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第2章30話:第二段階

だがすぐにローゴスは余裕の表情を見せた。


「くくく、舐めるなよ」


「……?」


俺は首をかしげる。


ローゴスは言った。


「我の本気がこの程度だと思ってもらっては、心外しんがいだ」


「ふむ」


第二段階だいにだんかいがあるのだよ。我の真の姿――――貴様に見せてやろう!」


ローゴスがりょうこぶしを握り締める。


筋肉が膨張し始める。


それにともない、魔力量も膨れ上がった。


あまりの魔力の濃密さに空間が歪み始める。


ローゴスの肉体が次第に肥大化ひだいかしていき、やがて。


変身を遂げたとき、1.5倍ものサイズへと巨大化きょだいかしていた。


「こうなったら、もう手加減はできぬ。終わりだ、人間」


そう告げた直後。


ローゴスの姿が消え……


拳を放ってくる。


俺は拳を避けつつ、言った。


「また殴り合いか? 性懲しょうこりもないな」


「さて、それはどうだろうか」


ローゴスが手に魔力を込める。


その手をこちらに向けてかざしてきた。


次の瞬間、魔力の光砲ビームが発射される。


「……!!」


俺の視界が真っ白に染まった。


ローゴスが放った魔力の光砲ビームは、俺の周囲にあった床や壁を、跡形あとかたもなく消し飛ばした。


「まだまだァ!!」


ローゴスが次々と光砲を放ってくる。


そのたびに床や、壁や、天井が消し炭と変わり……


やがて、建物が崩れ始めた。


(暴れすぎだろ、コイツ……)


一度、崩落ほうらくを始めたら、あっという間だ。


居城きょじょうはあっけなく崩れ落ち、床が抜けて、俺はちゅうへと投げ出される。


(ちっ……これはさすがに、サイコキネシスを使うしかないか)


念力格闘術などと言ってられない。


まあ、ローゴス以外の魔族は殺し尽くしたから、誰も見ていない。


サイコキネシスを使ったところがバレても、唯一の目撃者であるローゴスを殺せば済む話だ。


俺は普通にサイコキネシスを発動することを決意し、まずは宙に浮いた。


そしてローゴスの気配を探る。




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