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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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浜松城攻防戦⑤〜判断を鈍らせるは〜

武田の包囲開始から二日、徳川方は武田の兵数が自分達とほぼ同数な事を足軽達に伝えない事を決めた。


ほぼとはいえ同数である事を足軽達が知ったら油断を招いてしまうとの家康の判断だった。そして、この事は考えが楽観的な佐久間にも水野を通して内密にする様に求めた


いくら佐久間が楽観的でも、三方ヶ原で武田の強さと恐ろしさを身をもって経験したら、いつもの家康をイラつかせる発言は出なかった


一方武田方は、年末の寒さと休みがほとんど無い強行軍が重なって、兵達の動きは鈍かった。それを知った勝頼は


「お館様に援軍を求めるな?何故ですか馬場殿」


現存の兵達ではまともに戦えないと悟り、援軍を信玄に求めようとしたが、馬場が勝頼に待ったをかけた


「四郎様。現状を打破したいお気持ちは分かりますが、今お館様の周囲の兵をこちらに求めた場合、その事が何処ぞから漏れてしまい織田の主力がお館様の元へ集結する可能性もあるのです」


「し、しかし。お館様の元には二万以上の兵が居るのだから」


「四郎様。織田は我々と比べると兵の質は落ちますが、尾張と美濃と伊勢の全域、更に伊賀のおよそ半分を支配しており、数だけならば我々より圧倒的に多いのです。なればこそ万が一を考えてくだされ」


「ならば儂は目の前に、手の届くところに、徳川の首が見えているというのに、何もするなと申すのか?」


「四郎様。我々が焦るという事は、徳川もまた焦っている事でしょう。何故なら三方ヶ原と撤退戦で殿軍を務めた者達の弔い合戦をしたいはずです。その時に城門から出陣してくるでしょう」


「出陣しない可能性も有るではないか!」


「その場合は、徳川が我々に臆したという事です。徳川を威圧して足止めしただけでもお館様はお褒めいただくかと」


「分かった。包囲を続ける」


「包囲だけでも武威を示せます。ここは耐える時です」


馬場は何とか勝頼を落ち着かせたが、撤退まであと2日耐えられるか不安だった。

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