拾い物
「ノエル落ち着け!とりあえず騒ぐのをやめてくれ」
ノエルを落ち着かせるためにかけた言葉はかえって逆効果だったようで
「なに呑気な事言ってるのよ!早く出ていって!」
その辺に置いてある掃除用具なんかをガシガシ投げつけて来る。
「痛い痛いって!頭がはまって抜けられないんだよ!
あまり騒ぐと誰か来ちゃうだろ!」
「誰かきちゃう?誰か来てくれた方が私的にはいいんだけど!」
こちらを見上げる形で睨みつけてくる。
なるべくノエルの方を見ないようにしながら
「ノエル落ち着いて聞いてくれ
この家はいろいろとヤバイところなんだ
見つかったらただじゃすまないぞ」
見ないようにしてるつもりなのに自然と目が動いてしまう。童貞の悲しい性
「なにチラチラ見てんのよ!キモッ!
早く出てって!」
勝ち気な女の子に罵られるのも悪くないなと思いながら、ガタガタと窓をこじ開けて頭を救出することに成功した。
外からノエルに呼び掛ける
「この家にいるやつらに俺とネムは襲われた
だからそこにいるのは危険なんだ
手を貸すから誰にも気づかれないようにこの窓から脱出するんだ!」
ふんっと鼻で笑うような息づかいが聞こえた
「あんたなに言ってんの?誰もいるはずないじゃない!
この家って空き家なのよ?
実際誰もいなかったし」
個室のドアがスゥーと開く
「とりあえず外に出るから外で話しましょう。‥‥ノゾキさん」
当分これでいじられる事になりそうだな‥‥
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建物正面に回り込むとノエルがすでに外で待っていた。
「で、なんでトイレを覗いたわけ?」
顔を合わせるやいなや追及が始まった‥‥‥
「それについては謝る
ごめん
でも覗くつもりはなかったんだ―――」
‥‥‥
それからしばらく説明をして納得はしていないようだが理解はしてくれた。
「‥まあいいわ‥
でノゾキさんはどうしたいわけ?」
「どうもなにもないノエルが無事ならそれでいいんだ
宿に戻ろう
ネムも待ってる」
「ふーんあっそ!」
アヒルのように唇を突きだしてそう言うと、
すぐに踵を返して歩き始めた。
「さあ行くわよ!
ノゾキさん」
慌ててノエルの後を追いかける。
そこでノエルが後ろ手に袋を持っている事に気がついた。
「なあ手に持ってるそれはなんだ?」
こちらを振り返り、袋を持ち上げてみせた。
「ああこの袋の事?
さっきあの家で拾ったのよ
持ち主がいないなら貰っても問題ないでしょ」
この世界の法律はわからないが日本の法律なら絶対アウトだろ‥‥
袋には明らかに膨らみがあった。
絶対に何か入っている。
「なにが入ってるんだ?」
「秘密っ!」
と太陽のようなまぶしい笑み
危ないものじゃないだろうな‥‥‥
不意に肩をトンと叩かれ
「おい、ちょっといいか?」
と後ろから声をかけられた。





