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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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三方ヶ原追撃戦①〜追う武田も状況良からず〜

場面は三方ヶ原。武田軍が残った徳川の足軽達、約2000を討ち取り、戦の趨勢が完全に決まった


討ち取られた徳川の兵も武将も皆、前のめりの状態で死んでいた。これは全員が逃げずに戦い続けた証でもある


それを見た武田の者達は


「死んでも尚、主家を守る気概を示すとは」


「数が我々と同じだった場合、死んでいたのは我々だったかもしれぬ」


と、それぞれ徳川の足軽達の死に様に思うところがあった。しかし武田の本陣は、そんな状況ではなかった


「お館様!」


「いかん!御重臣の方々を」


信玄が吐血して倒れていた。幸いにも会話は出来る状態であったので信玄は近習達に


「孫六と山県と馬場と内藤と春日を呼べ」


「し、四郎様は」


「あ奴は徳川を追わせる。五千の軍勢を預けるから徳川を追う様に伝えよ」


「し、しかし」


「早う、せん、か」


「「ははっ」」


近習達は信玄の気迫に押され、1人は勝頼に命令を伝えに、もう1人は名前のあがった5人を集める為に本陣から走り出した


そして5人が集まったが、5人は信玄の状態を見て愕然とした。体を近習に支えられないと椅子にも座れないうえに、小刻みに震えていた。それでも信玄は


「皆、此度の戦、よく働いた。我々の勝利に終わったが、徳川に更に痛手を負わせる為に四郎に追撃させておる。そこで山県と馬場、お主達は四郎の補佐の為、浜松城へ向かえ。内藤、と春日、は退陣を進めよ。そし、て孫六。お主は儂の代わりをせ、よ。儂はしば、し、休、む」


そう言うと信玄は気を失った


「「「「「お館様!!!!!」」」」」


5人は信玄の元へ駆け寄った。信玄が呼吸をしている事に一安心したが、完全に不安が無くなった訳ではない。それでも信玄からの命令を遂行する為、準備に取り掛かった


勝頼の元から戻って来た近習も加わり、信玄を寝かせながら移動出来る屋根と目隠し付きの輿に乗せて三方ヶ原を離れて、新たな陣所へ移動した


そして信玄に扮した信廉が山県と馬場に


「山県殿、馬場殿。実は数日前にお館様より「儂になにか起きたら徳川を追撃し、五日間城を囲み五日目の夜、徳川に見つからぬ様に撤退せよ」と託されていた。この状況で四郎殿に追撃させたのは、周りを黙らせる為に武功を一つでも多く稼がせる為じゃろう。お館様の事は心配じゃと思うが、まずは徳川の追撃を頼む」


「「承知した」」


こうして山県と馬場は家臣達を引き連れて勝頼の元へ向かった。そして内藤と春日の退陣作業を見ながら信廉は


「ご先祖様。そちらに兄上が逝かない様に力をお貸しくだされ」


信玄の容体が回復する様、神頼みしていた。

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