表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/726

確かにお偉いさんだけど

「利兵衛!領民の皆が「今日偉い人が儂に会いに来ると言っておったぞ!何か知っておるか?」


「若様。申し訳ありませぬ。実は、大殿から「当日になるまで倅には内密に」と三日前に書状が届きまして」


「利兵衛は中を見たのか?」


「はい」


「利兵衛よりも父上に色々言いたいところじゃが、とりあえずその書状を持って来てくれ」


そう言われた利兵衛は書状を持って来た。その内容はというと


「徳川様の嫡男の松平三郎様と数名の家臣が避難の為、此方でしばらく過ごすから、世話をしろ?これは織田家と徳川家の両方で決まった話だから、拒否は許さん。一行が到着するのは一月七日から九日頃だから準備しておけ」


うん。確かにお偉いさんだな。でもよ、確かこの時期の松平信康って、徳川家の本貫の地である三河国の岡崎城で代理で家臣の助けを借りながら、差配をしてたんじゃなかったけ?


まあ、他所の家の事はとりあえずおいといて


「利兵衛。父上は「何故内密に?」と言っていたか分かるか?」


「若様。そういった深い話は屋敷内で」


「そうじゃな。では戻ろう」


で、俺と利兵衛と飯富兄弟に鬼武蔵さんの5名で説明会になりましたよ


「さて利兵衛。先程の件だが」


「はい。実は大殿からもう一つ書状を受けておりまして、この書状は若様以外では知っている人間は少数に止めよ。と、厳命されまして。これがその書状です」


そう言って利兵衛は俺に書状を渡した。その内容が


「徳川家と織田家の連合軍が遠江国の三方ヶ原で敗れ、徳川家は現在のところ軍勢を動かせず、このまま三河国に入った場合、岡崎の者達では太刀打ち出来ず、最悪の場合、皆殺しになる可能性がある為、嫡男と一部の者だけでも安全な場所へ避難させてくれ」


「なるほど。徳川様が動けないという現状から岡崎に助けに行けないから、嫡男の三郎様を此処に一時的にとはいえ避難させると」


「その様ですな」


まあ、理屈は分かるよ?武田軍が東海道を通って上洛するから、その道中にある三河国は安全じゃなくなるし戦力が無いから、嫡男と一部の者だけでも逃がそうというのは


でもさ、そんな大事な存在の嫡男と家臣達を同盟相手の家臣の領地に、しかも戦力も豊富とは言い難い場所に避難させていいのか?


俺がそんな事を考えていると、利兵衛が


「若様。徳川様が織田家へ送った書状の内容を大殿を通して知ったのですが」


「何か気になる事が記されていたのか?」


「ええ。徳川様の推察になりますが、「武田信玄、重い病の可能性有り」と」


おいおいおいマジか。史実どおりの展開じゃないか。といっても信玄が半年以内に病死するのを知っているのは俺しか居ないから避難させるのも仕方ないか


「それならば利兵衛よ。武田は信玄の代わりになる者が指揮を取って三河国を奪う可能性が有るから避難をさせる。という事か。源太郎と源次郎。此度の武田の上洛に嫡男は当然居ると思うが、どの様な人物じゃ?」


「嫡男の四郎勝頼は、殆どの家臣に武田の後継者として認められておりません」


「何故じゃ?」


「あの男は武田が攻め滅ぼした諏訪の家の当主で終わるはずが、腹違いの兄が自害した事で嫡男の座が巡って来たのですが、それを古参の家臣達が良く思わないのです」


「つまり、信玄が死んだ場合、武田は統率が取れない軍勢になってしまうと」


「「はい」」


まあこれも史実どおりな展開だな


「若様。今はそれよりも」


「そうじゃな!とりあえず、松平三郎様一行を迎えに行くか」


さて、お坊ちゃんと家臣の皆さんをもてなしますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ