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最強騎士だったけど転移したらニートだった件 (仮)  作者: さいだー
???

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99/123

戦慄

2人と入れ違い4人の男達が焚き火の回りにやってきた。


全員が深くフードを被っていて表情は伺い知れないが

助けて貰った事見張りをしてくれていた事にお礼を言うと

一様に頭だけを下げて応じてはくれた。


そのすぐ後男達は統制の取れた動きで俺と焚き火を囲い混むように四方に移動すると地面にそのまま着席


倒木に座るように勧めてはみたが誰からも変事はない

男4人が俺と焚き火を囲んで無言


……どうも居心地が悪い


このまま寝てしまおうかとも思って横になって目を瞑ってみるも他方からの視線を感じて眠れる気もしない……




「……俺も見張りに言ってくる」


肯定も否定もされないまま数秒の沈黙があった後そのうちの一人が上着を差し出してきた。


「ありがとう」と一言告げて見張りをする2人の元へ逃げるように

歩き出す




______________________________________________



焚き火をしている行き止まりから出て角を曲がると

無防備な肌をチクッと刺すような刺激が襲ってきた。


どうやらこの洞窟に避難する前よりかなり冷え込んでいるようだ。


ヒューヒューと耳障りの悪い風切り音もする

それは入り口に一歩二歩と近づくにつれ

次第にゴーゴーという激しい音に変わっていく。



後もう二つ角を曲がれば目的地と言う所でおそらく2人のものだろうと思われる話し声が聞こえてくる

所々、風で聞き取り辛いところもあるがその内容に思わず足が止まる。



「御主人様のペットを殺した犯人も多分あの町の連中なんじゃあないかと僕は睨んでいるだ


イーシャはどう思うんだい?」



「うーん難しい所ですが……

捕まえて拷問する価値はありそうです


命令は町の殲滅(せんめつ)ですが()()の無念を晴らすためなら

やむを得ないでしょう」



「くくく

珍しく意見があったね!」



それ以降も2人の会話は続いていたが頭に入って来なかった。


町を殲滅……?

拷問…?


もしかしてとんでもない奴らと関り合いになってしまったのではないのか?

目的も聞かずに一緒に行くと言ってしまったがこのまま一緒に付いていって良いのだろうか?


それにこの先にある町ってまさか……


無意識に後退りしていた。

勢い余って足元にあった拳大の石を(かかと)で弾きとばし岩肌に当たりカチカチと音を立てる。


その音に反応したマーシャがこちらに声をかけてきた。

「ん?誰かいるのかい?」


思わず生唾を飲み込む。



しかしだ良く良く考えてみればまだ話を聞いていたとバレてしまった訳ではないし、俺に危害を加えてくる危険性は今のところはない……はずだ

だから意を決して2人の前に歩み出た。



「よ、よう!


俺も見張り手伝おうかなって!


世話になりっぱなしってのも悪いと思ってさー」


我ながら下手な演技だ

できるだけ声が震えないように、上ずらないように注意したが

どうも白々しさが拭えない。

まずったか……?

恐る恐るマーシャの方に向き直る。


「なんだなんだそんな事かー

気にしなくていいのさ!


ね!イーシャ」


満面の笑みだった。さっきまで拷問だ殲滅だなんて言っていたようにはとても見えない。


「そうですよ!

まだ完全に体調も戻ってないでしょう?

だから戻って休んでいるといいのですよ


ねえマーシャ?」



「うんうん


こっちは僕達に任せるといいよ泥舟に乗ったつもりでさ!」


イーシャが呆れたようにはあと深いため息を吐いた

「マーシャそれを言うなら大船に乗ったですよ」



「そうだったっけ?


うーんまあ安心してってことさ!」


2人のやり取りがコミカルであればあるほど余計に戦慄を覚える。

気温とはまた違った空気の寒さを感じる。




「そっ、そうかじゃあお言葉に甘えてそうさせて貰おうかなー


向こうに行ってるな!」



踵を返し洞窟の奥に向けて歩きだすその背中

今までとは違う温度の声色が俺を呼び止めた。

さっきまでが真夏の太陽だったとしたならば今は全てを氷に変えてしまうシヴァの吐息


「ねえノクティ確認なんだけど



まさか____僕達の会話を盗み聞きしてたって訳じゃないよね?」



油の切れたロボットのようにギシギシと振り向くのを拒否する体を無理やりマーシャの方に向けて


「そんなわけないだろ」

今出来うる最高の笑顔で答える。




一瞬の沈黙_____________________




「そうかい




それならいいんだよ!

ゆっくり休んでおくれ!」


嘘のような笑顔で彼女はニッカリと笑う。





ただ一つ頷いてまたまた逃げるように焚き火に向けて歩き出す。












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