洋式
件の民家を前にして肩で息をしながら
扉を開くべきか開かざるべきか決めあぐねていた。
もしあの男が無事に戻っていたとしたなら……
ノエルがいたとしても、いないとしても衝突は避けられないだろう
それは危険だ……と判断して
ひとまず中の様子を探ってみるとしよう
民家の左手の方から建物の左側に回り込むと胸の高さくらいの所に出窓があるのを見つけた。
こそこそと物音を立てないように窓の下まで移動する
「ふう……」
物音はしない……意を決して
そっと部屋の中を覗きこんだ
……ここの部屋には誰もいないみたいだな
思わず胸を撫で下ろす。
ずいぶんと物が散乱している部屋だ。
例えて言うなら空き巣に入られた後のような感じ
空き巣の犯行現場を見たことあるわけではないが……
続いてさらに回り込んで裏手に回る
こちらは高い位置に小さな窓がある
俺の背では届かない……
手近にあった桶の様なものを動かしそれを台にして中の様子を探る
小さな個室のようだ……
正面に扉があるのは見えるが高さと窓が小さい都合上
窓下手前側が死角になって確認できないが
無理してまで覗く価値はないだろうと判断して他の所の様子を伺おうかと、台から降りようとしたその時
すうっと扉が開いて中に誰か入ってきた
中に入ってきた人物の背は低いようで頭までしか見えない。茶髪でツインテール‥‥って
ノエル!?
その人物は扉を閉めるとこちらに背を向けて屈みこんだ。
こうなってしまっては何をしているのかこちらからでは死角の為
見えない。
状況的にノエルに違いないだろう。
もうここまでたどり着いてしまっていたのか……
なんとか危険を知らせなくては
こういうときはシンプルなのが一番だ。
俺は窓をノックした
危険を知らせるためできるだけ早く強く
トントントントントントントン!と
「えっ!?なになになに!?すいません入ってます!
勝手に使ってごめんなさい!」
この声は間違いない!
ノエルだ
ノエルに小声で話しかける。
「ノエル俺だ
ノクティだ」
「えっ!?ノクティ?
あんたどこ行ってたのよ?
というかこんなとこまで押し掛けてなんのつもり?!」
「しっ!静かに話してくれ!
やつらに気づかれる!」
「やつら?
なんの話しかわからないけどちょっと待って!すぐ終わるから」
「今はそれどころじゃないんだ!ここから脱出するぞ」
「えっ!?脱出!?」
「そうだ
こっちだ!」
上開きの窓を無理やりこじ開けて
よじ登り中を覗きこんだ。
「えっ?こっち?」
座り込みながらキョロキョロしているノエルがそこにいた
さすがにこれはまずい。
首を引っ込めようとしたがこじ開けた窓が落ちてきて頭が抜けない。
ノエルとバッチリ目があってしまった。
「キャアァーア」
家中にノエルの悲鳴が響き渡った。





