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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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浜松城攻防戦④〜穴は穴でも武田の穴〜

浜松城を囲んで初日の夜になった。勝頼は城の周囲を足軽達に探らせた。足軽達は1つでも多くの武功を挙げて出世の足がかりにする為張り切っていだが、中には1人で突撃して討ち取られてしまう者も居た


こうして初日は何も掴めずに終わった。馬場と山県は安堵したが、勝頼は別だった。


主君である父の信玄から「徳川を追撃してこい」と命令を受けるという事は、最高の結果は家康の首を取って徳川を降す事であり、


最低限の結果は徳川が軍事行動をしばらく起こさない様に痛めつける事だと、勝頼は理解していた。これも勝頼が一番の武功を挙げて、


周りの者達が「四郎勝頼様が武田の後継者」と納得して、次の武田家がスムーズに行く様に。との信玄の親心だった


だからこそ勝頼は、今回の城攻めを何としても成功させたい焦りの気持ちが行動にも出ていた


「まだ穴になりそうな場所は見つからぬのか!!?」


「も、申し訳ありませぬ。守る徳川の者があちらこちらにおりまして」


「ならば更に多い人数で動けは良いではないか!!」


「し、しかし。本陣を手薄にするのは」


「ええい!もういい!夜が明けたら即座に動いて、穴になりそうな場所を探せ!」


そう言って勝頼は足軽を本陣から下がらせた。勝頼と共に本陣に残っていたのは馬場と山県だった。2人は勝頼が焦っている事を察して


「四郎様。三方ヶ原で徳川達と戦い、更に休み無しで追撃を行えばいくら屈強な武田の足軽といえど疲労でいつもの様に動けぬかと」


「四郎様。追撃軍の総大将は四郎様なのです。御立場的に焦らずとも良いのです」


「馬場殿、山県殿」


「それに一日や二日で落城する様な城なら徳川の者達は籠城策を取らずに逃げ回るはず」


「そうですぞ。一日や二日で城の弱点を見つける事はお館様でも出来ませぬ」


「お館様でも出来ない」


「そ、そうですぞ。城攻めは時がかかるもの。お館様程の名将でもそれは変わりませぬ。だからこそ四郎様も」


何とか2人が勝頼を落ち着かせようと頑張った結果


「分かった。足軽達には明日は城を囲むだけにするから、交代で休む様に伝えてくだされ」


「「ははっ」」


勝頼から命令を受けた2人は家臣を通して足軽達にその旨を伝えた。その事を伝えられた足軽達は喜んだが、一部の足軽は


「朝令暮改とは。いくら若いといえど、四郎様がこのまま武田の当主になったら。いや、ここから先は口に出すのは良くないな」


他の者に聞こえない様に囁いていたが、少なからず勝頼に不信感を、そして武田の将来に危機感を抱いていた。

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