらに追加で普通の人になる訓練するよりは、スルースキル高める訓練した方が、役立つことが多い人も多いのではないかと思います。


私はブラック会社は辞めるべきだと考えています。

同様に、その人にとって社会がブラックであるなら、なるべく関わらずに過ごす方が良いように感じています。

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