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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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六三郎は新年も頭を働かせていたが

天正二十三年(1595年)一月三日

陸奥国 伊達家屋敷


「殿は新年早々、また何かを考えておられるのか?」


「伊達様の御母堂様と姫君から、「女子供に人気が出るであろう鹿の毛皮に何かしら足せぬか?」と言われて、昨年末からあの様な状態じゃ」


「伊達様達も色々と考えておられるそうじゃが、やはり殿の考えに期待しておるそうじゃからのう」


「我々も何かしらの提案をしたいが、この様な戦以外の事は不得手じゃからのう」


皆さんこんにちは。年明け早々から、頭の中をフル稼働させております柴田六三郎です。伊達政宗のお袋さんと娘ちゃんから、


「鹿の毛皮を更に可愛く見せる髪飾りとかの付属品を作ってくれ」と提案されましたが、その原案すら思い浮かばない現状です


髪飾りだと簪が候補だけど、金属製の簪を作れるだけの鉄が会津にあるか分からないし、現状だと装飾品製作よりも武具製作が最優先で、その次に農具製作だろうからなあ


と、なるとやっぱり木工品か?そこら辺の木材で簪を作っても耐久性がなあ、それに、そもそも簪では目立たない!それを考えると、、、


六三郎が煮詰まってしまっていると


「あああ!」


赤備えの中から叫び声が聞こえて来た。何事かと思い、六三郎が現場へ向かい


「何事じゃ!?」


襖を開けて呼びかけると


「殿、源二郎が騒がしくして申し訳ありませぬ。実は源二郎の兜に付けております角が折れてしまいまして」


昌幸が、「次男の信繁の甲冑の角が折れた」と説明してくれた。昌幸は淡々と説明していたが、信繁は


「父上!何故それ程落ち着いておるのですか!殿からいただいた赤備えの甲冑が、一部とは言え壊れたのですぞ!大事に大事に扱って来たのに!殿!誠に申し訳ありませぬ!」


頭を下げて詫びていた。そんな信繁に六三郎は


「源二郎、気にするな、新しい角を準備したら良い事じゃ。甲冑が壊れても新しく作り直せば良いだけじゃ。だから気にするな」


「殿、、ははっ!」


信繁をフォローして、信繁も了承した。とりあえず信繁が落ち着くと六三郎は


「しかし、10年と少しの期間、折れなかったのじゃから、改めて牛の角は強いのう」


折れた角を手に取りながら、しみじみとしていた。すると


(あれ?この曲線、、未来の時代で女性は勿論、男性も使っているアレと同じだな。アレをどうにか木工品で再現出来れば)


髪飾りの何かしらのヒントが出て来た様で、例のクセが出た状態で折れた角と睨めっこをしていた。そんな六三郎に赤備え達は


「殿が、源二郎の折れた角から何か得ようとしておるな」


「戦以外で何かしらの妙案が出るのは、甲斐国での泥かぶれの対策依頼じゃ!」


「我々も伊達家も領民達も驚く内容に間違いないじゃろうな!楽しみじゃ!」


六三郎がどんな妙案を出すのか、楽しみにしていた。そして、ひととおり考えがまとまった六三郎は


「源二郎!この折れた角のおかげで、髪飾りの問題が解決するかもしれぬ!この角、しばらく借りるぞ!」


そう言って、角を持って政宗の居る大広間へ行くと


「伊達殿!髪飾りの件ですが、解決出来る可能性が出て来ましたぞ!」


「柴田殿!誠ですか!?ど、どの様な妙案なのですか?」


政宗に報告したら、政宗はテンションが上がった。しかし六三郎は


「伊達殿。その為に必要な人材が居るのかを確認したいのですが」


「どの様な人材ですかな?」


冷静に「ある人材が必要だ」と伝える。六三郎の言葉に冷静になった政宗も、その人材について六三郎に質問する


「はい。竹細工の職人を探しております」


「竹細工の職人ならば、領内に居ますが。柴田殿、竹細工で髪飾りを作るのは、細くて壊れやすいと思うのじゃが」


六三郎の探していたのは竹細工職人だったが、政宗は竹細工の髪飾りは壊れやすいのでは?と質問する。政宗の質問に六三郎は


「確かに、通常の大きさの髪飾りだと壊れやすいでしょう!ですが、此度作ってもらうのは、大きめの髪飾りです!それも真新しい物である可能性の!」


「大きい髪飾りだ」とアバウトな説明をする。六三郎の説明を聞いた政宗は


「良く分からぬが、何やら新しい物が出来そうですな!小十郎!柴田殿を竹細工職人の元へ案内して差し上げよ!」


「ははっ!」


景綱に六三郎の案内を命令すると、赤備え達の中から数人が護衛役に選ばれ、急いで竹細工職人の家に向かうと、


屋敷を出ておよそ15分ほど歩いた領地の外れにある竹細工職人の家に到着すると同時に景綱は


「竹爺!居りますかな?」


家の中の人間に呼びかける。すると、家の戸が開いたが、中から現れたのは「竹爺」と呼ばれている様な老人ではなく、


六三郎達よりも若い、それこそ10代後半くらいの若者だった。その若者は


「竹爺は、自分の祖父ですが、皆様は祖父に何か用でもあるのですか?」


景綱にそう質問する。景綱は


「いきなりで申し訳ない。拙者は伊達家家臣、片倉小十郎と申す。後ろの方々は織田家家臣の柴田播磨守様一行なのじゃ


その柴田様が竹細工職人を探しておってな、それで竹爺に是非とも協力してもらおうと思ったのじゃが、竹爺は居ないのか?」


事情説明をした後、竹爺が居ないかと質問するが、若者は


「爺様なら、二ヶ月前に死んでしまいました」


まさかの衝撃事実を景綱に伝える。それを聞いた景綱は


「ま、誠に、竹爺は死んでおるのか?」


「はい。元々、年寄りだったので、気がついたら」


改めて確認するが、やっぱり死んでいるとしか答えない。その状況に景綱は


「こ、これから新たに、竹細工職人を探すとなると」


これからまた、竹細工職人を探す事に不安を覚えていた。そんな中で六三郎が


「ええと、竹爺殿の孫である、そなたの名を教えてくれぬか?」


「はい。竹助と申します」


孫に興味が湧いたのか、名前を聞いて、竹助も名乗る。竹助の名前を聞いた六三郎は


「片倉殿、こちらの竹助殿に件の髪飾りを作ってもらいましょう!どうやら、竹助殿も竹細工職人の様ですから!」


「竹爺が居ないなら竹助に作ってもらおう」と提案する。それを聞いた景綱は


「た、確かに。家の中を見たら竹細工が数多くある。竹助殿!今から柴田様が説明する物を、作ってくれぬか?」


竹助に頭を下げて、髪飾り製作を頼み込んだ。景綱の必死な様子に竹助は


「ちょ、ちょっと、片倉様!自分みたいなしがない職人に頭を下げるなど、、分かりました。先ずは家の中でを聞かせてください!


作って欲しい物が自分の腕で作れるかどうかを判断させてください!」


景綱の熱意に折れる形で、とりあえず話を聞く事にした、

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― 新着の感想 ―
新規事業に若手の職人を起用できれば長期スパンで試行錯誤もできそうですわ。
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