雪深い会津に到着した早々
天正二十二年(1594年)十二月一日
陸奥国 伊達家屋敷
場面は少し戻り、摩阿姫が人生最高のモテ期を迎える1ヶ月前、陸奥国は会津の伊達家及び信長一行が伊達家の屋敷に到着した所から始まる
「右府様!柴田殿!そして、各々方!此方が伊達家の屋敷にございます!どうぞ中にお入りくだされ!」
「うむ!世話になるぞ!しかし、奥州はやはり雪深いのう!予想以上の冷たさじゃな六三郎!」
「はい!とても寒いです!伊達殿達が慣れているのは、流石としか言えませぬ!」
皆さんこんにちは。やっと陸奥国の伊達家屋敷に到着しました柴田六三郎です。この世界線では、初めての東北地方に到着しましたが、
子供の頃に同じく雪深い美濃国で、雪を経験したのに、その美濃国が暖かく感じる程に、寒いです!やっぱりデカい山が多いと雪が多く積もるから寒いのか?
そんな気持ちになる程、寒いです!これは、早く屋敷の中に入って、暖かくならなければ!
そんな事を考えながら、伊達殿の案内で屋敷内に入りますと
「「「「右府様!柴田様!ようこそ伊達家へ!」」」
お袋さんの義姫さんを筆頭に、家臣さんや女中の方々が平伏して出迎えてくれました。ありがたい事は間違いないのですが、まだ話し合いをした訳でもないのに
義姫さんの圧を凄く感じております。何とか、大殿に例の話を振る事が出来ないかなあ。そんな事を考えていた事を大殿は察したのか
「六三郎!色々と考えておる様じゃが、先ずは身体を休めよ!」
俺に「先ずは休め」と言ってくれたので、
「ははっ!」
とりあえず言葉に甘える事にした。俺の対応は、伊達殿の従兄弟で一門にあたる伊達藤五郎殿が担当してくれる事になったのですが、
この藤五郎殿、どうやら銀次郎達と同じ脳筋な所がある様で
「柴田様!関東での戦のお話、殿から教えていただいたのですが、あまりに見事な策であったと此方に戻って来ても興奮しておりました
拙者は留守居役を務めておりましたので、関東には行けなかったのですが、もしも右府様と柴田様が伊達家に居られる時に戦が起きましたら、是非ともご一緒に出陣したく!」
これから戦が起きる事を期待する、俺にとってはやめて欲しいフラグ発言をしております。マジで、そんなの勘弁して欲しいのですが!
「藤五郎殿。お気持ちは分からないでも無いですが、やはり戦は無いに限りますから、起きた場合は仕方ないですが、此方から起こすのは悪手ですぞ」
遠回しに、「俺からは戦を起こさないよ」と言ったのですが、藤五郎殿は
「成程、相手から攻撃させて、それを大義名分に相手を殲滅するのですな!いやはや、やはり柴田様は戦において一切の容赦が無いのですな!」
微妙に、俺の発言を勘違いしております。ああ、これは話せば話す程、ドツボにハマるパターンだ。もう休む事にしよう
「藤五郎殿。そろそろ、部屋に入って少しばかり休みたいので」
「いやいや、長い立話をさせてしまい申し訳ありませぬ。何かありましたら遠慮なくお呼びくだされ」
藤五郎殿はそう言って、俺の部屋から出て行った。やっと休める。そう思っていたら、今度は
「柴田様、伊達家家臣、片倉小十郎にございます。少しばかり御相談したい事があるのですが、よろしいでしょうか?」
家老ポジションの片倉さんが来ました。相談って何ですか?大殿に話してくれよ!そう思っても口に出す度胸は無いので
「どうぞ、入ってくだされ」
部屋の中に入れましたら片倉さんは
「いきなり来たのにも関わらず、対応していただき忝うございます。相談の内容なのですが、我々伊達家一行、
常陸国にて佐竹家がワインの原材料の葡萄の栽培を始める事を聞きました。そこでですが、柴田様。この陸奥国の会津で葡萄の栽培は可能でしょうか?
もしも可能でしたら、伊達家もワイン作りに参入し、米や麦以外の税収を得たいと思っております。そこで柴田様から、お屋敷に居る間でも構いませぬので、
栽培の指導をお願いしたいのですが、どの様な事から始めたら良いか教えていただきたく」
「伊達家もワイン作りをしたいから、色々教えてくれ!」と、お願いして来ました。それに関しては俺が勝手に出来る案件ではない!でも、大殿に話が行ったら、間違いなく悪ノリで
「常陸国の時と同じ様に働け!」と言うのが目に見える!言われたからには働かないといけない!チクショー!これがジレンマと言うやつなのか?
仕方ない、大殿次第なのは間違いないんだから諦めよう
六三郎は腹を括った様で
「片倉殿。申し訳ありませぬが、拙者の一存では決められませぬ。右府様次第なので右府様へ、先ずは話を持って行ってみてくだされ」
「先ずは信長に話してくれ」と答える、六三郎の答えを聞いた景綱は
「右府様がご了承したならば、葡萄栽培に取り組んでくださるのですな!分かりました!殿を通じて、右府様へお話をしてみたいと思います!それでは失礼します」
政宗を通じて信長へ話してみると伝えて、六三郎の部屋を出て行った。景綱を見送った六三郎は
「やっと休める」
と安心したと思ったら、
「柴田殿、藤次郎と小次郎の母です。入りますがよろしいですか?」
今度は義姫が六三郎を訪ねて来た。義姫の声を聞いた六三郎は
(今度はお袋さんとか、勘弁してくれよ)
内心そう思っていたが、頑張って対応しようと襖に向かうと
「母上!柴田様を休ませてくだされ!」
小次郎の大声が聞こえて来た。小次郎に対して義姫は
「小次郎!伊達家の未来の為に母は動いているのです!下がりなさい!」
「伊達家の未来の為だから、止めるな!」と伝えるが小次郎は
「それは明日でも良いではありませぬか!右府様も柴田様も、常陸国からの移動で疲れております!休ませてくだされ!誰ぞ、母上をお部屋へご案内せよ!」
「「「ははっ!」」」
義姫の言葉を無視して、義姫を家臣に渡した。義姫がすんなり連れて行かれると政宗も到着して、部屋の襖の前に立ち
「柴田殿、失礼しますぞ」
そう言って、襖を開けて、部屋の中に入り六三郎へ
「「母上が騒がしくして申し訳ない」」
小次郎と共に頭を下げた。六三郎も
「ま、まあ、何も無かったのですから、頭を上げてくだされ」
そう答えて、2人も頭を上げる。そして政宗が
「今日と明日は、ゆっくり休んでくだされ」
そう言って、小次郎と共に部屋を出て行った事を確認すると
(マジで伊達家の皆さん、クセ強過ぎないか?移動の疲れもあって、余計に疲れた。今日はこのまま寝よう)
疲れ果てて、そのまま眠りについた。




