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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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農業改革での泣き言は聞かない!

天正二十二年(1594年)九月二十五日

常陸国 某所


「本日の作業はここまでとしましょう!」


「お、終わっ、た」


「こ、これ、で、水路を、作った、距離は、何里、じゃ?」


「今日で、六日、目で、確か、十五、里、じゃ」


「一日で、二里、半も、耕して、何故、柴田、様の、家臣の、方々、は、あの、様、に、平気で、立って、おる、のじゃ?」


皆さんこんばんは。常陸国の佐竹家の水戸城周辺、と言って良いか分からない距離まで進みながら、農業改革の一端の水路作成をしておりました柴田六三郎です


250人の赤備えの皆と、新たに臣従してくれた新田家、楠木家、松永家を中心とした60人、それに佐竹家から一千人が参加して、水路作成作業をしてありましたが


改めて、赤備えの皆はもう仕方ないとして、何故新たに臣従した皆さんが、かなりの体力を必要とする土木工事を平気でこなせているのか、不思議でなりません


佐竹家の皆さんに関しては、初日の前半は元気だったんです。でも、そこから筋肉痛が発生したのでしょうか、歩くのもやっとな状態になり、


鍬を振るのもままならないと言う事で、佐竹家の陣頭指揮を取る嫡男の次郎くんと動ける家臣さんが簡単な掘立て小屋をいくつか作り、そこで家臣の皆さんを寝かせておく措置を取ったのですが、


その際の食事も取らないといけないと言う事で、体力の有り余っている赤備えの皆で、猪や鹿を狩りに行って、佐竹家の皆さんに分け与えるという、何とも不思議な光景を目にしました


まあ、赤備えの皆は俺の飯を食わせたら体力も回復するだろう!と言う名目で、俺が飯を作る事を要求しておりましたが


まあ、それは良いのですよ。早く終われば、早く伊達家に向けて出立出来るし、とりあえず6日間頑張って十五里、およそ60キロも水路を作成して、伸ばして来ましたので


次は、百姓の皆さんに水の調整を含めた、色々な細かい事を覚えてもらいましょうか


翌日

常陸国 水戸城周辺


「さて、文蔵殿を始めとした皆様!拙者の家臣達と佐竹家家臣の皆様が頑張ってくれた結果、先ずは水戸城周辺の水路が隈なく広がる事が出来ました


そして、その間に皆様は、拙者の言った事を守ってくれた様ですな。田畑の周りを木の板で囲っております事、誠に感謝致します」


皆さんおはようございます。文蔵さんを始めとした百姓の皆さんの期待に満ちた顔が眩しくてドキドキしております柴田六三郎です


米の収穫は既に終わっているので、試験的な形を見せる分には問題無いのです。なんですが


「文蔵殿、何か百姓の皆様の人数が増えている様な気がするのですが?」


何か、明らかに百姓の皆さんが倍増しているんじゃないのかと思える程、人数が多いんです。それこそ初日は30人くらいだったのに、今は100人くらい居るかもしれません


そんな俺の質問に、文蔵さんは


「柴田様、佐竹様。申し訳ありません。水戸城周辺だけでなく皆様が水路を作ってくださった村々の百万達も、米作りの新しいやり方があると思った様で、此方に集まって来たのは、百人程になります」


「100人くらい居ます」と教えてくれた。100人も居たら、絶対後ろの人は見えないだろうなあ。その場合は交代させながら前に来てもらおう


「それ程、期待されておるのですな。それならば出来るかぎり皆様に分かりやすく指導しないといけませぬな!指導を見る場合、百姓の皆様は交代しながら前に来て、しっかりと見て覚えてくだされ」


「「「「はい!」」」」


「それでは、先ずはあちらの畑にて形をお見せしましょう!佐竹家の文官の方、忘れずに書き記してくだされ!」


「ははっ!」


と言う事で、およそ200メートル程歩いて田畑に到着しますと


「それでは形をお見せしますが、此度は5人1組でやりたいと思います。源太郎、金之助、新左衛門、彦兵衛!お主達4人と儂で見本を見せるぞ!準備せい!」


「「「「ははっ!」」」」


で、4人が田畑に入りましたら


「皆、儂の真似をしたら良いからな!先ずは、米の苗に見立てた木の枝の入った箱を持ったか?」


「「「「はい!」」」」


「それでは、最初の一本を植えよ!一直線になる様にな!」


「「「「ははっ!」」」」


俺の声でスタートして、植えると、綺麗な一直線になったので


「次は、縦と横が同じ列になる様に植えよ!」


「「「「ははっ!」」」」


これも綺麗な縦横一直線に植える。これを繰り返して行って、木の枝を刺し終えると


「「「「「おおおお!」」」」」


百姓の皆さんだけでなく、佐竹家の皆さんも感嘆の声を上げております。そんな中で文蔵さんが


「なんと正確な!柴田様、この植え方は以前我々を並ばせた理由なのですな?」


並ばされた理由を理解した様です。それじゃあ、正条植えのメリットを簡単に説明しますか


「文蔵殿、この植え方だと手入れも真っ直ぐ一列ずつで済むのです。そして風も隙間を通っていくので、暑い年も稲がダメになる可能性が下がります」


俺の説明を聞いた文蔵さんは


「な、成程!手入れが簡単なら、より多くの稲を見る事が出来ます!それに暑い年も不作を防ぐ可能性もあるとなると、皆に広めなければ!」


とても興奮しております。それじゃあ、そんな文蔵さんに実地をやってもらいましょうから


「それでは文蔵殿、そして他4人の皆様。我々がやった事を、後ろに立って見えにくかったであろう百姓の方々に見せてやってくだされ」


「は、はい!皆、儂達が覚えないと意味が無いぞ!しっかりと覚えようじゃないか!」


「「「「おおお!」」」」


こうして、百姓の皆さん同士での実地作業を交代交代でやり始めて、あっという間に田畑は木の枝だらけになりました。正条植えの実地体験を終えた文蔵さん達は


「いやはや柴田様。植える事自体は大した事ないのですが、並びを気にしながらとなると丁寧に植えないといけない気持ちになりますな」


ちゃんと植えないといけない気持ちから、少し疲れた様でした。まあ、少しずつ慣れてください


こうして、常陸国の来年の為の農業改革が広がり始めだした。

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― 新着の感想 ―
柴田の鬼和子は仕事の鬼でもあるw 音に聞こえし赤備えに加えて、六三郎本人も止まることなく働くし、飯も調達してくれるとあれば文句も言えないのが強い。
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