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ぼくらのTRPG生活  作者: K島あるふ
#10_ぼくらのダンジョン生活(最終章)

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167/208

11世界を救う大冒険風の何か

 最終章 ここまでのあらすじ


 真なる創造主にして氷原の魔狼ヴァナルガンドは、この世界を自らの餌とする為に創りたもうた。

 この世界を喰らい、元いた世界に復讐する力をつける為だ。

 だが、彼を仇と見るウォーデン老とその弟子ハリエットにより窮地に立たされたヴァナルガンドは、彼の忠実なる(しもべ)である人狼ギャリソンによって造られた迷宮『グレイプニル』へと逃げ込む。

 そしてヴァナルガンドとの戦いで深い傷を負ったウォーデン老は、迷宮の攻略をアルト隊に託した。

 さまざまな難関(ギミック)を乗り越え第3階層へと降り立ったアルト隊。

 そこは地下迷宮でありながら空や大地が露見する理不尽な空間、『歪んだ妖精界』であった。

 探索を開始した彼らは、そこで『妖精王国の王女アン』と名乗る女妖精に出会う。

 彼女が言うには、この世界(第三階層)は崩壊に瀕しており、救ってくれる者を求めているらしい。

 アルト隊はどうやらこれが第三階層を抜ける為の条件ミッションであろう、と判断し、アンの依頼を受けるのだった。

 一方、拠点にてヴァナルガンドの目論見解析を進めていたウォーデン老は、ついに『ヴァナルガンドがこの世界を喰らう日』を突き止める。

 それはこれより2週間後、春分点と呼ばれる日だった。

 アルト隊だけでは攻略が間に合わない、と判断したウォーデン老は、『転移術(テレポーター)』を修める馬頭の悪魔オリュフェスを召喚し、迷宮攻略者をスカウトする為に旅立った。

「うむ、よろしく頼むぞ。勇敢な若者たちよ」

 妖精王女アンと名乗る蝶の羽を生やした小さな人型の生き物は、満足そうに頷いてそう言った。

 サムライ少年アルトは、(パーティ)のリーダーらしく、「焦らしてもしょうがない」とねこ耳童女マーベルをなだめて、この妖精王女の依頼を引き受けたのだ。

 「いいえ」「そ、そんなひどい」というやり取りにまだ未練があるらしいマーベルは、口を尖らせてアルトの背中にブーブーと野次を飛ばすが、まぁそれは一切無視である。

「さて、引き受けたはいいけど、『力ある宝石』を取り戻して『大悪魔』を倒すって、まずはどうしたら良いんだ?」

 やり取りが一息ついたところで、アルトがふともらす。

 現状、情報を手に入れる為の(つて)と言ったら、目の前に滞空している妖精王女アンしかない。

 それ以外と言えば、少し進んだところに見えるレンガ造りの平城だが、どうにも歴史を感じさせる風化跡がそこかしこに見え、人が住んでいるという気配を感じない。

 ともすれば、怪物(モンスター)が徘徊していてもおかしくない様相だ。

「これは、手当たり次第、探すしかないでしょうな」

「めんどくさいにゃ」

 妙にうれしそうな酒樽紳士レッドグースの言葉に、早速嫌そうな顔を晒すマーベルだった。

 このあたり、攻略情報を見ながらゲームするのが当たり前の世代と、ノーヒントが当たり前の世代とのジェネレーションギャップといえるだろうか。

「まぁまぁ、とりあえず目の前の平城を探索してみるかい?」

 と、肩をすくめながら意見するのは、『漆黒の外套(ダークマント)』に身を包んだ怪しげな眼鏡『魔術師(メイジ)』カリストだ。

「そんなら、妖精王女にもう少し話し聞いた方がええんやない?」

「それもそうだね」

 続いて言う白い法衣のモルトの言に、一同は頷いて振り返った。

 そこには、依頼を受ける返事をした直後から、当たり前のようにアルト達の隊列の最後方についた、妖精王女アンの姿があった。

「アン殿。あの平城には何があるのですかな?」

 訊けば、アンは大仰に胸をそらして答える。

「うむ、あの城には恐ろしい『吸血鬼(ヴァンパイヤ)』が住み着いておる。だが、やつを倒せば、この先の旅に役立つ『永遠のランプ』が手に入るであろう」

 どうやら早速強敵らしい、と察して、アルトは少しばかりたじろいだ。

 だが他のメンバーと言えば、『吸血鬼(ヴァンパイヤ)』の事より、『永遠のランプ』に興味があるようだった。

「ランプちゅーからには灯りなんやろうけど、わざわざ『旅の役に立つ』言うんやから、なんかすごいんちゃう?」

「ふむ、ワタクシ、ちょっとワクワクしてきましたな」

「それで『永遠のランプ』には、どんな効果があるんだい?」

 いくらか浮き足立ったアルト隊の面々が訊ねれば、アンはまたもや得意げに胸をそらして答える。

「聞いて驚け。我が妖精王国の秘宝『永遠のランプ』は、油を足さずともその灯りを絶やすことなく周囲を照らし続けるのだ」

「パスにゃ」

 ねこ耳童女の即答であった。

「は? わらわの耳がおかしくなったかの? 凄い宝じゃろ?」

 あまりの切り返し速さに、アンは目を点にしてから、「またまたそんな」とでも言い出しそうな素振りで聞き返す。

「にゃから、そんなのいらないにゃ。もう似た様なの持ってるにゃ」

 だが、マーベルの返答は、彼女にとって無情なものであった。

 答えつつマーベルが掲げたのは、この迷宮グレイプニルに挑む時に錬金少女ハリエットから進呈された『角灯(ランタン)』だ。

 もちろんご存知の通りただの『角灯(ランタン)』ではない。

 奇跡のエネルギー結晶である『魔法結晶体』のクズ欠片を利用して、ほぼ永久的に周囲を照らす事の出来る優れものなのだ。

「まぁ、ワタクシとしましては、同じ効果というのであれば、できれば『永遠のランプ』に差し替えたいのですがな」

 ただ、『魔法結晶体』にわずかな疑念を持つレッドグースだけは、ひっそりとそう呟いて苦笑いをもらしたのだった。


 なにか釈然としない感情を秘めたようなアンだったが、気を取り直して口を開く。

「わかった。必要ないのであれば何も言う事もない。ではこのまま『吸血鬼(ヴァンパイア)の城』を迂回して裏手に進むが良い」

「何があるにゃ?」

「まぁまぁ、行ってのお楽しみじゃ」

 マーベルからの問いをシッシッシと笑ってかわすので、その目的を述べる気はないな、とアルト隊の面々は諦めて彼女の言う通りに進んでみる。

「どの道、この『のじゃ妖精』のミッションをクリアしないと階層クリアにはならないだろうしね」

 とは、カリストの言だ。

 『のじゃ妖精』呼ばわりが気に召さなかったようで、以降、アンはしばらくの間、口をつぐんだ。

「それにしても」

 『吸血鬼(ヴァンパイア)の城』を迂回する最中(さなか)、先頭を行くアルトがふともらす。

 その視線の先には城の壁外に建てられた小さな建物がある。

 白い漆喰で壁を塗り固め、屋根の上には十字架が立つ建物だ。

「ウチらの拠点違うて、紛うこと無く教会やね」

「しかも『光と闇の眷属(クロッシーズ)』じゃなくて、完全に基督教会っぽいよね」

 我々の世界において『十字架』と言われれば、縦横に交差し下だけ長いものが思い浮かばれるだろう。

 だがメリクルリングRPGの世界の十字教、『光と闇の眷属(クロッシーズ)』の掲げる十字架とは、縦も横も同尺のものなのだ。

 つまり、城の傍らに建つ教会の十字架は、紛れもなく前者のものであった。

 とはいえ、ここがギャリソンに作られた迷宮である事を考えれば、特に不自然はないだろう。

 なにせこれまでの彼の行動、発言から、かの人狼執事はアルト達と同世界からやって来たことが推測されるからだ。

 そんな思いもあり、だからなんだ? と言わんばかりにマーベルが首を傾げる。

「教会がどうしたにゃ?」

 だが、アルトとしても左程すごい思い付きがあった訳でもなく、静かに首を振った。

「いや、『吸血鬼(ヴァンパイア)の城』のすぐそこに教会が建っているって、なんかシュールだなって思っただけ」

 メタい発言をするなら、その教会の十字架を持っていれば、平城に住むという『吸血鬼(ヴァンパイア)』が大幅に弱体化する、というギミックなのだ。

 当然、アルト達にはすでに関係無いし、そんな事を知る由もない。

 そんな会話を交わしつつ、一同が平城を迂回すると、その裏手には十字型の石の墓標がいくつも立てられた墓場があった。

 なぜかそこだけ空がおどろおどろしい色をしているのは、まぁ演出なのだろう。

「あの奥を見るのじゃ」

 ここまで口を閉じていた妖精王女アンが先頭へと飛び出でて指を指す。

 従って見れば、林立する墓標の合間から見える墓場の最奥に、宝箱が鎮座していた。

 これまでの階層でも頻繁に見た、いかにもな宝箱だ。

「墓場に宝箱って、思った以上に不自然だな」

「コンピュータゲームじゃ当たり前の風景ですがの」

 城の脇の教会を見とめた時以上に怪訝な表情で、アルトは呟き、同意とばかりに一同は深く頷いた。

「あの宝箱の中に『力ある宝石』の一つが入っておる。さぁ行って手に入れるのじゃ」

 皆が注目した事を満足そうに確認したアンが、満を持したようにそう告げる。

 告げられ、アルトは即座に疑問符を上げた。

「待て」

「ん?」

「ある場所がわかっているのに、なぜお前らは回収しなかったんだ?」

 当然の疑問であった。

 だが、アンはひたすら首をかしげて白を切るばかりだった。

「というかこの『のじゃ妖精』、『の一つ』とか言ったよ。ということは『力ある宝石』は一つじゃないんだ」

「いろいろツッコみがいがありそうやね」

 カリストとモルトは、半眼を晒しつつそう呟き合うのだった。


 何やら脱力し掛けてしまったアルト隊だったが、気を取り直して墓場へと向かう。

 ザっと見て墓標の数は50程度であり、それほどの広さがあるわけではない。

 そんな墓場の最奥にある宝箱へ到達するには、それこそ真ん中を突っ切れば数分と掛からず行けるだろう。

 とは言え、いかにもな場所なのでアルトを先頭に警戒しつつ足を踏み入れる。

 踏み入れ、それを引き金としたかのように、墓場のあちこちの土がモリモリと盛り上がり始めた。

「やっぱりこうなるか」

 諦観じみたアルトの声に呼応して、(パーティ)メンバーはそれぞれが身構える。

 姿を現したのは、すでにお馴染みとなった動く死体。怪物(モンスター)名・ゾンビである。

 その数、およそ十数匹。

「はーはっはっは、これぞ場所は判っていても回収できなかった理由ぞよ。さぁ勇敢な若者たちよ、とくと味わうがよい」

 戦いを始めようとするアルト隊。

 その姿を見て、妖精王女アンは高らかな笑いと共に、そうのたまった。

「この世界を救ってもらおうってのに、あの態度はおかしくないか?」

「まぁ所詮はギャリソン殿の作った世界ですからの。あの御仁もそうとう歪んでいなさるようで」

 愚痴りつつも背負った大太刀『蛍丸』を抜き放つアルトの言に、ため息交じりで返すレッドグースだった。

「つっても所詮はザコ敵。ここはオレたちが食い止める。おっさんは宝箱を開けてくれ」

「合点承知ですぞ」

 そうして墓場での戦いは始まった。

 とは言え、アルトの言う通り所詮は1レベル怪物(モンスター)である。

 十数匹が束になってもアルト一人に敵う訳もない。

 アルトもまた『ツバメ返し』と『木の葉打ち』を織り交ぜ放ち、モルトもまた『警護官(ガード)』のスキルを駆使して前衛に立つ。

 後衛職とは言え、ゾンビからすれば圧倒的レベル差を持つカリストやマーベルも、当然負けてはいない。

 高レベル魔法使い(マジックユーザー)ともなれば、こんな場面で大魔法など使うまでもなく、低レベルの攻撃魔法でも、魔力の差でそれなりのダメージを叩き出すのだ。

 アルト隊という名の暴風が吹き荒れれば、レッドグースが宝箱に到達するたった数ラウンドでも、この禍々しき墓場を制圧するに充分だった。

「先行するまでもなかったですかな」

 宝箱に取り付いたレッドグースは、そんな頼もしい仲間達を見て、そう呟く。

 そして、反対側から見ていた妖精王女アンは、小さく小さく、舌打ちを鳴らすのだった。


 さて、宝箱である。

 アルト隊の面々とアンが額を付き合わせ覗きこむ中、レッドグースが調べ始める。

「コマンド『しらべる』ですな」

「ハイどうぞ」

 小声でGM氏とそんなやり取りをしつつ、罠を探し、酒樽紳士は軽く頷いて自らのバッグに手を移した。

「罠はありませぬが、錠が閉まってますな」

 そんなレッドグースの言に、アンが楽しげに返す。

「そうじゃろそうじゃろ。じゃから先に向こうの地下迷宮で『宝箱の鍵』を手に入れねばならぬのじゃ。ぬふふ」

 だが、彼女がそういい終わるや否や、レッドグースは取り出した『盗賊の小道具(スカウトツール)』でちょちょいのちょいと開けていた。

 妖精王女アン、まるで埴輪のような表情である。

 その後、憮然とした表情になりつつ、中から出てきたゴブシ程もある黄色い宝石を指差した。

「おお、これぞ失われた『力ある宝石』の一つ、『イエローストーン』。よく取り戻してくれた。感謝するぞ」

 言葉のわりに、嫌そうな顔と声色だった。

「この羽虫、ちょっと捻っていいにゃ?」

「攻略情報は一応くれているし、ここは我慢しようよ」

 とは、マーベルとカリストの会話である。



 さて、そんなアルト達が苦労しているアルセリア島北東端とは正に反対側。

 アルセリア島南西端にある街に、一人の老人と馬頭の悪魔が降り立った。

 『錬金術(アルケニア)』の祖にして異界の神・ウォーデン老と、『転移術(テレポーター)』を修める悪魔・オリュフェスだ。

 そこは港街。

 レギ帝国は西奥の都会。ボーウェンである。

 港街に降り立った、とは言え、当然彼らは船から降りたわけではない。

 彼らは、港湾都市ボーウェンの各区画のちょうど中央に位置する公園に、魔方陣と共に忽然と現われたのだ。

 公園で休日を過ごす人、仕事で忙しそうに行きかう人、そして公園に露天を構える『商人(マーチャント)』たち。

 誰もがその現象にギョッとして、警戒心から後ずさった。

 結果、老人と馬頭の周りだけ、まるで大道芸人の演場の如く、ぽっかりと人がいなくなった。

「ふむ、しばらくタキシン王国やリルガ王国などという田舎におったからな。都会はなかなかに刺激的じゃ」

「我も人間の街は久しぶりである。この活気は懐かしくもあるな」

 2人は暢気にもその様に会話を交わしつつ、自分の周りだけ人が引いた様に気づく。

 だがそれでも動じる事はない。

 なぜなら、神と悪魔という立場上、どちらの御仁も人からこのように畏怖される事には慣れているからだ。

 ただ、しばし取り巻く人間達を見渡して、どうも様子がいつもと違うな、と首をかしげ、そして合点がいったと手を叩いた。

 2人を遠巻きに探る人々。

 始めこそ警戒心が強い視線を浴びせていたが、もうすでに大半が好奇心に変わっていたのだ。

 そこに怖れや敬いは当然無い。

「あのような目で見られると、少々うずくのぅ」

 それに気づいたウォーデン老が、少し楽しげに髭を揺らす。

 すると、馬頭の悪魔は赤く光る瞳を老人に向けて首をかしげた。

「何がうずくのだ?」

 その問いに、ウォーデン老は頭に載せていたつば広帽子を取り、胸の前に当て民衆に向けてお辞儀をしつつ答えた。

「芸人魂が。かのう」

 そこからは、どこからか集まってきた街の野良犬野良猫を見事に操る老人と、観客がもたらす岩や鉄くずを、見事な力業で粉砕する馬頭の奇人による大道芸が始まるのだった。


 小一時間もしただろうか。

 芸も一通り終えて御捻りなどが集められた頃に、2人を囲う民衆の壁をかき分けて兵士風体の男が2名やって来た。

「帝国軍人の軽装鎧じゃの。街の警備隊か」

 アルト達と合流する前は帝都レギに滞在していたウォーデン老にとっては、割と見慣れた姿だったのですぐに判った。

 人垣を何とか乗り越えた2人が彼らの目前までやってくると、その答え合わせだ。

「ボーウェン治安維持隊です。失礼ですが旅のお方とお見受けしますが、入門税はお支払いになられましたか?」

 果たして、ウォーデン老の見識は正解であったが、中肉中背で浅黒い肌の帝国軍人の言葉で「あー」と額に手を当てた。

 2人の帝国軍人は、特にオリュフェスの風体を見て一瞬ギョッとしたが、彼らが大道芸人だと納得したのか、すぐに姿勢を正す。

 さすが帝国軍人は教育が行き届いている。

「忘れておったの」

「ふむ、人間の街は面倒だな」

 2人は素直に、今しがた集めたばかりの小銭で税を清算した。


 入門税も払って無事、正規の旅行者と認められた2人は、堂々と街を歩く。

 足が向くのは商業区と職人街の合間あたりだ。

「して老人よ。この街では何をするのだ?」

 歩を進めつつ、タクシー代わりに召喚された悪魔がウォーデン老に問う。

 ウォーデン老の歩みは決して早くない。はずである。

 半身がすでに消し飛んでいて、それらを擬似的な何かで補っているのだから当然である。

 だが、不思議とオリュフェスが合わせて歩を落としている様子も無い。

 まぁそれはともかく、オリュフェスの問いにウォーデンは答える。

弟子(ハリエット)が勧める冒険者がこの街のおるそうだ。その者たちをスカウトに来たのだ」

「ほほう、するとその者たちがこちらにおるのだな?」

 目的が明瞭となり、オリュフェスは満足そうに馬の頭を縦に振る。

 しかしその理解に対し、ウォーデンは否定の意で首を振る。

「まぁ慌てるな。せっかく都会に来たのじゃから、少しばかり美味い物を食っても、バチは当たるまいよ」

 そう言って指差す先には数件のレストランが立ち並んでいる。

 気の効いた者ならそのレストランの中でも『煌きの畔亭』という店が、特に繁盛してる事に気づくだろう。

 彼らの脚は正しくその店に向かっていた。

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