エピローグ
数年後。俺は死に物狂いで勉強して、なんとか遥と同じ大学に入学して無事卒業することが出来た。卒業後に結婚しようと約束を交わして。
遥の両親は噂に聞いていた通り、相当な堅物で説得には苦労したが最後には熱意に負けたのか結婚を許してくれた。余談だが、うちの両親は即答で快諾していたけれど。
結婚後、別々の会社に勤めながら僅かな時間で愛を育んでいって。
ぶつかることや喧嘩することもあったけど、ずっと傍にいることは変わらない。
「この子、遊び疲れて寝ちゃった」
変わったと言えば、大人っぽくなった遥がおかしそうに笑いながら胸に抱いた我が子の頬を突いていることくらいだろう。家族が増えて、より二人の愛も深まった。
「美雪たちが来る前に寝ちゃうなんて、我が子ながらホント可愛らしいよ」
「うん。あ、美雪ちゃんたち来たみたい」
遥が手を振ると、遠くの方からお腹の置きくなった美雪と辰真がやって来る。
あいつらも結婚したというのだから、人生何が起きても不思議ではない。
「なあ、遥」
「うん?」
「俺はこの先もずっと、君を愛し続けるよ」
「きゅ、急にどうしたの?」
「なんとなく言いたくなっただけ。ほらバーベキューはじめんぞ」
腕をまくり、勢いよく立ち上がると遥はいつの日かと同じように耳元で。
「私も、和也を愛し続ける」
ボソッと囁いた声は、高校生の頃の遥に似ていて。少し、ドキッとして。
今一度、遥への想いが沸き上がる。
甘やかされて付き合っていると勘違いされてはじまった二人の恋。
それがいつの間にか、勘違いされては困る本当の恋になって。
遥と出会えて本当に良かった。
あのまま不良でいたらまた別の道を進んでいた気がする。
遥かと出会えたから、俺は変われたんだ。
だから、残りの人生を全て遥に捧げる。
遥。
――ありがとう。
「学校一の美少女に甘やかされる日々を過ごしていたら付き合っていると勘違いされた。時々、おっぱい」はこのお話で完結いたします。
ご声援、ご愛好ありがとうございました。
次回作も頑張って毎日更新していきますので、応援よろしくお願いします。
読者の皆さまに面白いと思ってもらえるような作品を作り続けていきます。




