第3章47話-1:遠距離
岩原を歩き続ける。
俺はサイコキネシスの防護膜を展開していた。
いつなんどき、誰から攻撃を受けてもガードできるように……だ。
異世界は、いきなり不意打ちで死ぬこともある世界。
普段から用心するに越したことはない。
(特に疲れることはないし、今後はサイコキネシスの防護膜を、常時展開してもいいな)
と俺は考えた。
歩く。
歩く。
歩く。
途中……俺は気になるものを見つけた。
武器だ。
バスタードソードが転がっている。
ただのバスタードソードではなく、強化がほどこされているようだ。
「冒険者が落としたものか」
と俺は推定する。
さらに歩いていく。
すると、バスタードソード以外にも、さまざまな武器を発見した。
落ちていた斧。
転がるハンマー。
平原に突き立つ大剣や槍。
――――まるで戦場跡地だ。
多くの戦士や冒険者が、この平原で命を落としたことがわかる。
彼らの命を奪ったのは、うわさに聞く刃竜であろう。
さらに俺は気になる武器を発見する。
「お? これはサトゥベリアか」
サトゥベリア。
別名―――【闇炎のダガー】。
闇の紫色と、炎の赤黄色が混ざり合ったダガーであり、Aランクのレア武器である。
20%の確率で相手の防御を無視する【防御貫通】のスキルが付与されている。
防御が硬い敵に使うと、非常に有効である。
(こんなレア武器が落ちているとはな)
刃竜に殺られた冒険者たちのドロップ品だろう。
せっかくだし貰っておくことにしよう。




